なんとなく始めてみた短期集中のQuipperのCTOブログ。リクルートグループに入り、ますます日本での活動が増えているQuipperなので、CTOとして、開発、プロダクト、サービス、チームに関わることを書いていこうと思っている。今回は、第1回ということで、Quipperの現状について書いてみようと思う。
まず、最近、世の中に出たQuipperについての記事を。
- https://newspicks.com/news/1317287/body - 【渡辺雅之×山田進太郎】グローバルスタートアップの世界戦略
- https://mirai.doda.jp/series/interview/quipper/ - 生徒も先生も親も変わる!世界の教育の最前線でいま起こっていること
- http://globis.jp/article/3727 - 世界の果てまで最高の学びを届けよう ~受験・勉強サプリ、Quipperによる教育支援の挑戦~ Part1/2
- https://www.recruit-mp.co.jp/career_engineer/ - リクルートマーケティングパートナーズの採用ページだが、私含む開発者のインタビューや記事があり読み物としてどうぞ
以前、自分のブログに、3ヶ月時点( http://blog.madoro.org/mn/97 )でのことを書いた。その後、更に6ヶ月が経った。あの3ヶ月時点ではQuipper/リクルートのメンバー双方がお互いの様子を見つつ、手探りな感じだったが、その後、共同のプロジェクトを進めたりするうちに、だんだんとお互いのことがわかり、一部での融合も進んでいる。どんなことが起こっているかを書いてみようと思う。
まず、良いところばかりだと嘘くさいので、最初に辛いことも書いてみると、何人かの人がこの間に辞めた。これはちょっと残念なことだったけども、リクルートどうこうよりも、買収というのがいいきっかけになったということが大きいようだ。人が辞めるというのは会社をやっていく中で、常に最上級で辛いことだけど、人が入れ替わらない、新陳代謝しない怖さというのもあるので仕方ないと思うようにしている。
そんな辛いこともあったが、前回の採用強化期間( http://blog.madoro.org/mn/96 )で、応募してくれた人たちが9月10月にたくさん入社しチームはだいぶリフレッシュした感じになっている。今回の採用ではWeb開発者はもちろんだが、iOS/Androidチームも強化することができた。また、インフラ側(Quipperではengineering teamと呼んでいる)もかなり強化された。
そんな入れ替わりもあったが、今、Quipperの創立以来、開発チームの状態はかなりいい方だと感じている。なんでかな、と考えてみると、exitしたことで当面の資金や増資みたいなのをそこまで気にすることなく、太くシンプルな戦略を元にサービスに集中できるということが大きそうだ。
次にリクルートの人との交流だが、Quipperはリクルートマーケティングパートナーズ(以下RMP)という会社の傘下にいるのだが、RMPの人との交流は徐々に進んでいるという感じだ。
RMPの開発者の方々とは当面の間は、業務/プロジェクト面での大きい交流はなさそうなのだが、共同の採用サイトの構築や、勉強会や飲み会、Slackでの技術的な質問やミートアップの共同開催みたいなところで交流が始まっている。社外と社内の間の距離感で色々情報交換できるというのはなかなかいいなあ、と思っているので今後もっと積極的に交流していきたいと考えている。
また、RMPの事業側の一部の方とは、受験サプリ( https://jyukensapuri.jp/ )にQuipperシステムを使うという案件があり、そのメンバーの方々とは日々密にやりとりをしている。現在の東京オフィスは、RMPオフィスのすぐ側(徒歩1分)にあるので、物理的な行き来やミーティングも日々行っている。
正直なところ、やはり日本の大企業という面で、それなりに大変なところもあるが、思っていたよりはだいぶやりやすいというのは感じている。というか、Quipperのやり方をなるべく尊重しようとしてくれているんだなあというのは随所に感じられ、その辺はとてもありがたい。例えば、オンラインのコミュニケーションは基本的にすべてGitHubのissuesと、Slackで完了しているし、ミーティングも形式張ったものばかりということもなく、必要に応じて最小限にという感じになっている。
https://www.wantedly.com/companies/quipper/info に最新の状況を載せてあるが、海外では、学校先生向け機能であるQuipper Schoolと、ビデオ学習サービスであるQuipper Videoという2つの事業を行っている。機能的には、Quipper SchoolとQuipper Videoは独立したものというわけではなくQuipper Videoを学校利用(Quipper School経由で)することができたりもする。
Quipper Videoは、数ヶ月前にスタートしたものなのだが、既存のQuipperサービスの動画機能を大幅に強化したもので、リクルートの受験サプリのノウハウもふんだんに入ったものになっている。既にインドネシアでリリース済で、今後メキシコ、フィリピンと続いてリリースしていく予定になっている。
日本でもいくつかの取り込みを行っているが、その中で今一番開発のパワーを投入しているのが、上述した受験サプリのQuipperプラットフォームへの移管になっている。既に知名度もありユーザーもたくさんいる受験サプリをQuipper上で動かすという、とても大きなプロジェクトだ。
基本的なサービスとしては上記Quipper Videoとほぼ同じものなのだが、課金周りや一部特殊なビジネス要件(はい、大変!)の開発をしている。日本でクローズドベータテストやユーザーインタビューを行ない、日本のニーズに合わせた改善なども行っている。もちろん、海外でも使えるような機能はそのまま海外向けQuipperにも反映されるようになっている。
現在Quipperのオフィスは、ロンドン、東京、マニラ、ジャカルタ、メキシコシティにある。その内、ロンドン、東京、マニラの3拠点で開発をしている。
この3拠点は、それぞれ固定的な役割があるわけではなく、Quipperにとって一番いい形になるように常に変化させつつ進んでいる。現在は、東京オフィスは上述した受験サプリの移行に集中モードになっていて、ロンドンもそれをサポート、マニラの開発チームはQuipper Videoの海外展開を担当しているという感じになっている。
基本的には、同じコードベースに手を入れることになるので、日々GitHubやSlackでやりとりをしつつということになっている。また、先月には、マニラの3人の開発者にRubyKaigiに合わせ来日してもらい、直接の交流なども積極的に行っている。一度実際に会うとその後のリモート開発が楽になるので定期的にしていきたいと思っている。
今は、CTOの自分含め受験サプリ移行に集中モードになっているのだが、数ヶ月後新しいQuipperプラットフォームでの受験サプリを日本でリリースした後には、日本を含む各国で発生した課題や、ユーザーからの要望、また各国でのビジネスプランを、プロダクトやサービスにどう反映させていくかという段階になる。
また、上では、日本と海外とを分けて書いたが、実際には、Quipper的には、日本は展開国の中の一国という位置づけで、今はその立ち上げのためにリソースを割いているという状況と考えている。
そんなQuipperだが、今年も積極的に採用を計画している。もし興味がある人がいたら https://www.wantedly.com/companies/quipper/projects あたりから、今すぐの転職を考えていなくても、とりあえずオフィスに遊びに来るとかでも是非! また、来週にはRMPと合同のミートアップも計画しているので、そちらもお気軽に参加どうぞ。 http://rmp-quipper.connpass.com/event/24535/
今回は初回ということで、今までのあらすじ、みたいな感じになってしまったが、次回は、「Quipper開発チームに入って欲しい人」というもうちょっと深いところを書く予定。
続く。