断言しよう。異例ずくめの「安倍・トランプ会談」は満点外交だ!

狙うは中国の野望をくじく平和構想

「内容が漏れなかったこと」がとても重要

安倍首相は日本時間の18日朝、ニューヨークでトランプ次期大統領と初めて会談した。会談は1時間半、世界が注目する中で日本の首相が存在感を見せた。CNNでは、何度も安倍・トランプ会談の模様を放映していた。

会談の場所はトランプ氏が住むトランプタワー。挨拶代わりとして、安倍首相は日本製のドライバーを持参した。トランプ氏がゴルフ好きなことを知っており、次回の会談をも視野に入れている。

日本の首相が、アメリカ大統領選挙に勝利した候補者と大統領に就任する前に会談するのは極めて異例だ。安倍首相の動きは素早かった。10日朝には、先進国の中でも先駆けて電話会談に成功し、その場でニューヨークでの会談合意にこぎ着けている。安倍首相は、長期政権なので余裕を持って外交をこなしている。

当初の会談時間は2時間を予定し、途中で食事が入っていたようだが、米国政府から「現職大統領はオバマ氏だ」という横やりが入り、結果として食事は抜きになったようだ。会談時間も短くという要請であったが、結果としてウマが合ったのか、かなり長い会談になった。

また、本格的な「首脳会談」にはしないという要請もあったので、安倍首相は通訳と二人だけでトランプ氏と会ったが、トランプ氏側は長女のイバンカ氏、夫のジャレッド・クシュナー氏、マイケル・フリン元米国防情報局長が同席した。

トランプ氏の自宅に行ったわけだから、長女のイバンカ氏、夫のジャレッド・クシュナー氏がいるのはギリギリのところだが、マイケル・フリン氏がいたので、これで事実上「日米首脳会談」になってしまった。まあ、日本側はオバマ政権の顔をつぶしてはいないだろう。

会談内容は、この会談が非公式である以上明かされないが、次回の会談の予定も話し合われただろう。

首相官邸HPより

実は、会談内容が漏れてこないというのは重要だ。もちろん、オバマ大統領のメンツの問題もあるが、それ以上に、安倍首相はトランプ氏との会談で「内容についてはお互いの胸のうちにしまい外の漏らさないようにしよう」といったはずだ。もし漏らせば相手を裏切ることになる。内容が漏れなければお互いに信頼できる相手になる。

安倍首相は、トランプ氏の会談後、複数の日本のメディア関係者に連絡をとったようであるが、その対象者から漏れているマスコミ諸氏も心配要らない。肝心の内容は決して言っていないはずだ。官邸のホームページに出ている範囲、そこで掲載されている写真からわかる範囲でしか、話していない(http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201611/17usa.html)。

これで、安倍首相が「トランプ氏を信頼できる」といった理由もわかるだろう。内容を漏らさないようにしようと言って、相手も了解したという意味で、こちらからも漏らさない。それで、信頼できるということなのである。

 

無粋というか、まったくトンチンカンなのが民進党である。蓮舫代表が、「非公式会談ではあるが、首相は説明する義務がある」として、「何をもって信頼できるのか。ぜひ詳しく説明してほしい」といった。

これに安倍首相が答えたら、それこそ安倍首相とトランプ氏の信頼関係をぶちこわし、日米関係を危うくする。民進党の意図として、日米関係を壊してでも安倍政権を倒すことを狙っているのだろうか。もし万が一(とてもあり得ない話であるが)、民進党に政権が交代したとして、トランプ氏との会談内容を明らかにせよといわれれば、明らかにするのだろうか。

もし国会で民進党議員が安倍首相に質問したなら、「日米の信頼関係を壊したいのか。逆の立場で民進党が政権をとったときにはそうするのか」と反論され、愚かな質問であることが一発でわかるだろう。

蓮舫代表は一国のトップになったことがないので百歩譲って仕方かないとしても、首相まで務めた野田佳彦幹事長も同じ発言をしているのには、驚くばかりだ。海外から見れば、非公開会談を公開せよという民進党は、非公開のことをも公開する方針の党なのかと思うだろう。とても信頼できる党にみえない。

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