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ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

■第一章-ラーメンとアメリカの小麦戦略
  • 安藤百福の見た闇市の支那そば屋台
  • 「都市下層民」の夜食だった戦前の支那そば
  • 『サザエさん』に登場する「シナソバ」と「中華そば」
  • 戦後、圧倒的に不足した米の代用品として
  • スパゲティナポリタンの誕生
  • 食料援助の「ララ物資」として入ってきた小麦
  • 生産力を持て余していたアメリカの小麦農家
  • 新たな売り込み先を探して世界中に調査団を派遣
  • 小麦食普及キャンペーンを展開
  • 日本人にとって特別な存在だった米と稲作
  • なぜ「米食ナショナリズム」が発動しなかったのか
  • GOPANのヒットを後押しした自給率低下への危機感
  • 安藤百福が試みた西洋・パン食への抵抗

■第二章-T型フォードとチキンラーメン

  • 技術より生産力が決め手になった第二次世界大戦
  • 日本人の兵器観にみる「一点もの至上主義」
  • フォード社が生み出した革新的な大量生産技術
  • 大量生産技術への恐怖
  • 大量生産をめぐる思想対立を描いた『夏への扉』
  • 戦前日本における大量生産の夜明けと行き詰まり
  • ”工業製品としてのラーメン”をつくりたい
  • 日本の情熱的な品質管理運動に火をつけたデミング
  • デミングとドラッカー
  • 日本のものづくりがアメリカを脅かした時代-
  • 大規模オートメーションから生まれる「魔法のラーメン」
  • 大量消費の場としてのスーパーマーケット
  • ポパイはなぜ缶詰のほうれん草で強くなるのか
  • 第二次世界大戦でアメリカ軍を支えたハーシーズとコカ・コーラ
  • アメリカの朝食を変えたケロッグ社の宣伝戦略
  • 早くからテレビによる宣伝にこだわっていた百福
  • 子ども向け番組を提供して大ヒットしたチキンラーメン
  • 五〇年経ったいまも百福のものづくり思想を守り続ける

■第三章-ラーメンと日本人のノスタルジー

  • 『渡鬼』の五月(ピン子)はなぜラーメン屋に嫁いだのか
  • 小島家の家庭内騒動の背後にある価値観の相違
  • 『ガラスの仮面』におけるラーメン屋の記号的役割
  • 三世代の幸福像の変遷を描く場としてのラーメン屋
  • 『ALWAYS-三丁目の夕日』とラーメン博物館
  • 昭和三三年が”古き良き時代”の象徴になった理由
  • 若くて貧乏な独り暮らしの記憶と結びつくラーメン
  • 大量発生した都市生活者の食を支えたラーメン
  • 受験勉強、深夜放送、インスタントラーメン
  • メディア史的事件としたのあさま山荘事件
  • あさま山荘事件とカップヌードル
  • 独身者のアパートからベトナム戦争の前線まで
  • そしてラーメンは国民食となった

■第四章-国土開発とご当地ラーメン

  • ご当地ラーメンは郷土料理ではない
  • 田中角栄を軸にした中央と地方のシーソーゲーム
  • 国土開発の要となった「道路整備特別措置法」
  • 「テニスコートの恋」が刺激した新しいレジャー・バカンス
  • 「ラーメンの街」札幌の発見
  • ご当地ラーメンが街に観光客を呼び寄せる
  • 九州とんこつラーメンはいかに生まれ発見されたか
  • 愛国心は共通の「国語」から生まれる
  • 「ラーメン」という言葉がつくりだした「味覚の共同体」
  • 地元の歴史から切り離された「常磐ハワイアンセンター」
  • 『日本列島改造論』から始まる「地方の時代」
  • 万博を機に広がったファストフードとファミレス
  • 脱サラ組がラーメンのフランチャイズビジネスに参入
  • いち早く郊外に進出したラーメンチェーン
  • ご当地ラーメンの進化とファスト風土化の同時進行
  • 地域一体で標準化に取り組み成功した喜多方ラーメン
  • 雑誌のラーメン特集で「行列して食べる」行動が復活
  • 映画『タンポポ』に登場する「ラーメン通」という人種
  • ラーメン博物館に展示されたご当地ラーメンの「偽史」
  • 「捏造された伝統」としてのラーメン列島神話

■第五章-ラーメンとナショナリズム

  • メディアを通して体験された湾岸戦争
  • 軍事行動のアウトソーシングも湾岸戦争から
  • 「環七ラーメン戦争」が夕方のニュースの話題に
  • フード番組ブームに沸いた一九九〇年代のテレビ
  • ラーメンスターの登場
  • リアリティショーとしての「ガチンコ!ラーメン道」
  • 人の死すらもメディアイベント化していく
  • 自由化の名の下、テレビ局は自局利益最大化に邁進
  • メディアミックスとラーメン
  • 作務衣、バンダナ、手書き漢字――“作務衣系”の登場
  • コンセプトは“和”、BGMはジャズ
  • “ラーメン屋から麺屋へ”というパラダイムシフト
  • ヌーベル・キュイジーヌに重なる「ご当人ラーメン」
  • 反グローバリズムとしてのスローフード運動
  • 「地域主義」でつながるスローフードとラーメン
  • 政治的プロパガンダに担ぎ出された「佐野JAPAN」
  • オウム真理教はなぜラーメン屋を経営したのか
  • 「ラーメン二郎」という信仰
  • 決して美味くはないのに、通わずにはいられない
  • のれん分けしていても味が店舗ごとに違う
  • ジロリアンによる二郎のゲーム的消費
  • ファン獲得のヒントはコミュニケーション消費
  • 〈ラーメンポエム〉に見る自己啓発文化
  • 外食産業の急速な寡占化を唯一逃れたラーメン業界
  • のれん分けで、職人の秘伝をマンツーマンで伝承
  • 「麺屋武蔵」以降引き継がれる国粋主義的傾向
  • 「表層的な模像としての日本への回帰」
  • 文化的・趣味的共同体としてのナショナリズム
  • ニセモノの伝統であっても問題ではない