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2020年の映画ベスト100(Twitter投票を集計しました)

Twitter上のハッシュタグ「#2020年映画ベスト10」を集計しました!有効投票数1152名が選んだ2020年最高の映画は『パラサイト 半地下の家族』でした!


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2020年の映画ベスト100

順位 タイトル 得点
1 位 パラサイト 半地下の家族 3526.5
2 位 ジョジョ・ラビット 3267.0
3 位 TENET テネット 2846.5
4 位 ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 2225.5
5 位 フォードvsフェラーリ 1943.0
6 位 1917 命をかけた伝令 1826.5
7 位 燃ゆる女の肖像 1752.0
8 位 ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー 1670.5
9 位 はちどり 1229.5
10 位 ミッドサマー 1199.0
11 位 透明人間 1146.0
12 位 アルプススタンドのはしの方 1014.0
13 位 羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来 928.0
14 位 佐々木、イン、マイマイン 923.5
15 位 スウィング・キッズ 901.5
16 位 ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 792.0
17 位 ミッドナイトスワン 780.5
18 位 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 681.5
19 位 初恋 679.5
20 位 スパイの妻 618.5
21 位 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 616.5
22 位 罪の声 610.5
23 位 ブルータル・ジャスティス 601.0
24 位 エクストリーム・ジョブ 587.0
25 位 ワンダーウーマン 1984 542.5
26 位 ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから 538.0
27 位 異端の鳥 533.0
28 位 シカゴ7裁判 526.0
29 位 37セカンズ 515.5
30 位 mid90s ミッドナインティーズ 512.0
31 位 ラストレター 494.0
32 位 朝が来る 489.0
33 位 レ・ミゼラブル 460.0
34 位 ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY 412.5
35 位 ランボー ラスト・ブラッド 406.0
36 位 ウルフウォーカー 383.0
37 位 ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え! 342.0
38 位 イップ・マン 完結 337.5
39 位 本気のしるし <劇場版> 335.5
40 位 リチャード・ジュエル 328.5
41 位 私をくいとめて 301.0
42 位 his 298.0
43 位 カセットテープ・ダイアリーズ 296.0
44 位 劇場 295.0
45 位 悪人伝 285.5
46 位 ソウルフル・ワールド 284.5
47 位 のぼる小寺さん 275.0
48 位 海辺の映画館-キネマの玉手箱 253.5
49 位 Mank/マンク 248.5
50 位 アンカット・ダイヤモンド 246.5
51 位 ザ・プロム 244.5
52 位 2分の1の魔法 242.5
53 位 行き止まりの世界に生まれて 241.5
54 位 ハスラーズ 223.0
55 位 WAVES/ウェイブス 220.5
56 位 娘は戦場で生まれた 218.5
57 位 浅田家! 210.5
58 位 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」III.spring song 210.0
59 位 9人の翻訳家 囚われたベストセラー 208.0
60 位 マティアス&マキシム 207.5
60 位 音楽 207.5
62 位 ナイチンゲール 205.5
63 位 鵞鳥湖の夜 199.5
64 位 ザ・ピーナッツバター・ファルコン 198.5
65 位 ドロステのはてで僕ら 195.5
66 位 ようこそ映画音響の世界へ 194.0
67 位 タイラー・レイク -命の奪還- 193.0
68 位 ミセス・ノイズィ 191.0
69 位 チャーリーズ・エンジェル 189.5
70 位 ジュディ 虹の彼方に 188.5
71 位 ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 188.0
72 位 風の電話 177.0
73 位 ある画家の数奇な運命 175.0
74 位 彼らは生きていた 174.5
75 位 もう終わりにしよう 173.0
76 位 架空OL日記 169.0
77 位 淪落の人 168.5
78 位 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 167.0
79 位 バクラウ 地図から消された村 164.5
80 位 サヨナラまでの30分 158.0
81 位 許された子どもたち 157.0
82 位 劇場版 SHIROBAKO 156.5
83 位 僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46 154.0
84 位 ペイン・アンド・グローリー 153.0
85 位 ソワレ 152.5
86 位 幸せへのまわり道 151.0
87 位 フェアウェル 149.5
88 位 君が世界のはじまり 147.5
89 位 黒い司法 0%からの奇跡 146.5
90 位 テリー・ギリアムのドン・キホーテ 146.0
90 位 窮鼠はチーズの夢を見る 146.0
92 位 星の子 145.5
93 位 魔女見習いをさがして 144.0
94 位 レイニーデイ・イン・ニューヨーク 141.5
95 位 ジョン・F・ドノヴァンの死と生 139.5
96 位 ザ・ハント 133.0
97 位 82年生まれ、キム・ジヨン 132.5
98 位 パブリック 図書館の奇跡 132.0
98 位 在りし日の歌 132.0
100 位 宇宙でいちばんあかるい屋根 131.0

1位:パラサイト 半地下の家族

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富裕層に寄生する貧困層という現代的な設定です。非英語作品がアカデミー賞を取って世界的なニュースになりました。この企画で、日本映画でもアメリカ映画でも無い作品が初の1位です。ポン・ジュノ監督は韓国映画史上の最高傑作『殺人の追憶』が公開されたときに「スティーブン・スピルバーグや黒澤明のような天才の誕生をリアルタイムで見ているのかもしれない」といった評がありましたが、その評が現実となったのです。

2位:ジョジョ・ラビット

ジョジョ・ラビット (字幕版)
ヒトラーが友達!という斬新すぎる設定ですが、高須院長的な意味ではありません。反ヘイトを真摯に描いた作品です。ナチスを絶対悪として描かないと炎上する昨今ですが、ナチスの党員にも感情移入させた展開がお見事です。

3位:TENET テネット

TENET テネット(字幕版)
時間が逆に進む!という古臭すぎる設定なのに、完成された映像は凄まじいの一言。観る前の私は「逆に進むってことは、もっかい逆再生すれば普通の映画になるんじゃないの?」と舐めたこと思ってましたが、時間の正順と逆順がぶつかりあう高度なアクション映画だったんですね。コロナ禍で配信が主流になり映画館が大打撃を受ける中で「やっぱり映画は大スクリーン大音響で没入しながら観ないと!」ということを再確認させてくれた点でも高い評価です。

4位:ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 (字幕版)
『若草物語』の1年ぶり8回目の映画化です。女性が抑圧された時代に焦点を当てることで、逆説的に現代に通じる女性の生き様を描く映画が多数製作されていますが、その中でも最高峰です。

5位:フォードvsフェラーリ

フォードvsフェラーリ (字幕版)
大量生産のアメリカVS芸術的なイタリア!という展開になるかと思いきや、社畜的な生き様を強いられるアメリカ型社会とそれに巻き込まれる外国人労働者(イギリス人レーサー)という、日本社会に置き換えても通じる話でした。もちろん本筋はレーサーやエンジニアたちの熱臭い物語です。

6位:1917 命をかけた伝令

1917 命をかけた伝令 (吹替版)
映画のカットが切り替わなければ観客は映画の世界に没入できる。という特性があるので、延々とワンカットが続く「長回し」は多用されてきたテクニックです。それを撮り直しがもっとも難しい戦争映画でやるとは…。何気ない散髪シーンにすら緊張感があります。

7位:燃ゆる女の肖像

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フランス映画です。この企画で非英語、非韓国語の外国映画がランクインするのは初です。世界中の映画賞を受賞しています。未見なのでこれ以上コメント書けない…。

8位:ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(字幕版)
ポリコレの時代なので過激なギャグが難しくなっていますが、ポリコレを守りながらも過激なギャグは出来る!ということを証明した作品です。他者を見下しながら生きている人が自分の過ちに気づくというテーマなので、SNSで他者を見下しまくっている人におすすめです。私はヒヤっとしたぞ。ちなみに「ブックスマート」は「ガリ勉」とか「教科書通りの人」とかいう意味。

9位:はちどり

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韓国映画が二本目!これも未見なのでコメント書けない…。

10位:ミッドサマー

ミッドサマー(字幕版)
白夜のスウェーデンの夏至祭(ミッドサマー)を舞台にした作品です。「闇は怖い」というホラーで最も重要な特性をガン無視、明るい昼間の中で続く恐怖を描いています。この映画を観たあとに花束を見れば、その花束の美しさよりもこの映画のラストシーンのほうが先に脳内に浮かび上がってくるようになるので、物事の認識を変えたくない人は閲覧注意。

次点:透明人間

透明人間 (字幕版) (4K UHD)
毎年映画界に2,3人出てくる透明人間キャラクターですが(2020年は他にも透明人間モノあります)、透明人間が女性を脅すというまさかのド直球作品です。練りに練った演出がお見事。透明人間に電話かけると透明人間のスマホが鳴るという文章にすると当たり前の演出ですら、映画を通してみると仰天します。

ベストテン総評

  • この企画でベストテンに大量に食い込みまくっていたアメコミとシリーズモノとアニメが消えました。いくつかの映画が2021年に公開延期になったのでその影響もあると思います。消えた結果、過去を描いた映画が5本、非英語の外国映画が3本という例年とは違うベストテンになりました。
  • やはりコロナ前に公開された映画に得票が集まる傾向にあります。
  • 女性が主人公の映画が5本、女性監督が4本で過去最多です。白黒映画の時代では「映画とは美しい女優を見るもの」という側面もありましたが、現代では「映画で女性を応援する」という側面が強くなっています。

ベストテン以降の注目作

ランボー ラスト・ブラッド(吹替版)

  • アニメの最高順位はまさかの中国アニメ『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』が鬼滅越えの13位です。2019年公開でしたが、圧倒的評価の高さを受けたため2020年に日本語吹き替え版を改めて公開しました。
  • このランキングのあるある現象の「本国でクソ映画扱いされている作品がなぜか高順位になる」ですが、2020年は『ランボー ラスト・ブラッド』が35位とかなりの高順位です。アメリカではゴールデンラズベリー賞を8部門ノミネートし「最悪続編賞」を受賞しています。
  • 配信映画の最高作は26位の『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』。中国系アメリカ人の恋を描いたポリコレ時代のラブロマンスです。
  • 28位のベトナム反戦運動時代を描いた『シカゴ7裁判』は、過去の事件を描くことで現代を批評する作品です。
  • 34位『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』、54位:『ハスラーズ』、69位『チャーリーズ・エンジェル』のようにアメリカ映画は女性チームものが定着しています。

奮わなかった映画

『ムーラン』が443位と相当な低順位。政治的問題が複数ある作品なので、世界中で問題視され特にアメリカでは激しいバッシングを受けました。長年のビジネスパートナーである映画館に『ムーラン』宣伝を協力させておきながら、コロナ禍になると映画館をあっさり見捨てたディズニーの薄情さも海外で話題になりました。

韓国映画ベスト5とそのさらなる躍進

韓国映画は2017年以来の大豊作で圧倒感すら感じます。ただ日本映画を攻撃するために韓国映画を褒める最近のネット上の風潮はちょっと…。ゼロ年代に全く同じことを率先して私がやっていたので、私が注意するのも変ですが。日本社会への絶望感が日本映画への攻撃に繋がっていると思います。政治的に問題のある両国だからこそ、文化的には良い交流を持ちたいです。
スウィング・キッズ(字幕版)

  1. 1位:パラサイト 半地下の家族
  2. 9位:はちどり
  3. 15位:スウィング・キッズ
  4. 24位:エクストリーム・ジョブ
  5. 45位:悪人伝

日本の実写映画ベスト5

日本映画もかなり頑張っていて例年よりも高評価作品が多いです。日本映画はとにかく低予算なので逆説的に(低予算で済む)ロケ撮影がやたら上手くなっているのですが、全編に渡ってアルプススタンドの端っこでロケ撮影した『アルプススタンドのはしの方』がまさかの傑作でした。

  1. 12位:アルプススタンドのはしの方
  2. 14位:佐々木、イン、マイマイン
  3. 17位:ミッドナイト・スワン
  4. 19位:初恋
  5. 20位:スパイの妻

鬼滅の刃は18位

この企画ではヒット作が上位にいないと「ヒット作が上位に入ってない!おかしい!」と怒り出す人が必ず発生します。『君の名は』の8位でも怒られたし、『劇場版 コード・ブルー』がTOP200から圏外になったときは酷い目に遭いました。『鬼滅の刃』が18位というのは怒り出す人がいない順位だと思います。集計していてホッとしました。

ドキュメンタリー映画ベスト5

珍しくドキュメンタリー映画が多くランクインです。私も動画配信サービス4つ入ってますが、一番観ているのはドキュメンタリーです。

  1. 53位:行き止まりの世界に生まれて
  2. 56位:娘は戦場で生まれた
  3. 66位:ようこそ映画音響の世界へ
  4. 74位:彼らは生きていた
  5. 78位:三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実

集計について

集計ルール

集計ルールについては↓を参照してください。
http://hakaiya.hateblo.jp/entry/2019/10/15/234307

集計の苦労

野性の呼び声 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
アメコミ映画やシリーズモノはヘンテコな記述が多くて意外と集計難しいんですが、2020年はそれらが激減したので集計楽でした。ただツイッターで絵文字がさらに普及したのが大変でした。絵文字は目視確認しているので…。
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得点調整

2020年は得点調整無しです。『アンダードッグ』の前後編と『T-34』の完全版と最終版に票が分散しましたが、ベスト100には影響無しです。


表記ゆれ

  • 表記ゆれが一番激しかったのは『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』です。

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誤字が多い映画

間違えている人のほうが多い
  • 正:野性の呼び声
  • 誤:野生の呼び声

『野生の呼び声』と誤って覚えている人が何と半数以上もいました。「野性」は「本能」という意味で、「野生」は「山野で自然に育つ」という意味です。映画は飼い犬の話なので「野生の呼び声」だと二重の意味で間違っています。

公式が間違える罠
  • 正:エマ、愛の罠
  • 誤:エマ、恋の罠

『エマ、愛の罠』ですが、ネット上の各種映画データベースには改題前のタイトルが登録されていたのか公式情報では『エマ、恋の罠』という表記が多いです。長年映画サイトやってますが、これは初のパターンです。



最後に

  • 1月中に「2020年アニメ日本映画ベスト」やりますが、『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』は対象外なので気を付けてください。
  • 「もっと映画の専門家が選んだベストが知りたい!」という方、これから各メディアが発表するので楽しみにしましょう!