試験勉強に iPad Pro が最強だった件 - iPad Pro 活用方法記事第三弾-
本年もどうぞよろしくお願いいたします。前回のエントリーでも宣言した通り、今年は出来るだけブログを頻繁に更新していこうと思います。(今年の目標宣言)
さて、今回の記事は、毎回好評をいただいている「iPad Pro」に関するものです。実は、このブログは最近、記事を更新していない間にも勝手にアクセス数が増え続けておりまして、1日500View、月間に15000Viewを恒常的に超えるようになりました。その最大のアクセスが、GoogleやYahooから「iPad Pro 使い方」とか「iPad Pro 活用方法」といったオーガニック検索でここにたどり着く方でして、過去2回のiPad Proの活用方法記事がこれらの検索キーワードで日本のApple 公式サイトの次にヒットするようになってしまいました。おそらく日本におけるiPad Proの販売にそれなりに貢献していると思うのでAppleは当方に何らかのインセンティブをくれるべき。
最初の記事
2本目の記事
しかも、ボーナスの時期やAppleによるiPadの価格改定が行われるとにわかにアクセス数が増えます。今年もAppleの初売り の開催日である1/2に急にアクセス数が増えました。
ふふふ。訪問者のみなさん。わかっているんですよ。
皆さん、購入にあたって、背中を押して欲しいんですよね?
家庭内稟議を通すための、もっともらしい理由が欲しいんですよね?
決して安くない買い物をするにあたって、自分が納得したいのですよね??
オーケー分かりました。ということで3本目のiPad Pro記事として今回は「試験勉強」に特化した内容をご紹介しましょう。しかも、前回までの記事からさらに1段、自身の経験をもとに掘り下げた内容です。
ただ、私は社会人なので試験勉強といっても技術系資格の勉強について書きます。が、内容によってはTOEICなどの英語学習は勿論、学校の試験勉強にも使えるかもしれません。どうせiPadを買うなら、普通のものよりProが良い、という方(場合によっては、中高生や大学生の方)、ぜひ参考にしてください。
目次
- 今回、(再)チャレンジした技術系試験とは
- iPad Pro × 学習 を考えている人なら是非入れたい「Liquid Text」
- WebページやPDFから「学びのログ」を集約する
- 本気で学ぶなら12.9インチを買うべし
今回、(再)チャレンジした技術系試験とは
第二回の記事でも少し触れましたが、当方は教育情報化コーディネーター(ITCE)という資格試験に一昨年(2016年)、チャレンジしました。この資格には3級、準2級、2級、1級というグレードがあります(3級の前にはいわゆる「ICT支援員」を認定する試験がありますので、ITCEはその上位に位置付けられます)。この資格は、学校のICT支援業務、さらには教育の情報化を推進するために必要な技術的スキルを持っていることを証明するものです。すべての級を通じて、試験は年1回のみの実施です。
一昨年、私は3級からスタートして一気に2級まで獲得すべく挑んだのですが、最後の関門である2次試験に落ちてしまい「準2級」に甘んじていました。その段階で翌年の再チャレンジを決めていたのですが、年明け1月には第一子が生まれ、5月以降は転職と転居というイベントもあり、その後もいろんな事情で週末も時間的制約があるという状況に。勉強に充てられる時間は以前よりも限られる状況でした。しかし、前年の失敗を糧にiPad Proを活用して効率的に準備をした結果、昨年は無事に合格できました!
【参考】ITCE2級の認定を受けるためには、まず3級(PCを使った選択式回答の問題で一定以上の得点が必要)を通過する必要があります。続く2級は1次試験と2次試験があり、1次試験では教育ICTに関連する筆記試験(時事ネタを意識した、自由記述回答式の問題も出る)が出ます。ここをクリアすると準2級の認定と、2級2次試験の受験資格がもらえます。
しかし、2級認定のための2次試験がなかなか厳しい。一昨年と昨年は「仮想の自治体における教育情報化の課題を状況設定から読み取り、自分なりに解決策を立案して提案書を作れ(ページ制限あり)」「提案書の内容に沿って、プレゼン資料を作成し、その説明の様子を動画に撮影せよ」「さらに、指定日に指定の場所に来て、口頭試問(面接)を受けよ」というお題が出ました。合否は3つのアウトプットの総合得点で決まります。
このため、試験勉強といっても「必要な情報にあたり、前提の知識を得る」「知識を活かし、自分ならではの解決策を考える」「その解決策を、面接やプレゼン映像を通じて自分なりに表現する」というスキルも求められるわけです。これらのすべてのスキルを伸ばすのに iPad Pro が1台あればよいか、と言われたらそうではないですが、「必要な知識を短時間でインプットする」「浮いた時間で試験に必要な”思考”時間を捻出する」「知識と思考の定着と深化のために、振り返りを手軽かつ効果的にする」という3つの観点を意識して、学び方を工夫してみました。
その学び方の改善に、大いに役に立ったのが「Liquid Text」というアプリでした。
iPad Pro × 学習 を考えている人なら是非入れたい「Liquid Text」
Liquid Text は、WebページやPDFファイルに注釈を入れながら読むことができるアプリです。それならば、過去に何度もご紹介している「GoodNotes」でいいじゃないか、と思うかもしれませんが、Liquid Text はこれまでのアプリとはちょっと違い、文書を読む・内容を整理する・自分なりに再構成する、という一連の流れが行いやすいように設計されています。
まずは、短いので是非HPにある以下の動画をご覧ください。
※英語ですが、見れば分かる内容です
詳しくは動画を見ていただくのが一番わかりやすいのですが、画面の右側(横持ちの場合。縦持ちの場合は、画面の下側)に、自分がマークした部分を集約するスペースがあります(以後、勝手に作業スペースと呼びます)。作業スペースでは、それぞれのマークした部分が独立したオブジェクトになっていて、オブジェクト同士を近づけるとかってに「くっつきます」。これが非常に直感的で、内容的に関連性のあるもの同士をくっつけてながら読み進めていくことで、要点や思考を整理することができるのです(文章では伝わらないので是非動画をみてください)。
図形や表も作業スペースに入れることができるので、自分が知らなかった知識や、考えるうえで重要になりそうな(とはいえ、記憶するのが難しい)内容を一旦ストックし、あとから振り返るのも簡単です。しかも、作業スペースに残した内容は元のテキストの引用部分に自動リンクしているため、作業スペースのオブジェクトをタップするだけで、その引用元部分まで即座にジャンプしてくれます。これにより、後から該当部分を見返したり、その前後を読み直すのにもとても便利です。
さらに、本文中のいらない部分は折りたたむ(表示を省略する)こともできます(上のスクリーンショットの文字が砂嵐上になっている部分は、折りたたんで省略表示にしている部分)。 すでに知っている内容やあまり重要ではないと判断した部分については、表示を折りたたむことで、PDF文書やWebサイトを効率的に読み込むことができます。
そして、iPad Proならではの使い方として、ここに手書きで文字や内容を書き込む「アノテーション」が可能になります。この機能を使うときには、有料課金が必要ですが、アノテーション以外は課金をしなくても試せるので、まずは使ってみることをお勧めします。
(アノテーションは作業スペースに限らず、画面内のどこにでも行うことができますので、PDF上に直接書き込みするといった使い方も勿論可能です)
WebページやPDFから「学びのログ」を集約する
今回、試験問題を解くにあたっては、いくつかの長いPDF文書を読み解く必要がありました。そのため、そのPDFの内容をまとめて、課題を見つけること、そして課題の解決策を考えるために、このLiquid Textの作業スペースが大いに役立ちました。
▲Liquid Textを用いたPDF読解の一例。左側がPDF文書本題、右側が作業スペース。赤文字はApple Pencilによるアノテーション。この画像は右側の作業スペースにある画像の引用元が黄色でハイライトされている様子をとらえたものです。
Liquid TextにはPDFだけではなく、Webページを読み込むこともできます。(追記:当方はまだやったことがありませんが、App Storeの解説によると、「compatible with PDF, Word, and PowerPoint document types」とあるので、WordとPowerPointもイケるようです!)
学習に役立ちそうな文書やWebページを一通りLiquid Textに放り込んだら、Apple Pencilを片手にPDFで文書を読み進め、気になった部分を範囲指定して作業スペースにどんどん放り込みます。作業スペースにオブジェクトがある程度たまったら、それを整形していく中で、自分の思考も整理されるというわけです。私は、内容的に重要そうだなと感じた部分を作業スペースに放り込み、適当に関係性のある内容同士を繋げていった上で、「自分ならこう考える」「この部分には納得がいかない」といったいわゆる「ツッコミ・気づき」を赤色でアノテーションしていく、という使い方をしてみました。
このやり方だと、単純にラインマーカーを引きながら文章を読んだり、何もマークせず読み進めるよりも手戻りが少ないだけでなく、後から見返した時(例えば、赤文字のアノテーションが一周回って戻ってきた時に未解決か解決済みか、など)にも威力を発揮します。少々読み進めるのに時間はかかるものの、私にとっては結果的に時間の節約になりました。
こうして短時間で確実に知識をインプットし、課題の解決策を考える時間を捻出できたことが、今回の試験でのアウトプットの質を高める事に貢献したと実感しています。今回、このアプリは「試験勉強」に使いましたが、実は最強の真価を発揮するのは、いわゆるデスクトップリサーチを行う時、かもしれません。
本気で学ぶなら12.9インチを買うべし
このLiquid Textですが、iPad Pro の 9.7インチ版や10.5インチ版でも勿論、充分に使えます。ただし、使い始めると10インチクラス(いわゆる、小さい方のiPad Pro)だと、だんだん手狭に感じてきます。結果的に10.5インチと12.9インチのiPad Proを両方所有する事になったのですが、Liquid Text についてはほぼ12.9インチの方で使っています。(別の理由として、iOS11になって2画面表示の利便性が上がり、2つのアプリを同時起動して使うのに画面が大きい方が使いやすかった、というのもあります)
学習用端末(もしくはリサーチ用端末)として使うならば、iPad Proは12.9インチモデルを購入した方が、なにかと便利です。特に、すでに9.7インチや7.9インチのiPadを持っていて、2台目以降のiPadを購入することを考えているのであれば、12.9は視野に入れても良いでしょう。持ち運びには大きめのサイズになりますので、目的が試験勉強やリサーチであれば、自宅用と割り切ってWiFi版選択するのもアリかと思います。
ということで、私は12.9インチのiPad Proは、徹底的に「書く」「まとめる」という使い方に集約する事にし、書き味を向上させるためにペーパーライクフィルムを貼り付けて、知識を取りまとめるキャンバスとして使っています。
ペーパーライクフィルムを貼ると、写真などを見る時には少々、液晶の表示が犠牲になってしまうのですが、Apple Pencilと組み合わせて文字や図形、頭の中の思考を整理するためのメモを取る時には、最高の使い心地になります。
ということで、今回は Liquid Text × Apple Pencil × iPad Pro を活用した、効率的な知識のインプットと思考整理術について紹介させていただきました。iPad Pro購入にあたっての一つの参考になれば、幸いです。