電音の歩み

電子楽器を中心とし、ものづくり関係も含めて紹介していきます。

EuroRack版山下シンセのキット存続について

■山下シンセのキット

数年前からMakerFaireなどのイベントで、EuroRack版山下シンセ・キット(VCO、VCF、VCA、EG、LFO)を頒布してきました。難易度の高いキットですが細々ながら継続した需要があり、続けていました。

写真1はそのVCOの外観です。

   

狭いEuroRackパネルに、3.5mmジャック7個とVR5個を配置した設計で、

写真2のように基板裏面にジャック、表面にVRを実装するDoepfer社の構成を採用。

理由は、手はんだを行うキットではスルーホール部品を使うので基板面積が大きくなため、パネルと垂直に基板を配置するこの方式が好都合だったからです。

しかし、特殊な超短奥行きジャックと首長VRが必要で、欧州から輸入していましたが、前回の購入時と比べて価格・送料・それにともなう税金他が高騰(100円台→400円近く)し、キットとして成立しなくなりました。

 

在庫限りで終了する予定でしたが、友人との飲み話から、写真3のようにパネルと平行に2枚の基板を使う方式を再検討することにしました。この構成は特殊な部品を使わず価格を抑えられる反面、基板面積が小さくなるためSMD部品が使える完成品向けと見なして検討から除外していました。

   

今回は、フロント基板にも部品を分散し、抵抗ピッチを6.37mmに縮めるなど地道な工夫で実現できました。一番難題であるVCOがクリアしたので、あとはなんとかなりそうです。

何事も「やってみんとわからん」ですね。