shiloの素人日記

素人考えを書きます

プロダクトヒストリーカンファレンス 2024の参加レポート

はじめに

こんにちは、shiloです。とにかく久しぶりの投稿になってしまいました。 今後は忙しさを理由にせずに定期的にブログ書きたいなと思っています。(とりあえず宣言しとけば、続けられるかなという思い・・・笑)

今回の記事では2024/11/30(土)にTODAホールで開催されたYOUTRUST社主催のプロダクトヒストリーカンファレンス2024に参加してきたので、参加レポートをまとめようと思います。

ぱっと結論を言うと、普段なかなか業務で得られないようなプロダクト観点での学びがたくさんあり、参加してとても良かったです。

プロダクトヒストリーカンファレンス2024の概要

公式メッセージより引用:

「プロダクトヒストリーカンファレンス2024」は、 プロダクトやサービス開発の軌跡から学びを深める、 テックカンファレンスです。 社会課題を解決へと導いた技術。技術の発展がもたらす未来。 未来をより良くするための、終わりなき探究と創造。 そうして生まれたサービスやプロダクトが、 新たな当たり前を生み出し、 私たちの生活に欠かせないモノやコトになる。 その背景には、開発段階からの小さな成功の積み重ねや、 数多くの困難・失敗、試行錯誤の繰り返しがあります。 開発現場のリアルな話からヒントやきっかけを得て、 未来の可能性を広げながら、 一緒に日本のモメンタムを上げていきましょう。

公式メッセージにも記載がある通り、プロダクトヒストリーカンファレンスは各社のプロダクトやサービス開発の歴史における成功談や失敗談、学びを共有することを目的としているテックカンファレンスでした。

ある個別の技術にフォーカスというよりはプロダクト開発にフォーカスしているカンファレンスだったので、参加者はエンジニアだけではなく、PdMの方も結構な人数が参加していたのではないかと思います。

私自身もエンジニア以外の方ともコミュニケーションを取ることができたので、そういった意味でも参加して良かったなと思っています。

印象に残ったセッション

どのセッションも各社のCTOやVPoE、PdM職の方の発表がほとんどでした。 なので実体験として経験された話を中心に、中には結構生々しい体験談もありました。いずれもとても参考になる濃密な内容だったという印象です。 ここではその中でも特に印象に残った3つのセッションについて簡単に紹介させていただきます。

事業成長を爆速で進めてきたプロダクトエンジニアたちの成功談・失敗談

こちらは、株式会社LayerXのVPoEである高橋さんと株式会社ニーリーのCTOである三宅さんによる「事業成長を爆速で進めてきたプロダクトエンジニアたちの成功談・失敗談」セッションです。 このセッションではLayerX社の資産運用サービスであるALTERNAとニーリー社のプロダクトの一つであるMobility SaaSにおいて、①立ち上げ期×成功談、②立ち上げ期×失敗談、③急成長期×成功談、④急成長期×失敗談という各象限でどのようなことがあったのかお話いただきました。

特に印象的だったのは高橋さん、三宅さんの両者が「エンジニアが事業サイドに染み出すカルチャー・プロセスを作ったことが成功の元となった」とお話しされていたことでした。LayerX社においてはエンジニアも企画に参加することで全社的に企画のリソースが増え、多くの改善施策に取り込めるようになったことで、成果が出たとのことでした。また、ニーリー社においてもエンジニアがユーザーや業務解像度を上げて、必要なものをエンジニア自身が考えて開発することで、いち早くデリバリーに繋げることができた結果、成果につながったとのことでした。 その上で、エンジニアが事業サイドに染み出すことができるようになったらPdMはどのような立場を取ればいいかということに対しては「より深くドメインを理解しなければならない」、「ドメインエキスパート的な立ち位置になる」とお話しさせていました。

このセッションを聞いて感じたのは、プロダクトを立ち上げ、成長させていくためには組織内の役割を職種ごとに完全に分けるのではなく、グラデーションを作っていくことが素早くデリバリーをしていく上では非常に重要なのかなと感じました。その中でも特に「エンジニアが事業サイドに染み出す」というグラデーションによる効果が大きいのだと理解しました。この「エンジニアが事業サイドに染み出す」はこのセッションだけではなく、今回のカンファレンス全体の一つキーワードだったような気がしています。

登壇資料はこちらです。

領域を絞ったマルチプロダクト開発における技術戦略&開発戦略

こちらはエムスリー株式会社のVPoEである河合さんと株式会社メディカルフォースのCTOである畠中さんによる「領域を絞ったマルチプロダクト開発における技術戦略&組織戦略」セッションです。 このセッションではおける領域を絞ったバーティカル領域における開発の面白さや難しさ、開発組織について対談するものでした。

内容としては以下のようなお話がありました。

  • バーティカルな領域での開発の面白さ・難しさ

    • 面白さとしてはエンジニア視点では技術選定などのチャレンジする機会がとても多い。経営・戦略視点では似通った領域が重なり、新たな価値を生み出すことができたり、データが思いもよらない別の領域で効果を発揮したりすることがある。
    • 難しさとしては普段目にしないようなドメイン知識を身につけないといけない。特にプロダクトの成長とともに組織の人数は増えていくが、その時に全員に対してドメイン知識や課題を同じ理解度で共有することは難しい。
  • マルチプロダクト開発における開発組織の工夫

    • 課題はみんなで共有するけど、解決策は属人的に解決している
      • プロダクトが多いので、全員で共有するとコストがかかる
    • エンジニアリングのいいところはスケールできること
      • 一人で解決できないこともチームで解決できる
        • コードレベルで分担できる
    • その上で、全員が同じ知識を持っていることが良くて、属人的であることが本当に悪いことなのか
      • 属人性を排除するにもコストがかかる
      • 属人性によるリスクを考えるのがマネジメントの仕事
  • 野球を実際にする

    • 野球のドメイン知識を表層的で学んだ人はベースを一周すればいいと考え、軽量のウェアや素早いスパイクを開発する。
    • でも本当の課題はそこではない。
      • 打つためにはどうするのか、抑えるためにはどうすればいいか
        • なので結局は自分が実際に現場で体験して課題を実体験してみることが大事

特に印象的だったのは属人性の話と野球の例え話でした。この話を聞くまで属人的であることは悪であるという認識がありましたが、振り返ってみると業務とかでも属人性をなるべく排除するために不必要以上のことをやってしまい、デリバリーが遅くなってしまっていることもあるかもしれないなと思いました。また野球の話ではやはりバーティカル領域においてプロダクトを大きくしていくにはドメイン知識を理解した上で、正しく課題を認識することが重要であることを再認識しました。

ドメイン特有の制約と向き合うプロダクト開発と事業成長!PMF前後それぞれの楽しさとは?

こちらは株式会社UPSIDERのEngineer Manager兼Tech Leadである関野さん、キャディ株式会社のVPoEである藤倉さん、株式会社リクルートのエンジニアである高橋さんによる「ドメイン特有の制約と向き合うプロダクト開発と事業成長!PMF前後それぞれの楽しさとは?」セッションです。金融や製造業というドメインと向き合う開発の現実と醍醐味やPMF達成前後の変化等についてパネルディスカッション形式でお話しいただきました。

セッションの中で関野さんが「PMF前後から攻め(新規機能の実装)と守り(セキュリティ対策)の比重が変わっており、最近はプロダクトが成長するにつれてセキュリティが目に見えて増えてきたので、守りの比重が増えてきた。人材的にもPMF前後から求めるスキルの幅が広がってきた。」とお話しされていたのが印象的でした。 私自身そのようにプロダクトの立ち上げから関わった経験はないのですが、そのように各フェーズにおいて比重が変わっていくのはその通りで、それを乗り越えていくからこそ成長していけるんだろうなと聞いていて、とても納得しました。

スポンサーブース

朝イチのまだ人がまばらな時間。この後は常に大盛況でした。

スポンサーブースでは10社以上がブースを出店しており、常に大盛況でした。 ブース企画としては自社のプロダクト・サービスの説明やアンケート参加などがメインでした。 プロダクトヒストリーのカンファレンスということもありアンケートに関してはプロダクト文脈のアンケートがいくつかありました。

あと、時間が合わず行けなかったのですが、スポンサーブースの一角には登壇者の方と登壇後に話ができるMeetUpコーナーがありました。 何人かの登壇者の方に直接聞いてみたいこともあったので、次回参加時には計画的にMeetUpコーナーも活用したいと思います。 また、コーヒーコーナーがあり、受付時にもらえるタンブラーにコーヒーを入れていただくことができました。(熱々のコーヒー飲みながら、講演を聴くことができたのは、すごくよい体験でした)

懇親会

残念ながら所用により参加できなかったのですが、プロダクトヒストリーカンファレンス2024では懇親会も開催されました。 お寿司食べたかったです。

懇親会もたくさん参加されていたみたいですね!

その他

今回開催されたTODAホールですが、とにかくめちゃめちゃモダンでおしゃれでした。 (調べてみたところ2024年11月3日オープンということでとても新しいらしいです。)

実は私、建築学科出身で以前は建築家を目指していた身なので、おしゃれな建物に行くと結構テンションが上がってしまいます。 開催される会場の雰囲気もカンファレンスの満足度というのに結構影響を与える重要な要素だなあと感じました。 オブジェもおしゃれですね。

階段??

終わりに

今日の発表を聞いてエンジニアでもドメイン知識を積極的にキャッチアップし、事業サイドに染み出していくカルチャーやプロセスを作りながら素早くデリバリーしていくことがプロダクトを成長させる一つのポイントであると実感しました。そのためにも営業、PdM、エンジニアといった職種で完全にやること分けるのではなく、あえて組織内でグラデーションを作っていくことが今後必要なんだろうなと思います(難易度は高いですが、、)。

最後に、これまでテックカンファレンスは何度か参加してきましたが、今回のようなプロダクトにフォーカスしたテックカンファレンスは初めてで、上記の通りとても学びが多かったです。また来年もぜひ参加したいと思います。

(YOUTRUSTさんはじめ、ご登壇いただいた各企業の方、素晴らしい機会をありがとうございました!)

読んでいただきありがとうございました。