電子書籍の値段は何で決まるのか


「電子書籍は紙の書籍より値段が高くてもいい【湯川】 : TechWave」を読んで。


iPadが発売されてからというもの、日本国内でも電子書籍に向けた動きがにわかに激しくなってきていますが、そんな電子書籍の値段の話題。



ある書籍で紙の本と電子書籍とが両方リリースされるとして、普通に紙の本を単純に電子書籍化しただけなら、紙という媒体がない分電子書籍の方を安くして欲しいと大半の人は考えるでしょう。



紙の本と電子書籍、それぞれをリリースするのにかかるコストの違いってのは、おおざっぱに考えてみると

  • 紙の本
    • 材料費(用紙)
    • 編集費
    • 印刷費(印刷、製本)
    • 保管費
    • 輸送費
  • 電子書籍

辺りで、仮に編集代を同じとすると紙の本(材料費、印刷費、保管費、輸送費)と電子書籍(電子書籍サービスの利用料金)にかかるコストで紙の本>電子書籍という印象があります。


紙の本と電子書籍で異なる部分

しかし絶対電子書籍のほうがいいと思うようになったのは、ブックマーク共有機能を使うようになってからだった。Amazonで売られている電子書籍は、多くの人がブックマークした箇所に破線でアンダーラインが自動的に引かれているのである。

電子書籍は紙の書籍より値段が高くてもいい【湯川】 | TechWave(テックウェーブ)

電子書籍の値段を上げる要素があるとすれば、紙の本には無い機能の提供、といった部分。

引用で挙げられているブックマーク共有機能だったり、紙の本にはできないインタラクティブ機能(音声や動画、ウェブとの連携など)、複数のデバイス間でのしおり共有機能、誤字・脱字などがあったら購入後でも自動アップデート機能、などなど。

こういう便利な機能が実装されているなら、少しくらい値上げされてもいいかな、という気はします。



また、逆に簡単には値段を変更できない紙の本と違って、自由な幅で値段をつけるというのも電子書籍ならアリかもしれません。製造・流通コストが少ないなら、その分を値段に反映して値下げしてみたり、逆に紙の本と同等な値段を付けて希少性を煽ったり。



今、紙の本を出版している大手の出版社や印刷会社などが始めている電子書籍サービス、AmazonやiBookStoreなど海外企業の電子書籍サービス辺りは紙の本時代の本を電子書籍化しているのが多いですが、中には作家が出版社を介さずに電子書籍サービスと直に連携して電子書籍を出す試みや、個人で簡単に電子書籍をリリースできるサービスなんかも出てきています。

今後、どんなスタイルの電子書籍が主流になっていくかはまだまだ分かりませんが、ユーザーの選択肢も増える分、よりユーザーの希望に沿った機能や値段、コンテンツを持つ電子書籍サービスが受け入れられて行く可能性が高いでしょう。



個人的には漫画雑誌あたりがうまい形で電子書籍化されて、自宅に居ながらにして最新号が読めるって形になってくれると嬉しいのですが。