フランスで子育てしてきた親が「日本の小学校」に子どもを通わせて驚愕したこと

日仏の学校は、こんなに違った

配られたプリントに驚愕

筆者は、幼少期をフランスで過ごし、その後、日本で大学・大学院を出た後、再びフランスに戻った。フランスで結婚し、二人の子どもに恵まれたが、2021年の夏、夫と二人の子どもとともにフランスから日本に移住してきた。

二人の子どもは幼稚園からフランスの現地校に通い、家でもフランス語ばかりだったので、ほとんど日本語が話せない状態だった。それから1年が経ち、二人は今やすっかり日本の生活に馴染んでいる。

そんな中、夏休みまであとわずかというある日のこと。まだまだ泳ぎが苦手な子どもたちが小学校から「水泳教室」の案内をもらってきた。子どもが通っている小学校の先生たちが特別に強化レッスンをしてくれるということだったのだが、案内に記載されている日にちを見て最初はミスプリかと思ってしまった。というのも、この教室は夏休みが始まってから開催されることになっていたからだ。

〔PHOTO〕iStock
 

なぜ私が驚いたのかというと、フランスの小学校では夏休みが始まったその瞬間から学校関係のイベントは一切なくなるのが普通だからだ。休暇が始まる時の言い方にもそれが表れている。最終登校日には、「明日からおやすみ」ではなく「今日の夕方からおやすみ」だと言う。授業が終わったその瞬間から「バカンス」になる。

子どもたちも早ければその日の夕方から休暇に出かけてしまうし、それは先生だって変わらない。ましてや休みが始まってから学校でイベントがあることなど考えられない。休み中に子どもたちが動物や植物の世話のために学校に行くこともない。

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