ワクワク不動怪獣日記

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【日記】魔法少女とぽんこつヒーロー【2024.12.21】

魔法少女イナバ / 魔法少女イナバ - 漫画:猫にゃん | コミックグロウル |無料で読めるWEBマンガ!

 

少し話題になっているこちらの漫画を読んだ。現在まんがタイムきららキャラットで「Vドライブ!」を連載中の猫にゃん先生の読切だ。

 

大多数の人は「劇光仮面」を思い出したのではないかと思う。

 

実際地の文や作風に劇光仮面の影響は多分に受けているとは思う。だがあちらは昭和特撮に焼かれ、実現手段として服を作るという出力になったのに対し、こちらは魔法少女に救いを求め、救うため・救われるために魔法少女に変身し、ちょっとした人助けすら変身の過程を挟まないと行えないという点で哀しさのレイヤーがかなり上のように思う。読み切りという短さもあるだろうが、劇光仮面の特撮ヒーローに比べて魔法少女の概念の描写もほぼ無いのは、主人公が魔法少女という概念からある意味勝手に読み取ったヒーロー像、無いものに憧れた主人公の虚無の表れなのではないか、魔法少女である必要性が無いという意見もあるだろうが、仮面ライダーでも魔法少女でも変身前でもできる人助けをわざわざ変身しないと出来ないという点が重要なのではないか。そういう面で劇光仮面と共通しているようでしていないように私は感じた。

 

なので私が思い出したのはまた別の作品である。

 

「ぽんこつヒーローアイリーン」だ。

 

 

この作品には緑川枝織が変身する魔法少女、ラブリーメロンが登場する。…といっても本物の魔法少女ではなく、一人暮らしの孤独に耐え兼ね、アニメの作品のキャラクターのコスプレをして街をパトロールする高卒の無職だ。彼女は魔法少女イナバに変身する城戸兎衣に比べると、作風もギャグ寄りで自分の言動の痛々しさなどにかなり自覚的であり(イナバみたいなのが何人もいてたまるか)、本物の魔法少女であるアイリーンの事も最終回までコスプレとしか思っていなかった。彼女は、明るいラブリーメロンを演じ、周囲や自分自身も騙していたのだが、その行いによってポンコツで失敗続きのアイリーンは確かに救われていた…という物語として綺麗な着地を見せた。光の強度の差異はあれどフィクションの番組の魔法少女に救われ、それになりきり現実世界でヒーロー活動を行う、なりきらなければ現実で生きられないという点で共通項があるように思う。

 

緑川枝織は城戸兎衣のように狂うことは出来ず、だからこそ仲間ができ、感謝され、救われた。城戸兎衣はあくまで孤独に、誰から感謝されなくても戦い続けるだろうし、そうでなければ救われないのだろうが、彼女にも暖かい光が差し込んで欲しいと思う。

 

そういえばアイリーンもまたまんがタイムきららキャラットで連載されていた作品であった。(まんがタイムきらら無印だった!!!!すまん!!!!)この共通項が意識された物か、たまたまなのかはわからないけれども。自分が救われたものになることで誰かを救いたいと思う人には、幸せになって欲しいと私は思う、本人が望んでいなくても。

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