昨日、NHN Japan株式会社、グリー株式会社、株式会社サイバーエージェント、株式会社
ディー・エヌ・エー、株式会社ドワンゴおよび株式会社ミクシィの6社による共同リリース「コンプリートガチャの取り扱いに関するお知らせ(6社共同)」が各メディアに届いた。先日、課金の上限を設定する発表があったばかりだが、今度はユーザーの射幸心を煽って、ガンガンお金を使わせていたコンプガチャを廃止するというのだ。

共同リリースいわく

「各社で開発、運営しているソーシャルゲームなどのサービスにおける全てのコンプリートガチャ(以下「コンプガチャ」)に関し、新規にリリースするゲームについて中止する方針を決定いたしました。また、各社で現在運営しているソーシャルゲームのコンプガチャについても、2012年5月31日までに終了、以降は新たなコンプガチャを行わないことを決定しました。なお、当協議会に参加するプラットフォーム事業者が取り扱うゲームに関して、協議会としてガイドラインを作成し、早急に公開する予定です。」(リリースより抜粋)

という内容を決定したという。その理由としては以下、

「6社としては、多くのお客様にご利用いただいているサービスを提供する社会的責任を負っている企業として、各方面からのご示唆を受けて、真摯に検討した結果、お客様に対するサービスの内容の向上を図るため、停止することとしました。」(同リリースより抜粋)

オブラートに包まれているので、リリースの内容を簡単にすれば

「今まで特定のアイテムが出る確率を低く設定して、なかなか揃わないように操作して有料でくじ引きさせていました。ユーザーを煽りまくって何度も何度もこのくじ引きを引かせてボロ儲けしていたんだけど、何か周囲が騒ぎだしアコギだ!って言われるし、儲けもかなり出たんで、ここでこの方法を捨てることにしました(また別の方法を探すYO!)」

と言っているわけだ。

今回のコンプガチャの廃止に関しては、お金儲けに目がくらんで理性を失い突っ走った結果で自業自得と考える人が大多数だ。しかも、お金をたくさんつぎ込まされたユーザー(言わば被害者)に未成年が多かった点が問題を大きくした原因になっている。

これ、社会人の成人向けに提供されていたら、そこまで騒ぎにjなっただろうか? そもそも社会人なら、コンプガチャよりパチンコやパチスロ、公営ギャンブルにお金を使い、こうしたコンプガチャにはあまり興味を持たないのかもしれないということもあるが、ここまで騒ぎにはならなかったのではないか。

某A○B4□なんて、ファン1人が何千枚もCDを買って好きなタレントさんを盛り上げたりしているが、一向に問題になる気配がない。背景が違うし景品法の範囲外なので問題が異なり、直接比較できるものではないが・・・成人のオトナがやっているからと顔をしかめながらもスルーされている。

コンプガチャによるお金儲けの対象相手を未成年としたのは、正直「オトナが子供から金銭を巻き上げるなんてお前らクズだろ!」としか言いようがない(支払いは親だとしてもだ)。臆面もなくコンプガチャを提供していた各社さんは、いつから道徳観や常識を失ったんでしょうかね。お前らの血は何色だ? と聞いてみたいものです。いっそのこと小学校の道徳からやり直してみるってのはどうでしょうか?

しかし、今後コンプガチャはNGだとしても、ユーザーから上手にお金を巻き上げないと売り上げが立たないわけで「コンプガチャ以外でボロ儲けできる方法を早急に考えろ!しかも違法性の指摘なしでだ!」という命令が各社の開発に飛んでいるのは、おそらく間違いない。結局は「新しいサービスでボロ儲け>問題発生>自主規制>別の抜け道登場>問題になる>自主規制」といったことのループになるのではないかとも思える。

この6社では5月31までには、完全にコンプガチャのサービスが廃止されることになっているのだが、それまでに「駆け込み」で「ギリギリまでユーザーのお金をぶっこ抜きたい」というところもあるだろう。そして臆面もなく新たなコンプガチャをリリースしたりしてくる可能性もある(実際にリリースしたという話も聞かれる)。

あまりにも節操がなく、ユーザーを金づるとしか見てないような会社は、正直、とっとと捕まってしまえばいいと思うのは筆者だけではないはずだ。今後も、こうした問題は登場しては消え、別の問題が登場しては消えといった感じで堂々巡りになるのが常だが、ユーザー自身が被害を受けないように自己防衛することも重要だ。皆さんもネットの課金厨だけにはならないように!

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