ワイン雑感

年末年始と言えば、おせちとお酒。おせち料理にはまぁビールや日本酒が定番なんでしょうけど、おせちなどとは無縁の独り身としては「飲みたい酒を飲む」、これに尽きます。

 

僕はビールが一番好きではありますが、ワインも好きです。醸造酒はちびちび飲めるのが良いですね。静かに本を読みながら一人で部屋でやるのにぴったりです。

 

ワインというと、種類が本当にいっぱいあって圧倒されてしまうし、どれが美味しくてどれがお買い得でどれがまずくて、みたいなことが本当に分かりにくい。そこで僕は6,7年前、ワインの入門書を読むことにしました。3冊ほど読めば、ブドウの品種やワインの銘柄、産地、国によって存在するある程度の傾向(ただフランスだけは例外でフランスの中での産地でカテゴリ分けした方が良い)など、基本的な知識を身に着けることが出来ます。将棋で言うと駒の動かし方を覚えて、基本的な戦法を試してみるような段階まできた、という感じでしょうか。

 

それでワインの試飲イベント(参加費7000~8000円くらいの飲み放題イベントが定期的に都内で開催されてたりします。でもコロナ後は減ってしまったんだろうか)に何回か行ったりした時期がありました。それは半年ほどの「マイブーム」で、少し熱が冷めてからはあまりワインを積極的に飲まなくなってしまいました。

 

最近になって、近所にある(友達がオススメという)ワインショップに行き、一本6000円ほどのバルバレスコというイタリアンワインを買って一人で部屋で飲んだのがきっかけで、またワインを少し飲むようになりました。バルバレスコというのは分かりやすく言うと、「松坂牛」みたいな産地とブランドを合わせたような意味の言葉で、生産者(ワイナリー)は一つではないですが一定の味と品質を提供するワインの種類というかブランドを指しています。

 

そのバルバレスコが、本当に美味しかった。ワインに少しハマった6,7年前には味わえなかった感動を覚えました。よくワインの評価テキストで「ブーケ」という香りを指す言葉があるのですが、そのバルバレスコは芳醇なブーケ香がありました。

 

香りの定番と言えば、人類がみな大好きな「バニラ」というのがあるでしょう。バニラ香は僕も大好きです。近年では工業化学の発達により、バニラ香は9割がた人工香料として実現されていて、天然のバニラは非常に高価な香料となっているそうですが、それは余談でしたね、閑話休題

 

ワインにおける「ブーケ」にはバニラとはまた違った華やかさがあると思います。ブドウの果汁を樽で数年熟成させただけでそういう香りが立ち上ることは本当に自然の驚異としかいいようがありません。

 

自分の今の味覚からすると1万円未満のワイン(というかそれより高いワインを飲んだことが無いので数千円台のワインまでしか分からないのではあるが)において、価格決定要素となるのは、「香り」「ボディ」「渋み・甘み」という3要素です。バルバレスコはまだ2本しか飲んだことありませんが、とにかく香りがすごく良い。

 

「香り」が良いワインは、ワインそれ自体を愉しむのに適していると思います。つまみはなしでもいいし、ちょっとしたチーズやオリーブでもいい。個人的には「ミニトマト」がカロリー少なくてヘルシーでかつワインにあうのでオススメだったりもします。

 

「ボディ」は、本当にワイン通の人でしたらつまみ無しでワインだけを愉しむときにボディを感じることが出来るのかもしれませんが、個人的な楽しみ方としてはボディがしっかりしてるワインは料理とのマリアージュを色々と試すのがいいと思ってます。料理といってもレストランのような大層なものでなくても、それこそ冷凍食品のグラタンでもいいし、ちょっとしたチーズや生ハムとかでもいいし、肉や魚のソテーやグリルをスーパーマーケットで買ってくるのでも全然満足感があります。ボディは、マリアージュしたときに「ふくらむ」のです。ボディがしっかりしたワインほど、料理と合わせたときにその真価を発揮するのだと思います。

 

「渋み・甘み」は、これはワインの品質を左右する要素というよりは、個人の好みとのマッチングにおいて重要な要素だと思います。一般には、渋み・タンニンがしっかり効いたワインのほうが甘味の強いワインよりも高価な傾向にあると思います(一つ例外はあって、白ワインの王様である貴腐ワインについては甘味をある程度価格的に評価したものが多いとは思います)。

 

現時点(2022年末)の自分の好みとしては、香りの優れたイタリアンワインが好きです(チリやカリフォルニアのワインも3000円未満のものは数本試してみてはいるものの、まだ自分には良さがあまり理解できないです)。サイゼリヤのグラスやデカンタを注文すると出てくる「マグナムワイン」も、かなりコスパ良くて美味しいイタリアンワインです。

 

自分の好みで少し偏りがある点としては、ボディよりも香り重視なことです。これは自分がいつも夕食をちゃんと食べず夜はお酒メインであるためにマリアージュをそんなに重視していないことに起因すると思っています。ワインそれ自体で満足感を最大化するためにはボディよりも香りのほうが重要になってくるというわけです。フランスワインで本当に香りのよいものを飲もうとしたら、ボトル8000円以上は軽く行ってしまいそうな気がします。イタリアンワインなら、5000円未満でも香りが本当に良いワインがいっぱいあると思います。

 

と、ここまで書いて、チリやカリフォルニアの新世界ワインでコスパ良くブーケが立ちつつタンニンもそこそこ効いた5000円未満のワインがあったら飲んでみたい、と思いました。来年は新世界ワインを自分なりに開拓してコスパ良く満足感の高い銘柄を見つけるという趣味をやってみようかしら。

 

そんな感じで、唐突な終わり方ではありますが、ワインについての雑感を書いてみました。

 

ではまた。