正露丸問題は・・・・
2005年 05月 18日
正露丸のクレオソート論争というのがある(あったが)が、週間金曜日の「買ってはいけない」のWebはいま削除されている
(Webarchiveまで対策されておりますなぁ・・)
日本薬局方のクレオソートと木クレオソートの混同と言うことで・・立ち消えになったはずと思いきや・・・
要望書はウェブ上に残存しているのですね・・
http://www.yakugai.gr.jp/topics/file/kureosoto_req_20000131.pdf
週間金曜日のWeb内で、はっきりと“正露丸”の検索でされるのは
筑紫哲也氏の妄言(氏は、言語明瞭・意味不明、自己陶酔型、科学的論拠不明、イデオロギー主体型というエリート・メディアジャーナリストのすべての特徴を有する典型的な論客と私は考えている)くらいで・・・
http://www.kinyobi.co.jp/old/fusoku_oldf/285
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"二点――海外旅行の時だけ携行する正露丸と、常用している電気かみそりがすべてであった。が、・・・・・・、分岐点は(1)リストに上った商品を避けて、同類の他社製品にシフトする(2)他社をふくめて、その種の商品を買わないようにする、の選択の間に在ると思う。”
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これって、クレオソートが問題なのだから、それが含むかどうかを問題にしていたはずなのであり、同類の他社製品にシフトしても無駄じゃないの・・・アホ丸出し。
週間金曜日ってのは、自分の主張に責任をとらないのか・・・典型的なジャーナリズムですね。
大幸薬品の日本薬局方クレオソートだから批判にはあたらないという主張
http://www.seirogan.co.jp/products/seirogan/seibun01.html
に、もともと見当違いだったので、簡単に論破されてしまい、クレオソート・正露丸の問題がぼかされてしまいました。この種のOTCや薬剤類似品は、特定保健食品と同様、明確な有害性がなく、ほんのすこしの有効性が提示されれば許可し、かつて許可されたものの再評価はあまいという厚労省の姿勢にも問題があると思うのです。メディアやコマーシャル・メッセージのの基本はイメージ戦略ですし、特保と同様、確固たる臨床的エビデンスを有しているかの如くイメージが植え付けられてしまうのです。
クレオソートというのは“a complex mixture of many chemicals”、要するに多くの化学物質の混合物であり、特定の物質を指し示しているものではないというのがとても気がかりです(http://www.eco-usa.net/toxics/creosote.shtml)。
“ブナ、カシ等の原木を乾留、蒸留、精製して得られる透明な液”でありとありますが、日本薬局方クレオソートという名前を前面に出すのは、木・木材クレオソート(Beechwood creosote)というよりおそらく、法的縛りのある安全性というアピールなのでしょう。
筑紫どものジャーナリストが大好きなアメリカ政府のコメントは・・・木・木材クレオソートも含めかなり慎重な言い回しが多いのです。
環境有害物質・特定疾病対策庁(ATSDR)
http://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/phs85.html
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木クレオソート、コールタールクレオソート、コールタール、コールタールピッチ、コールタールピッチ揮発物質にふれたら、あなたへの害は多くの要因で影響されるでしょう。その要因は、用量(いかに多く接触したか)、その期間(長さ)、そして、如何に接触したかです。他の接触した化学物質、年齢、性、食事、家族因子、ライフスタイル、健康状態をも考慮しなければならない。
木クレオソートは、クレオソートブッシュの葉(Larrea:これがcreosote bush resinの由来)やbeechwood(Fangus:これがbeechwood creosoteの由来)からのレジンから抽出されたもの。
クレオソートは高熱処理により作られ、無色から黄色的な油様なもので、特徴的な臭いと焼けたような味を有する。
Beech woodは、消毒、下剤、咳嗽治療に用いられてきた。leprosy、肺炎、結核治療に内服、飲用として使用されことがある。
USでは現在医師によって用いられることはまずない。よりよい治療方法が有るから。
日本では、まだ、生薬治療として、去痰、下剤として用いられている。これらの主な含有物はphenol、cresols、guaiacolである。
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直接的な有害作用に関する記載は
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“Taking herbal remedies containing creosote bush leaves may result in damage to the liver or kidney.”というのがかかれており、
肝臓障害・腎障害の可能性が言及されております。
さらに、“小児への影響としては、出生前の影響は報告されてない。実験動物では妊娠中の高濃度曝露で奇形性が報告されているが、ヒトではどの程度の影響があるか不明。胎盤組織を通過するという報告がある”とも考察されてます。
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私は、安易に使用すべきでないという印象を持つのですが、いかがでしょうか?
特に、頻回に・長期・大量にというときには注意が必要と私は思います。
by internalmedicine | 2005-05-18 12:19 | 医療一般