千の湘南乃風になって私のお墓の前で泣かないで下さい

「千の風になって」が売れているのは知っていたけど、単なる流行歌に留まらず、中高年の死生観を揺さぶり、かつての永六輔の“大往生”のようなブームになっているとまでは知らなかった。朝日新聞で“千の風になって”というお涙頂戴の連載記事まで始まってた。

このブームを足早に辿ってみると、デンツー・ソングライターの新井満が作者不詳の英語の詞を訳して、メロディをつけて歌ったところ、朝日新聞が天声人語で取り上げ話題になり、去年の紅白でオペラ歌手が歌い大ブレイク。もうすぐミリオンとのことで、ミリオンはKAT-TUN以来、丸一年ぶり。

これは、電通、朝日新聞、NHKという大大メジャーチームがしかけたクチコミの成功例。隠し味にスピリチュアリズムを取り込んでいる辺りもうまい。

もう一方では、“パスタ茹でるおまえ それを殴るオレ”の“湘南乃風世代”が魔法のiランドにがんがん小説を投稿し、それを不動産屋ががんがん出版してミリオンセラーになってWeb2.0の「総表現社会」を体現している。

互いにどこ吹く風で相反もせずすれ違いまくる様は断片化最終戦争とかいう奴ですか? akogina博士?

いま時代は“空気の時代”から“風”の時代に。風になれ!(鈴木みのる最高)。