【遺伝子検査業界】過去・未来はDNAで決まる？

上島珈琲のチーズエッグをほおばりながら、サイト更新できるとは幸せです。

突然ですが、ジュラシックパーク見たことありますか？　スティーヴン・スピルバーグ監督の恐竜パニック映画で、この前シリーズ最新作ジュラシックワールドが公開されて、我先に劇場にいきました。今見ても名作だと思いますので、ぜひお時間があるときに見て欲しいです。

少し本題ですが、なぜストーリーに入り込めたかといえば、最先端CGに加えて、『あれっ可能かも！』　というリアリティを感じたからでしょうか。映画内では下記手順で恐竜は復活を遂げました。

１．琥珀に閉じ込められた蚊の中から、恐竜の血液を回収する
２．恐竜の血液からDNAを抽出、解析
３．DNAの足りない部分は、カエルのDNAで補う
４．完成させたゲノムを用いて恐竜を復元
by【考察】ジュラシック・パークについて考える～恐竜を蘇らせることは可能か～: HENTAI★Cinema
やっぱりDNAは５００年を境として半減するらしく、現在の技術でも、恐竜復活は難しいようですね。　ただ映画公開当時に比べて遺伝子に関連する技術は大きな進化を遂げており、今後の遺伝子検査・遺伝子を活用したビジネス・業界は大化けする可能性が高そうです。
株式会社ディー・エヌ・エーのヘルスケア分野の第一号は、「株式会社DeNAライフサイエンス」一般消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE（マイコード）」の提供を始めています。【お金を儲ける】情熱はかなり強い会社のため、やはり勝算あっての参入かなと。

遺伝子検査って何？

では今後のヘルスケアの中でも、注目される遺伝子検査とはなんでしょう？

遺伝子検査とは、遺伝子を構成するDNAのアルファベット 塩基（化学物質）の順序を調べる検査です。 DNAを調べるには、体のどの部分の細胞を使用することもできますが、血液を使用することが一般的です。　by 慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センター

遺伝子検査と聞くと難しい印象をもってしまいますが、血液検査が一般的とのことですね。血液からDNA情報を読み取り、がんなどの病気リスク・自身の体質などの遺伝的傾向を知る検査を指します。

検査をきっかけとして、生活習慣・環境改善などに取り組むきっかけとなり、かかりやすい傾向にある病気を未然に防ぐなども可能になります。注目されている理由として、遺伝子の情報は変化しないとされており、一度検査を受ければ、再検査の必要はないと言われています。
生涯で一回でいいなら、安いものかも？

ちなみに世界初の遺伝子治療は1990年に米国で先天性代謝疾患のADA欠損症（重症の免疫不全を起こす）の子供に対して行われました。国内では1995年以来、ADA欠損症などの先天性の疾患やある種のがん等に対して、実験的に実施されています。今後5～10年には、筋ジストロフィー、ALS、パーキンソン病、脳腫瘍（Glioma）など重度遺伝子疾患の遺伝子治療の実現が期待されています。

遺伝子からわかるあなたのルーツ

隠し子がいるひとは恐れおののく時代の到来です。芸能人大変そう＾＾；

遺伝子検査を受けたら謎のアメリカ人から連絡がきた | 酒井崇匡
こちらの博報堂生活総合研究所 の酒井さんは、遺伝子検査を受けたそうですが、遺伝情報の開示を許諾すると、利用者内の血縁関係が近い人を教えてくれるサービスがあったとのこと。

「あれ？　なんかこの人血縁者らしいけど。。えええっ？？」

病気目的で遺伝子検査したら、意外な血縁者が出てくる。
震えますね笑

ただオーストラリアとかカナダあたりの親戚がいたら遊びに行きたいです笑　あとは、自分がどのグループ（ネアンデルタール人・縄文人などなど）に属しているかも確かめることができるそう。酒井さんは父方から縄文系グループの遺伝子・弥生系グループの遺伝子を受け継いでいる、という結果が出たとのこと。すごい時代だなー。

認定延期　予想上回る１３社申請

遺伝子検査ビジネスを手掛ける企業でつくる団体　個人遺伝情報取扱協議会　は、一定の基準を満たした業者を自主的に認定する制度を創設し１０月から認定申請の受け付けを始めました。ところが当初は数社の予定が１３社申請があり、認定を延期することとなりました。

個人遺伝情報取扱協議会 組織概要

個人遺伝情報取扱協議会 役員一覧

まー当然関連企業が認定団体を作るという点では、どこまで公正な認定ができるのかと思ったり。

主要遺伝子解析　主要企業

株式会社DeNAライフサイエンス

すでにご紹介したMYCODEを運営しています。

MYCODEでは、疾患・体質・祖先について検査が可能で、約40種のがん、約20種の生活習慣病など全部で150種の疾患、見た目の特徴や食習慣など全部で130種の体質の特徴について、
最大で280項目の疾患・体質について検査が出来るとのこと。

少し高額な印象はありますが、東証一部上場企業の安心感を考えるとMYCODEがいいかもです。

ちなみに親会社の株式会社DeNAは、遺伝子の”DNA”とeコマースの”e”を組み合わせたものだそうで、eコマースの新しい遺伝子を世の中に広めていく”DNA”でありたいそうです。最初はeコマース・ソーシャルゲーム・球団・ヘルスケアという、異業界の多さで、まさにお金を儲ける情熱素晴らしいです。

株式会社DHC

サプリで有名なDHCも遺伝子検査としてダイエット対策キットを5,000円（税抜）で販売していますね。35万個販売実績があるとのことで、低価格帯での販売が人気があるようですが、遺伝子検査として注目されている疾患などはカバーしていないよう。

Genesis Healthcare – ジェネシスヘルスケア株式会社

一般向けには、Genelife（ジーンライフ）を提供しています。11年目ということもあり業界の中でも安心して依頼できそう。ちなみにジーンライフは、29800円（税抜）ですが、GMOのくまぽんキャンペーン中で、9800円（税抜）で受けられるそう。初めての人はジーンライフがいいかも？
また下記のようなB to Bサービスを運用されており、信頼は出来るかも。

DNA抽出
口腔粘膜や唾液からDNA抽出。主に、医療機関に提供しているサービスとのこと。

SNPs解析
1SNPsから100万SNPsまで、ご要望に応じたSNPs解析を受託しています。ヒト、食物、植物、動物を対象とした検査。

薬物診断検査
薬物診断検査は、遺伝的多型により薬の代謝が異なるという知見をもとに、遺伝子解析により各個人に適した薬物処方を行っていくことを目的にされているそう。オーダーメイド医療として薬物診断検査が大いに期待されているようです。

歯周病細菌定量検査
口腔内の歯周病細菌を定量的に検査する「歯周病細菌定量検査サービス（商品名：GeneLife Medical [PERIO]）」を開始いたしました。

遺伝子治療
遺伝子治療は、遺伝子が原因で病気を患っている人の体内に正常の遺伝子を注入することにより治療する方法です。

人類遺伝学的検査
人類遺伝学的検査は、臨床遺伝学の切り口を作ったのがヒトゲノムプロジェクトであるのに対し、祖先や人種間の人類遺伝学の研究はハップマップ（ハプロマップ）プロジェクトとして知られています。耳垢タイプ（ウェット型、乾燥型）や髪の毛や目の色、皮膚の色、身長などの身体的特徴(Traits)も人類遺伝学の研究対象に含まれており、それぞれの遺伝的多型がハップマップデータベースにて一般公開されています。

GWAS解析
GWAS関連解析（Genome-Wide Association Study）はある疾患や特徴などと関連する遺伝子マーカーを探索する手法です。 その疾患、あるいは特徴を有する被験者群と有さない被験者群のほぼ全ゲノムをカバーするように、SNPジェノタイピング分析します。 この情報結果の統計的解析を行い、二つの群で差異が認められたSNPはその疾患と関連するか分かります。 疾患と関連性のあるSNPを発見することにより診断や予防、治療の開発に反映できます。

食品遺伝子鑑定
食品遺伝子鑑定は、主に食品原料の種類・品種・性別の判定に用いられており、日本の食品遺伝子鑑定は、稲の品種鑑定・食品ゲノムライブラリー（遺伝学者・研究者がそれぞれの食品のゲノム配列を開示しているデータベース）に膨大な遺伝情報が集まったことから、国・産地の特定等にも用いられています。豚肉を牛肉として偽った表示がないよう、また米の品種判断などに用いられています。

遺伝子ニュースサイト

いやニッチすぎるだろ 笑　と思ったのですが、せっかくなのでご紹介、先ほどのジェネシスヘルスケア株式会社が運営する、Geno（ジーノ）がオススメです。しかも週に何回も更新されておりしっかりサイトも運用されてました＾＾；

遺伝子検査の課題・問題点はあるの？

いいことづくしの業界に見えましたよね？　将来性の予防にもつながり、生活習慣も見直せると。ドローンなどの技術・進歩に法整備が遅れたというのは記憶にあたらしいですが、まさに遺伝子業界も同様な業界です。

まずは生涯変わることのない、遺伝子は、究極の個人情報としていえますが、漏洩した場合の法整備は気になりますね。また差別につながるのではとも危惧されています。

あなたの遺伝子では会社で雇えない？

米国マサチューセッツ州にハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などの著名な科学者やジャーナリストらによって設立されたこの組織の「責任ある遺伝学協会（Council for Responsible Genetics : CRG）」という民間団体があり、遺伝子差別のケースを公表しました。by huffingtonpost

・政府の仕事に応募した中年男性が、遺伝子検査によって先天性脂質代謝異常である「ゴーシェ病」の保因者。発症はしていないにもかかわらず雇用を拒否される。
・乳がん予防のため乳房切除をした女性が、手術後に職場から解雇される

米国では「米国遺伝子情報差別禁止法（Genetic Information Non-Discrimination Act：GINA）」が2008年に成立しました。この法律は、遺伝子情報に基づく健康保険に関する差別（加入の資格や保険料の決定など）、雇用者による差別（雇用、解雇、仕事の割当、昇進や降格の決定など）が禁止されました。

ただ生命保険・所得補償保険・長期介護保険に関しては適応されず、年々訴訟は増えているとのこと。いままで可視化されなかったリスクを雇用・認定の判断材料にされることが増えており、今後日本でも起こり得る事象かと思います。

検査の精度・与える影響の重要性

ちなにみMYCODEのDeNA のIR・投資家情報事業リスクでは、下記の文章が明記されています。

特に当該事業における遺伝子検査サービスに関連する市場は技術革新のスピードが速く、競争も激化することが予想されております。また、当社グループのサービスか否かに関わらず社会的・倫理的問題が提起される事態が発生する等の市場環境の変化が生じた場合または協業先の変更等が生じた場合、当該事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、遺伝子検査サービスにおいて、検査過誤が生じた場合、不測の事態により適切な環境下で検査が実施できない場合、またはユーザに提供する検体採取機器等に不具合等が生じた場合等は、サービス提供の中止、販売製品の回収及び多額の損害賠償請求並びに当社グループに対する信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

まとめると、倫理的に問題提起される可能性があるよー（法律変わっちゃったり？）万が一、検査結果が間違って出た場合、サービス中止・回収・損害賠償などのリスクもあるよと。

ただどこでも起こり得るリスクだとは思いますが、遺伝子検査という超絶デリケートな検査で、間違いは怖すぎまねすね。

ざっくりまとめ

というわけでつらつら書きましたが、やっぱり将来性は明るいと思います。ただドローン同様早期の法整備を進めないと、個人の生活・雇用に直結する問題にもなりかねない重要な業界になりそうです。まずは。。。ジーンライフでも受けてみようかな＾＾；