ブックオフが著作権団体に1億円『寄付』するそうです

ブックオフ「著作者団体に1億円払います」:asahicom

これ、しれっと受け取っていいものじゃないと思うんだけど。馬鹿にすんな!って突っ返したほうがいいんじゃないの?もともとがブックオフ、Amazon、Yahoo!オークションなどの新規参入組が古本市場を一変させたって現実の背景があってこそのものだから、さぁシステム変えましょうって簡単に行かないのはわかる。既存の古本屋なんてただでさえ大手競合がズカズカと入り込んできているわけで、そうした中で更に負担が増えるというのは、あまりに過酷。
かといって、こんなわけのわからない1億円の支払いで、曖昧にことを済ませちゃうというのも考え物だよね。
業界団体としては、既存の新品市場*1にダメージを与えている(と思われる)大手中古著作物販売店から、その補償が欲しい、というのが本音何だろうけど、それが難しいと言うのも理解しているのだろうね。もっと本音のところで言えば、結構あきらめているところもあったと思う。だからこそ、こうした申し入れを「受け入れようかなぁ」なんてブレてるんじゃないのかしら?
うーん、私自身、新品よりも中古をよく購入しているので、中古市場の拡大が新品市場の脅威となっているというのは、わからないでもない話*2。そういった点では、最近はこうした主張は理解できるところもある。世の中、これほど中古品が潤沢に出回り、本当に気軽に購入できるようになるなんて、誰も考えていなかったわけで。
ただ、実際そうして生じた問題の解決はあまりに困難だ、ということもある。中古本等の販売に一律報酬請求する、というのも度が過ぎる話だしね。町の古本屋なり、個人間の売買にまで金を払えということは、少なくとも今現在は現実的な線では考えてはいないだろう。かといって、にっくきブックオフだのAmazonだけを狙い打つというのも難しいんじゃないのかな。その辺の葛藤が未だにあるのか、それとももうほとんど諦めていたのか。

 「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」理事の漫画家・弘兼憲史さんは「我々の要望にようやく対応してくれた。各著作者団体でどのように配分するかなど課題はあるが、受け入れる方向で検討したい」と話している。

うーん、後者なのかなぁ・・・。

余談

権利者側「新古書店も権利者側に利用料を払ってくれ」
ブックオフ「(法律的根拠もないのにうるさいなー)そんなに欲しいのなら1億円払ってやるよ」
権利者側「どうもありがと....あれ、どういう根拠でもらえばよいのかな、よく考えたら法律的根拠ないな」
ブックオフ「どうしたんですか早くもらってくださいよ。あれ、ひょっとしてあなたたちは今まで法律的根拠のないことを主張してたの?」

栗原潔のテクノロジー時評Ver2 :ブックオフが「著作物使用料に類するもの」を支払う意図は?

突込みがシビアすぎます><
それと参考までに、2001年5月、脂ののっていたであろう頃の「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」の新古書店に対する緊急アピールへのリンクをば。

「21世紀のコミック作家の著作権を守る会」緊急アピールに対するみやわき心太郎氏の意見

ブックオフの真実――坂本孝ブックオフ社長、語る

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ブックオフと出版業界―ブックオフ・ビジネスの実像

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だれが「本」を殺すのか〈上〉 (新潮文庫)

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*1:何か他にいいネーミングはないものか

*2:あくまでも実感としてね