CorelDRAW
開発元 | コーレル |
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最新版 |
2020 / 2020年3月26日
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対応OS | Microsoft Windows, MacOS |
種別 | Vector graphics editor |
ライセンス | プロプライエタリ |
公式サイト | コーレル株式会社 |
CorelDRAW(コーレルドロー)は、コーレル株式会社が開発、販売するベクトル画像編集ソフトウェアである。
概要
1985年に、マイケル・コープランド博士が、インテルベースのDTPシステムを販売するためにCorelを設立。1987年にエンジニアであるミシェル・ブイヨンとパット・バーンを雇用し、プロジェクト発足、1989年に発売したのがCorelDRAWである。
ベクトルデータを扱うDTPソフトであり、ベジェ曲線や図形、写真等を駆使してポスターや小冊子、企画書などを作成する用途によく使われる。
対応プラットフォームはWindows、MacOS。Mac向けは2001年のバージョン11を最後に長らく発売されていなかったが、2019年におよそ18年ぶりのMacOS版としてバージョン2019がリリースされた。Linux版もバージョン9までは販売されていたが、現在は販売されていない。
Ver.1の開発コードネームは「Waldo(ウォルドー)」といい、帽子をかぶったその名の男性がマスコットキャラクターであった。パッケージデザインとソフト起動時の画面には、もともとコーレルのシンボルマークでもあった気球が用いられていたが、Ver.8から女性やペンなどに変わり、2006年に発売されたVer.X3は「カルロス君」というカメレオン(尻尾が渦を巻いており、徐々にベクトル画像になっているもの)になったりしたが、Ver.X4で再び気球になり、バージョン2018でもパッケージには気球が描かれている。
同種のソフトとしてAdobe Illustrator、日本では花子などがある。
特徴
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CorelDRAWの特徴として以下が挙げられる。
- DXF (AutoCAD)形式やAI (Illustrator)形式など、幅広い形式の入出力が可能。
- 単体で表計算が出来ない代わりに、Excelのページを埋め込むことが可能。
- 尺度を表す際に便利な寸法線ツールが搭載されている。(Illustratorでは標準搭載ではない)
- Excelの感覚でページを増やすことが出来る(Illustratorはアートボードを設定しなければならない)
- Illustrator形式(.AI)の入出力に対応している。
- 毎月コストがかかるIllustratorに比べ、買い切りのため長期で見る場合に安価である。
- Windows専用ソフトウェアであり、右クリックメニューが豊富。基本作業はクリックで完結できる。
- Illustratorと違い、市販されているプラグインが少なく、近年日本では解説書が出版されていない。
(その代わり、5時間以上の解説動画や、小冊子[スタートガイド]が同梱されている)
- Illustrator、Microsoft Visio、G.crewなどの他社類似製品、Corel製品を所持している場合は「特別優待版」でより安く買うことができる。
- Ver.4以降、TrueTypeフォントを作成できるようになった。但し、プログラムの中でまだカーニング組の作成の調整ができない。
バージョン遍歴
- バージョンX3(2006年8月4日)
- 40以上の新機能の追加
- 星形・多角形ツール、スマート塗りつぶしツール、ベベル効果、切り抜きツール、境界線の作成、インタラクティブなテキストパスの結合ツール、PANTONEカラーパレットの強化(印刷カラー分解時にCMYKに変換されなくなった)、オーバービュープリント(的確な印刷用オブジェクトのプレビュー)など。
- バージョンX3 Plus(2007年8月3日)
- 最新アップデータが適用されたVista対応版。初回数量限定でオフィシャルガイドブックが付属していたり、素材大手のDesignEXchange のダウンロード優待価格サービスなどが付属されていた。
- バージョンX4(2008年8月15日)
- テーブルツール、ページごとのレイヤー機能、テキストのライブプレビュー(フォントをポインターで選択すると、リアルタイムで文字が変わっていく)段落テキストのミラー化
- バージョンX5(2010年9月10日)
- 新規ドキュメントダイアログ、属性スポイトツール、イメージパレット、Bスプラインツール、直線コネクタ、丸型の角(スカラップ、丸型、面取り)、ピクセルプレビュー、カラーダイアログの強化(スポイトツールが搭載、16進数カラー値で選択可能に)、「カラー校正の設定」ウィンドウ、「Webにエクスポート」ダイアログで透過PNGなどが作成しやすくなった。VSTAとの統合も行われ、ダイナミックアドインを作成できるようになった。機能強化はメッシュ塗りつぶしツール、曲線ツール、セグメント寸法線ツールなど。
- バージョンX6(2012年8月24日)
- Windows 8 64bitネイティブ、マルチコアCPU対応。オブジェクトプロパティのウィンドウの再構成、ベクトルデータの整形ツール(塗り付け、旋回、引き付け、反発)、クリップマスクの作成、カラーの調和(色のバランスを保ったまま別の配色を試すことができる)、カラースタイルパレット(ベクターで構成されたグループを選択し、特定の色を任意の色に変更できる。100個バラバラの赤だけを緑に変更する等が可能になった)、マスターレイヤー機能、ページ番号付け、整列ガイド(リアルタイムで変動するガイドライン)、インタラクティブフレーム、プレースホルダ テキスト、OpenTypeのサポート
- バージョンX7(2014年5月23日)
- インターフェイスの一新。塗りつぶしの編集ダイアログボックス、グラデーション塗りつぶし、塗りつぶしピッカー、塗りつぶしの作成、ベクタオブジェクトのスムース化、ウィンドウ枠のカラーのカスタマイズ、作業領域、QRコード作成機能、補色の検索、オブジェクトの輪郭配置、オブジェクトスタイルのプレビューなど
- バージョンX8(2016年3月16日)
- リアルタイムスタイラス(RTS)の対応、オブジェクトの表示/非表示、5Kディスプレイ対応、マルチモニタ対応、Windows 10最適化、デスクトップカラーのカスタマイズ、UIの自由度の向上(アイコンサイズは最大250%)ガウスぼかしのドロップシャドウ、
- バージョン2017(2017年4月12日)
- LiveSketchツール(人工知能(AI)による、スケッチを正確なベクトル曲線に変更)、スタイラス機能の向上、カスタムノード(曲線、図形の各ノードタイプに一定の図形を割り当てることが可能に。)インタラクティブスライダ(透明度やブレンド、押出、ドロップシャドウ、押し出し、等高線などの作業時に便利)
- バージョン2018(2018年4月20日)
- 対称描画モード(万華鏡・左右対称などのデザインの自動化)、ブロックシャドウツール(影をベクトルで作成)、整列/配置ノード、図形の罫線の、破線や輪郭の角の調整機能、インパクトツール(ベクトルオブジェクトとして勢いのある線を追加)、Postillzer(画像・図形からトーンのような点描画像に変換)、PhotoCocktail(画像からモザイクタイルの作成)、写真の傾き・遠近をインタラクティブに補正。ビットマップにエンベロープを適用、WordPressへのアップロード機能。
- バージョン2019(2019年3月12日)
- MacOSをサポート、MicrosoftストアとMac App Storeでの販売開始(サブスクリプション契約のみ)、オブジェクトウインドウの機能強化、Web用グラフィックス向けのピクセルパーフェクトなグリッド、非破壊的なピットマップ効果をベクターに適用、強化されたテンプレート機能、PDF/X-4への出力、ユーザーインターフェイスの改善、パフォーマンスの改善、ブラウザから利用可能なWebアプリ版「CorelDRAW.app」。
- バージョン2020(2020年3月26日)
- PowerTRACEにAIを搭載、アートスタイル効果、ベクターフェード、内側のシャドウツール、ビットマップ効果レンズ、アップサンプリングオプション(AIをつかった高解像度化)、JPEGアーチファクトの除去、Photo-Paintに非破壊効果、スマート選択マスクツール、バリアブルフォント対応、番号付きリスト、コメントドッキングウィンドウ、コラボレーションのワークフローなど。
統合パッケージ
2019年現在、CorelDRAWは単体での販売はされておらず「CorelDRAW Graphics Suite」のパッケージの一部として販売されている。詳しくはCorelDRAW Graphics Suiteを参照。
廉価版
CorelDRAW Graphics Suiteに比べ低価格(1万円台)で購入できる廉価版としてEssentials シリーズがある。Essentialsシリーズにはフォントや画像の素材などはあまりついていない。現在バージョン2024まで発表、発売されている。詳しくは、CorelDRAW Essentialsを参照。
また、CorelDRAW Graphics SuiteとCorelDRAW Essentialsの中間的な位置づけとして、Essentialsより機能削減の少ないCorelDRAW Standardも発売されている。