ショッピング行為のバイラル化 ~AmazonのWoot買収から読み取れる確かな流れ~
現地時間6月30日、米国大手E-Commerce企業のAmazonがソーシャルショッピングサイトのWootを1億1000万ドル(日本円で約100億円)で買収しました。何故Amazonはここまで高額な資金を投入したのでしょう? この疑問を解く鍵、それはショッピングという行為自体の大きな変化にありました。
今回の記事では、私たちが日々何気なく行っている買物という行為に起きた斬新なイノベーションについてご説明をしたいと思います。
2008年に誕生し、この瞬間も急成長を遂げる共同購入サイト(販売している商品の購入者が増えれば増えるほど価格が下がる仕組み)のGroupon同様、Amazonに期待されるWootのポイントは『ソーシャル性×リアルタイム性』をショッピングという行為に取り入れたことです。
従来、お得な割引情報を入手した潜在的購入者は、その情報を友達に共有することにインセンティブを感じていませんでした。(むしろ、オファーされる商品数が限定されていればいるほど競合が増えてしまうため、情報は閉鎖的でした)。
しかし、デジタル上で自然と情報がオープンになったこの時代、店舗にとってその販売システムやプロモーション活動を限定的なインセンティブから、ウェブの力で変革することは大きなチャンスだったのです。
ソーシャルメディアの登場で生まれたショッピング行為の新しいスタンダード、それがショッピングのバイラル化(口コミ効果の最大活用)です。
例としてGrouponは、ある一定人数の購入希望者を、一定時間にリーチしないと『魅力的な割引条件が無効になる』、そんな仕組みを活用してユーザーのインセンティブをシフトすることに成功しました。
ユーザーは実現したいディール情報を、TwitterやFacebook等の代表的なソーシャルメディアを活用してより多くの友達に共有し、割引条件が適応するように努力します。ソーシャル性を当たり前の行為に導入することで、消費者・店舗双方にとって価値が生まれるようになったのです。
そして、ウェブ上だからこそ実現出来たスピード感、スケール感を武器とするWootやGroupon等のショッピングサイトにはもう一つ強みがあります。それが取引のシンプルさです。
『One Day, One Deal per Location
(地域別に、1日1つのディールを紹介!)』
この非常に分かりやすいサービス概要がユーザーの購入意欲を高めています。