リストラと聞いてどのような印象を持ちますか? 色々ご意見あるかと思いますが、結局は【可哀想な他人事】ではないでしょうか? 全く他人事ではないリストラ旋風吹き荒れる電機業界をピックアップ。
東芝の会計不祥事は話題になりましたよね〜2016年3月期の連結最終損益が7100億円の最終赤字となるとのことで、まだまだ余波は続きそうです。
東芝は1万人の人員削減や不採算事業撤退といったリストラを断行しています。ちなみに東芝の会社概要によれば、連結:198,741人 単独:35,278人となっており、リストラ対象を単独とすれば、およそ3割近くの従業員がリストラされることとなります。
正社員でも関係ねえ! 5年前より正社員を減らした500社ランキング
大変興味深い内容が、5年前より正社員を減らした500社ランキング by 東洋経済オンライン で発表されました。
表題ままで人員整理をした企業が名を連ねる訳ですが、大手電機メーカー8社(ソニー・パナソニック・日本電気(NEC)・日立製作所・富士通・東芝・三菱電機・シャープ)と呼ばれるメーカーが1位〜5位を独占するという異常自体となりました。(下記は減少人数ランキング)
第1位:パナソニック 130,502人
第2位:NEC 43,476人
第3位:ソニー 36,200人
第4位:日立製作所 23,076人
第5位:富士通 130,502人
…
第14位:シャープ 4,903人
圏外:三菱電機
パナソニックさんぱねえっす。。2010年3月期に38万4586人だった連結従業員数は、13万人あまり減少して、2015年3月期は25万4084人にまで減少したとのこと。東芝は調査時点では、13位だが今回の不正会計の影響から、来年以降はさらに上位になる見通しです。さらにシャープも太陽電池事業や本社の管理部門を中心に人員を減らすなど、合理化を検討していることがわかりました。グループ全体での削減規模は、国内に約2万人いる社員の1割程度の2千人に上る可能性があります。
各社様々な事情があるにせよ、従業員数を減らした事実がありますが、やはり気になるのは、今回ランキング圏外になった三菱電機でしょうか。リーマン・ショック後の2009年3月期と翌10年3月期において、ともに黒字を確保した、唯一の大手電機メーカーです。
。。という訳で今回は三菱電機をピックアップ。
リストラ関連のお話
。。と三菱電機のまえにリストラとは、英語の「 Restructuring 」の略語で、事業の再構築、構造改革の意図で使用されます。多くはリストラされた側の内容が多いのですが、下記は珍しく【リストラする側】のお話が貴重です。
~リストラの舞台裏~ 「私はこれで、部下を辞めさせました」 1 / 馬場 猪木 | STORYS.JP
また下記から抜粋した電機メーカーの人事担当者コメント
「年齢的に45歳以上です。人件費が高くて切りやすいのが管理職。事業規模が小さくなるとマネージする人はそれほどいらなくなるります。その次は中高年のスタッフ職。年功制が残っているため彼らの人件費は相対的に高いからです」
リストラ対象は、なぜ「45歳以上、管理職、中高年スタッフ職」なのか あなたの出世、採用、給料、リストラはこう決まる【5】:PRESIDENT Online – プレジデント
以上からなぜリストラをするのかで言えば、人件費削減=所得の高い管理職が効率的と判断されているよう。リストラ事例・御相談はこちらをどうぞ→リストラ・解雇相談事例|労働組合 東京管理職ユニオン
三菱電機も試練の時?
三菱電機の2016年3月期は売上高が前年比1.6%増の4兆3943億円、営業利益が同5.2%減の3011億円でした。重電システムで電力・公共案件の採算悪化や電子デバイスの不振が響き、3期ぶりの営業減益となりました。
ただ2011年からは2015年度までは営業利益・当期純利益は順調に推移していました。
さらに借入金=借金も年々減少を続けており、2015年度まで大変順調な経営状態でしたね。
金額(百万円) | |||||
3月31日に終了した年度 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 |
業績の要約 | |||||
売上高 | 3,645,331 | 3,639,468 | 3,567,184 | 4,054,359 | 4,323,041 |
売上原価【A】 | 2,622,959 | 2,628,964 | 2,604,360 | 2,914,589 | 3,032,161 |
販売費及び一般管理費(含む研究開発費)【B】 | 784,606 | 781,278 | 806,412 | 900,807 | 970,191 |
固定資産減損損失【C】 | 4,005 | 3,782 | 4,317 | 3,791 | 3,085 |
営業費用【A+B+C】 | 3,411,570 | 3,414,024 | 3,415,089 | 3,819,187 | 4,005,437 |
営業利益 | 233,761 | 225,444 | 152,095 | 235,172 | 317,604 |
税金等調整前当期純利益 | 210,237 | 224,080 | 65,141 | 248,990 | 322,968 |
当社株主に帰属する当期純利益 | 124,525 | 112,063 | 69,517 | 153,473 | 234,694 |
財務比率 | |||||
売上高当社株主に帰属する当期純利益率(%) | 3.42 | 3.08 | 1.95 | 3.79 | 5.43 |
株主資本利益率(%) | 12.36 | 10.27 | 5.72 | 10.87 | 13.94 |
総資産利益率(%) | 3.80 | 3.33 | 2.04 | 4.37 | 6.12 |
株主資本比率(%) | 31.52 | 33.39 | 38.12 | 42.19 | 45.38 |
1株当たりの情報 | |||||
1株当たり当社株主に帰属する当期純利益(円) | |||||
基本的 | 58.00 | 52.20 | 32.38 | 71.49 | 109.32 |
希薄化後 | – | – | – | – | – |
配当金(円) | 12 | 12 | 11 | 17 | 27 |
三菱電機の試練 2017年3月期は減収減益予測
三菱電機だけではなく電機業界にも大きく影響しますが、多くの試練があり。円高影響・熊本地震による工場閉鎖・そして三菱自動車の燃費データ改ざん問題です。
[東京 28日 ロイター] – 三菱電機(6503.T)が28日発表した2017年3月期連結業績予想(米国会計基準)は、売上高が前年比2.6%減の4兆2800億円、営業利益が同13.7%減の2600億円と、減収減益となる見通し by 三菱電機が減収減益予想、専務「為替の悪化が要因」 | ロイター
いままで電機業界でも好調だった三菱電機も試練を迎えています。松山彰宏専務は「一番の要因は為替変動による悪化だ」と述べ、売上高で1300億円、営業利益で500億円の押し下げ要因だとしてきました。
熊本地震の影響で一部操業を停止している工場の影響については、業績予想に織り込み済みとのことですが、未知数なのは三菱自動車。自動車機器ではトップグループの顧客なので何らかの影響が出てくる」との見通しを示しました。
電機業界のミライは明るい?
という訳でもし転職をお考えなら三菱電機 一択ですかね。まあ俺はリストラされない! とかまた転職するし! であれば全く問題はなさそうですが。電機業界の今後でいえば、やはり中国の景気減速・円高などの外部要因がマイナスに影響しそう。直近はあまり明るい材料は無さそうですね。
BtoC(消費者向けビジネス)かBtoBか大きく分かれそう。消費者向け製品は重電のように大規模投資を必要としないため参入障壁が低く、単価下落が激しい為、収益確保が難しい為、各社BtoBへ活路を見出そうと必死です。
次回は製薬業界あたりもいいかも?