泣く子と地頭と○○には勝てぬ
さ~て、昼飯でも食うかな、などと思っていた12時ころ、突然固定電話が鳴った。固定電話はほとんど使わないので、解約を考えていたが、057から始まる電話番号に携帯で電話すると、料金が非常に高くなると聞いて、解約には躊躇している。
まあ、そんなことはどうでもいいが、今どき固定にかけてくるのは、マンションの管理会社くらいしかない。何かあったのか?
「あの~、今、電話いいですか?」
「はい、何でしょうか?」
担当者によると、某人から、くうみんがマンション内を犬を歩かせている。抱っこしなければならないと決まっているのに、おかしいじゃないか、という相談が寄せられているとのことだった。
「でも、それって決まっていることじゃなくて、努力義務でしょ?確か、規定では迷惑をかけないようにとしか書かれていませんよね。私も年だし、重くて無理なんです。意地張っている訳ではありません。人がいるときは抱えるとか、できるだけのことはするつもりです」
「はあ」
その時はそれで引き下がったのだが、また電話がかかってきた。
「先様にも、迷惑をかけないようにということだけが決まりであると説明しましたが、犬を歩かせること自体が迷惑なんだというんです。それに私もよくわかりませんが、アレルギーがあるとか言っていました」
「はぁ?なんですかそれ!犬を歩かせること自体が迷惑?!アレルギーがあるなら、抱っこしても歩かせても、同じじゃないですか!言いがかりとしか思えません」
くうみんはさすがに少し声を荒げた。
「はあ」
とにかく、間に立ったこの人は板挟みになっているようなので、かわいそうになった。その人は続けた。
「それでは、この案件は今度の理事会にかけますか?」
「そうですね、そうしてください」
なんだ、あのババア奥さん!某人などと言っても、一人しかいやしない。
腹が立ったが、冷静になって考えた。理事会にかけたら、くうみんは迷惑をかけないにしろ、犬を飼っていない皆さんは変な奴が引っ越してきたことのことを考えて、わんこの飼い主に厳しい結果を招く可能性の方が大きい。そうなったら、「あの人のおかげで」と言われるのは目に見えている。
チコリを抱きかかえて移動するのは無理だから、カートを使おうか。階段の上り下りのときは、勘弁してもらおう。
月曜日になったら、担当者に連絡を入れて
「前言撤回、理事会にはかけないでください。カートを使います」
と言ってみよう。
チコリの散歩に行こうとしたら、このマンションのドンと言えるおばちゃんに遭遇した。この人は、人のしたがらないことを率先してする親分肌の人だ。
「ねえ、Ⅿさん」
くうみんから声をかけた。一連のいきさつを説明した。
「犬が歩くこと自体が迷惑だなんて、ひどいですよね」
Ⅿさんは、口を開けて天を仰いだ。Ⅿさんも、犬が好きで、以前は飼っていたらしい。
「私にはそんなことは一切言わないわ!すごい上品な人だと思っていたけど」
う~ん、人を見るのか?
「今度の理事会にかけてくださいとか言っちゃったけど、私のおかげではっきり決まってしまったというのも居心地悪いから、撤回するつもりでいます」
「そうね」
通販でカートを選んだ。
なんですか、ペットと一緒に電車に乗るのもいろいろ規則があるそうだが、空いている時ならカートで電車にも乗れるそうなのでチコリともどこかに行く楽しみが増えそう。それだけは楽しみだ。
しかしな~。
理屈の通らない人間には敵わない。
泣く子と地頭とおバカさんには勝てぬ。
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まあ、そんなことはどうでもいいが、今どき固定にかけてくるのは、マンションの管理会社くらいしかない。何かあったのか?
「あの~、今、電話いいですか?」
「はい、何でしょうか?」
担当者によると、某人から、くうみんがマンション内を犬を歩かせている。抱っこしなければならないと決まっているのに、おかしいじゃないか、という相談が寄せられているとのことだった。
「でも、それって決まっていることじゃなくて、努力義務でしょ?確か、規定では迷惑をかけないようにとしか書かれていませんよね。私も年だし、重くて無理なんです。意地張っている訳ではありません。人がいるときは抱えるとか、できるだけのことはするつもりです」
「はあ」
その時はそれで引き下がったのだが、また電話がかかってきた。
「先様にも、迷惑をかけないようにということだけが決まりであると説明しましたが、犬を歩かせること自体が迷惑なんだというんです。それに私もよくわかりませんが、アレルギーがあるとか言っていました」
「はぁ?なんですかそれ!犬を歩かせること自体が迷惑?!アレルギーがあるなら、抱っこしても歩かせても、同じじゃないですか!言いがかりとしか思えません」
くうみんはさすがに少し声を荒げた。
「はあ」
とにかく、間に立ったこの人は板挟みになっているようなので、かわいそうになった。その人は続けた。
「それでは、この案件は今度の理事会にかけますか?」
「そうですね、そうしてください」
なんだ、あの
腹が立ったが、冷静になって考えた。理事会にかけたら、くうみんは迷惑をかけないにしろ、犬を飼っていない皆さんは変な奴が引っ越してきたことのことを考えて、わんこの飼い主に厳しい結果を招く可能性の方が大きい。そうなったら、「あの人のおかげで」と言われるのは目に見えている。
チコリを抱きかかえて移動するのは無理だから、カートを使おうか。階段の上り下りのときは、勘弁してもらおう。
月曜日になったら、担当者に連絡を入れて
「前言撤回、理事会にはかけないでください。カートを使います」
と言ってみよう。
チコリの散歩に行こうとしたら、このマンションのドンと言えるおばちゃんに遭遇した。この人は、人のしたがらないことを率先してする親分肌の人だ。
「ねえ、Ⅿさん」
くうみんから声をかけた。一連のいきさつを説明した。
「犬が歩くこと自体が迷惑だなんて、ひどいですよね」
Ⅿさんは、口を開けて天を仰いだ。Ⅿさんも、犬が好きで、以前は飼っていたらしい。
「私にはそんなことは一切言わないわ!すごい上品な人だと思っていたけど」
う~ん、人を見るのか?
「今度の理事会にかけてくださいとか言っちゃったけど、私のおかげではっきり決まってしまったというのも居心地悪いから、撤回するつもりでいます」
「そうね」
通販でカートを選んだ。
なんですか、ペットと一緒に電車に乗るのもいろいろ規則があるそうだが、空いている時ならカートで電車にも乗れるそうなのでチコリともどこかに行く楽しみが増えそう。それだけは楽しみだ。
しかしな~。
理屈の通らない人間には敵わない。
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