最新の『ニューズウィーク 日本版』(2008.2.13)の特集は「企業の社会的責任ランキング」ということで、ビジネスパーソン&就職を控えた学生にとってはマストバイなのだが、その特集をより際立たせる記事も同時に掲載されてあった。そのタイトルは、
「ソシエテの汚れた英雄 ジャームズ・ボンドかチェ・ゲバラか 不正トレーダーにフランス国民が喝采を送る理由」
いうまでもなく、Rogue trader ジェローム・ケルビエル/Jerome Kerviel についてである。
ざっと読んでみた。さすが『ニューズウィーク』という感じだ。ジェローム・ケルビエルの不正行為を追いながら、タイトルにあるように、フランス人がケルビエルに寄せるロマンティックな英雄視は彼らの金融資本主義に対する不信感がその背景にあるのだと指摘している。要するに、問題はフランスにあり、なのである。また、ケルビエルが「地方の地味な大学」の卒業生で、彼の同僚たちのようにパリのトップクラスのビジネススクール出身者ではないこと──そのためケルビエルは複雑な数学の知識を必要としない部署に配属された──も大衆の同情を買っていると記す。だから、
学歴不足の負け犬だった人物が、フランスで最も気取った銀行にうまく入り込み、青天井の給料に駆り立てられ、会社の700億ドル以上をひそかにギャンブル的な運用に投じる。約71億ドルの損失は、世界市場の暴落を招きかねず、各国の指導者は「二次被害」を抑えようと必死になる──。
これが『Newsweek』が提案する今回のソシエテ・ジェネラルの事件の「映画用脚本の概要」であるようだ。
ちなみに ↓ は英『Times』でも──多分に「スイーツ(笑)」ならぬ「JK(LOL)」として──紹介されていた、「ジェローム・ケルビエルの履歴書」(resumé to Americans)というタイトルの映像。
Cv de Jerome Kerviel...
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