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たて座R星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

たて座R星(たてざあーるせい)は、たて座にあるおうし座RV型の脈動変光星である。学名はR Scuti(略称はR Sct)。ほぼ全周期双眼鏡で観測できるので、変光星観測初心者向けの星であるといえる。

物理的性質

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約144日の周期で4.2等から8.6等の間を変光するが[1]、規則性はよいとはいえず、140日から146日の間で明るさを変えるというのが実態に近い。おうし座RV型変光星は平均光度が変化するRVb型と変化しないRVa型に細分されるが、R SctはRVaに分類される[1]

スペクトル型はG0Iae-K2Ibpの間を変化するが[1]、極小時にはM型の赤色超巨星のスペクトルを示す。距離は非常に遠く諸説あるが、約2500光年と考えられている[2]

R Sctの導入法

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散開星団M11の北西1に輝いている。M11が見つけにくい場合はアルタイルからわし座δ 星→わし座λ星というようにたどって見つけることもできる。

脚注・出典

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  1. ^ a b c 天文観測年表編集委員会 編 『2008年 天文観測年表』 地人書館2007年11月20日初版第1刷発行、ISBN 978-4-8052-0789-5、175頁
  2. ^ エーリッヒ・カルコシュカ英語版 著、村山定男 監訳、白尾元理 訳 『フィールド版 スカイアトラス』 丸善1991年8月30日発行、ISBN 4-621-03625-4、90頁

外部リンク

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