岸さんの言うとおり!既存のコンテンツ産業から搾取するのを止めよう!

環境保護は今や当然の取り組みとなっているが、そもそもなぜ地球環境問題が生じたのか。化石燃料から作られるガソリンや電気などのエネルギーの価格が安過ぎるからである。それらのエネルギーは多量の二酸化炭素を排出して環境(=社会)に悪影響を及ぼしているが、そうした「社会的なコスト」がエネルギーの価格に反映されず安く設定されているため、環境負荷が意識されずに多量のエネルギーが消費されるのである。炭素税導入の議論は、この社会的なコストをエネルギー価格に反映しようという試みに他ならない。
コンテンツの世界はどうか。今や違法コピー・ダウンロードが当たり前となっており、音楽を例に挙げると、世界を流通するCDの3枚に2枚は海賊版、音楽ファイルの20曲中19曲が違法ファイルともいわれる(米議会の公聴会での業界関係者の証言)。これは、コンテンツの搾取に他ならない。ユーザーにとってのコンテンツの価値(=価格)が限りなく低下した一方で、コンテンツの社会的な価値や制作コストは変わらないため、コンテンツの社会的価値と私的価値の間に大きな乖離が生じてしまったのである。

(中略)
 これらが意味するのは、デジタル社会においてコンテンツの供給システムに社会的なコストが発生しているという事実である。つまり、問題の本質的な原因は環境問題と同じなのである。ただ、両者には大きな違いがある。環境問題では納税者である国民一般が社会的なコストを負担するのに対し、コンテンツではアーティストなどの制作側が一方的に負担を強いられているのだ。

コンテンツの搾取は環境破壊と同罪 インターネット-最新ニュース:IT-PLUS

うん、これはゆゆしき事態だ。フリーコピー・フリーダウンロードを負担に感じているアーティストや制作側の音楽をコピーしたりダウンロードしたりしちゃいけない。絶対にね。だから、岸さんとかそちら側の人たちは、自分たちの音楽をフリーコピー・フリーダウンロードさせないためにも、フリーコピー・フリーダウンロードを望んでいるアーティストたちの音楽をフリーコピー・ダウンロードするように薦めればいいんじゃないかな。それが一般的になれば、違法コピーされたり、違法ダウンロードされることで負担を強いられることはなくなるよ!

私たちも率先して、フリーコピー・ダウンロードを望まない人ではなく、それを望む人の音楽をコピーし、ダウンロードするべきだよ。望まない人に迷惑かけちゃいけない。負担に感じるどころか、フリーコピー・ダウンロードを喜んでくれるアーティストの音楽があるんだから、それを積極的に利用しようよ!

個人的には、Jamendoがお薦めだね。このサイトは現在、Creative Commonsにてライセンスされた19422枚もの音楽アルバムをフリーで配信している。もちろん、有名なアーティストはいないけど、でもこれから大きく羽ばたいていくニューカマーたちが次々にアルバムを公開しているんだ。まさにこれからの音楽を担うアーティストたちを支援できるんだから、文化を大切にしている岸さんとかそちら側の人たちも応援してくれるはず!もちろん、私たちもこうしたアーティストたちを育てていかないといけないよね!きっと、私的録音録画補償金がいろんなものに上乗せされたら、まずこういう経済的に一番困っているであろうアーティストたちに配分されて欲しいな!

Jamendoでの音楽の探し方のコツは前に書いたから、良かったら参考にしてみてね!

私たちがコンテンツを作る時代に

最近、ニコニコ動画を見てたら、何かのマニアだったり熱狂ファンだったりの人が、自分でビデオをこさえて公開してて、そのクオリティがまた素晴らしくて、すごいなーって関心してる。ジャンクパーツでノートパソコンを作るってビデオ*1もすごく面白かった。かなりニッチな内容だから、よほどの人じゃないと楽しめないんだろうけど、よほどの人たちが集まってわいわいできるのは本当に楽しい。

あと最近はF1を愛する紳士淑女の巣窟こと「エフワンの巣窟(すくつ)」ってビデオにもはまってて。どちらかというとF1ファンによるF1ファンのためのFMラジオって感じかな。私はあんまりF1は知らないんだけど、このビデオを作っているquzyさんの語り口が楽しくて、意味もわからず聞いてはへぇーとかふーんとか感心しきり。このビデオは2008年のカナダGPのときに始めてニコ動にアップされて、それ以降、グランプリ毎に毎回30分のFMラジオチックな番組をアップし続けている。2009年のシーズンも始まって、この「エフワンの巣窟」は「エフワンの巣窟2」として生まれ変わって、ポッドキャストでの配信も始めたみたい。

「エフワンの巣窟2」の第1回の冒頭で、ホストのquzyさんはこんなことを話してたんだよね。

CC、コピーライトクリーンというのを第2シーズンから打ち出していこうと思います。主にBGMなんですけども、先ほどFMラジオっぽいとお話ししましたけれども、FMラジオって大体トークの後ろにBGMがかぶってるんですよね。そういうことをこのポッドキャストでもやってるんですけども、BGMを選ぶ時に手持ちのCDとかiTunesのライブラリから選ぶと、どうしても権利関係がブラックなものになってしまいますよね。著作権の問題が発生して使用料を払ったりとか、そもそも使えないとか、そういう問題が出てくるんですけれども。

これはニコニコ動画という、ある種治外法権的な幻想のある…全然そんなことはないんですけど、治外法権的な幻想のある、見逃されていることが多いような場所で、放送だけ流している分には良かったんですけども、ポッドキャストとしてその外側に出ることを考えるとそれは良くないんで、それはオトナとして、ここはクリーンに、著作権の関係を良くしようと。そこは斜めに行く必要はないんで*2。

ストレートに突破するときにどうするかっていうと、これもCC、クリエイティブコモンズで公開されている音楽を使っていこうということになりました。だから、ほとんどみなさんの知ってる曲ってのは流れてこないと思うんですけれども、だからといってquzyさんに妥協はないですから、quzyさんが厳選に厳選を重ねて一切の妥協無しに、クールな音楽をお届けしていきますから、これも是非楽しみにして頂きたい、と。

で、紹介された音楽はみなさんも無料で、すぐその場でダウンロードできるものですから、そういう音楽を狙ってかけていきたいと思います。

いろいろとコラ!と怒られそうなところもあったりするけど、それでも思い直して正しい方向性を模索するというのは、すばらしいことだ。でもだからといってBGMがないとちょっと寂しい、だからJamendoの音楽を使うことにしたみたい。*3
ニコニコ動画はJASRACと包括契約結んでるから著作権的にはほとんどの市販の音楽がOKだけど、原盤権者((著作隣接権者)からの許諾は得てないから市販のCDとかの音楽だとまずかけられない。それに、ニコ動じゃなくてポッドキャストでリリースするならJASRACとかに著作権使用料を支払わなきゃいけないし、原盤権者から許諾を得て料金を支払わないといけない。んー、でも現状だとポッドキャストでもニコ動でも原盤権者がOK出すってことはまずあり得ないし、いずれそれが解決しても、負担を強いられてきたアーティストや制作側が要求してくる金額は、個人じゃとても払えない額だろうし、やっぱり諦めるしかないんだろうな。うん、アーティストや制作側のこれ以上迷惑かけちゃいけないもの。勝手に使っちゃいけない。

その一方で、Jamendoにはもっと自由に自分の曲を使ってくれっていうアーティストがいっぱいいるから、そうした人たちの音楽ならきっと使えるね。負担をかけられているアーティストや制作側の人の負担を減らすためにも、こうした音楽を使うことは大切だと思う。

環境問題とコンテンツ産業への負担、そして新たな、サステナブルな環境の創造

地球環境問題が何でこれほどまでに問題になっているかというと、地球環境には代えがないから。もし、なにか代わりになるものがあってそれにスムースに移行できるなら、これほど声高には叫ばれていないかもしれない。じゃあ、コンテンツ産業はどうかって言うと…本当に代わりがきかないのかなぁ?

もちろん、コンテンツ産業が破壊されるのはよろしくはないと思う。だから、負担を減らしてあげるべきだと思う。でも、その過程で、私たちはもう1つの、新たな環境を作り上げることができる。フリーコピー・フリーダウンロードを望むアーティストとファンが繋がっている、とてもサステナブルな環境だよね。

そうした環境を実現するためなら、コンテンツ産業の人も、インディペンデントで自由なコンテンツ流通を望む人も、そして音楽のファンたちも、共に手を取り合っていけるんじゃないかな。それぞれに意見が合わないことも多いけど、なんたってみんな、文化の醸成は大切だと思ってるんだから大丈夫だよね!

さぁ、Jamendoの音楽をたくさん利用しよう!

*1:アカウントを持っていない人のために、はてなブックマークページにリンクしています

*2:「エフワンの巣窟2」のポリシーとして、「レース結果やF1ニュースを「斜め45度」から読むことによって、少しだけ違ったF1の面白さをお伝えすることを追求」するというのがあって、それを受けての発言。

*3:ぶっちゃけ言うと今でもちょっと危ういところがあるんだが…