「混合診療」禁止は違法

医療の現場のものには、大きなニュースだろう・・・この判決の意味合いってのは背後のいろんな思惑と、司法のおごり、行政の意向、財界の悪巧み、医師会の無能さ、メディアの不勉強ぶりと悪辣さ・・・一般市民の無理解など・・・この混合診療を導入すれば、一番困るのは一般市民なのであるが、ほとんどの市民はこの意味を理解せず、医師会が反対しているから良い制度なのだろう。かわいそうな人がいるから混合診療にすればぁ・・・と軽薄に思うのだろう。


政府はこの高裁・最高裁に行けばすぐに逆転されそうな判決を利用するかもしれない。なんせ、財界の悲願は国民皆保険制度の撲滅であり、その諸端は「混合診療」なのである。
故に、大企業べったりの自民・財務はこの判決をわざと受け入れるという奇策を行うかもしれないのである。

あの(御用放送局)NHKは、医師会が反対している「混合診療」と馬鹿の一つ覚えでニュースを流しているようだし・・・財界至上主義民放フジテレビや日テレもそうれに追随しているようだし・・・


「混合診療」禁止は違法、東京地裁が国側敗訴の判決
 健康保険が使える診療(保険診療)に上乗せして保険外の診療(自由診療)を受けた場合、保険診療分まで全額患者負担になるのは不当だとして、神奈川県内のがん患者が、国を相手取り、保険を受ける権利があることの確認を求めた訴訟の判決が7日、東京地裁であった。

 定塚誠裁判長は、保険診療と自由診療を併用する「混合診療」を原則禁止している国の政策について、「混合診療を禁止する法的な根拠はない」と述べ、原告に保険診療分の受給権があることを認め、国側敗訴の判決を言い渡した。

 日本の健康保険制度の前提となってきた混合診療の原則禁止を違法とした初めての司法判断で、厚生労働省は法改正を含め保険制度の見直しを迫られそうだ。
(2007年11月7日15時16分 読売新聞)

混合診療認めないのは違法 NHK
http://www.nhk.or.jp/news/2007/11/07/d20071107000135.html
神奈川県に住むがん患者の清郷伸人さん(60)は、公的な健康保険が適用される診療に加えて保険が適用されない免疫治療を受けると、すべての治療費が自己負担になるのは不当だと訴えていました。国は混合診療を原則として認めておらず、患者が日本で承認されていない薬を使ったり実績の少ない新しい治療を受けたりすると、本来なら保険で賄われる検査などの費用も全額、患者の負担にしています。判決で、東京地方裁判所の定塚誠裁判長は「併用することで、保険が適用される診療も含め、すべての費用を患者の負担にするのは法律の根拠がなく誤りだ。保険を適用するかどうかは個別の診療ごとに判断するべきだ」と指摘し、混合診療を認めない国の政策を違法とする初めての判断を示しました。混合診療については、国だけでなく日本医師会も、すべての国民をひとしく保険で支える制度の崩壊につながるとして強く反対しています。判決は国の政策を誤りとしたうえで、患者がさまざまな治療を受けやすくすることに道を開くもので、混合診療の是非をめぐる議論に、今後、大きな波紋を広げそうです。判決のあとの記者会見で、原告の清郷さんは「国を相手にひとりで闘った裁判だったので不安でした。負けるとますます混合診療が禁止され、患者を縛る制度が続くことになるので、どうしても勝ちたかった。ほっとしています。わたしひとりの問題ではなく、難病や重い病気に苦しむ全国の患者が、希望する治療を合理的な負担で受けられるように、国は制度を改めてもらいたい」と話していました。一方、厚生労働省は「混合診療の取り扱いに関する目的の合理性と制度の妥当性について主張してきましたが、この主張が認められず、きわめて厳しい判決であると考えています。今後の対応については判決の内容を検討し、関係機関と協議のうえ速やかに決定したい」という談話を出しました。


自由診療分の幅を拡大して、医療の世界で金儲けを企む財界とそれに盲従する自民党・財務省

元来あるべき医療をすべて、保険診療にすべきなのに、それをけちっているのは厚労省

「混合診療」という言葉を作り上げて、保険診療の範囲をせばめて、けちっているのは厚労省

・・・その虚言に惑わされているのは、医師会


混合診療をそんなに嫌うなら、どんどん診療報酬下げてくよって脅しがいまも行われているわけで・・・


自由診療議論の問題点
1)本来は現在の標準治療はすべて保険診療で行われるべき
2)にもかかわらず、中医協が明確な判断指針をしめさず、官僚主導型、近年は財界、患者団体主導型で判断されており、諸外国に比べ、真の医療の専門家の純粋な判断が著しくかけている。
3)医療側が国・官僚・与党政治家に対して不審を抱いており、一部でも公的介護保険破壊につながるものはすべて排除したいと考えている。混合診療導入を国民の体勢に利する形で行えるなら、皆保険死守の担保が必要だろう。まずはそれからである。
4)公的保険制度の破壊をもたらして利するのは、非公的な医療保険を手がけている会社であり、映画シッコに代表される米国型医療導入を喜ぶ連中である。
5)メディアの一部かわいそうな人をクローズアップして、民衆をミスリード使用としている。その背後に巨大スポンサーの保険会社、オリックスのような財界がある。
6)真に困るものは、経済状態の乏しい国民である。だが、メディアのミスリードで正しい情報が国民に知れ渡ってない。
7)一裁判官が行政を失政である判断する資格があるのだろうか?失政かどうかは民衆が決めることであり、法律に合致しているかどうか判断するのが司法の仕事。それ以上でも以下でもない。司法の思い上がりである。



「混合診療」になり、皆保険制度が破壊されて困るのは、低所得者層から普通の層の国民・・・おそらくわかってないのだろう、新聞テレビの恣意的報道により、医師会=悪と刷り込みができている。先週、フジテレビ医龍というフィクション・ドラマでも医師会を誹謗するものがあったと聞いているが、厳重な抗議が必要であろう。国民はまだ医師会が力があるものだと思いこんでいる(医師会幹部自体が勘違いしているのかもしれないが)

by internalmedicine | 2007-11-07 17:48 | 医療と司法  

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