〔PHOTO〕gettyimages
日本が尖閣諸島を国有化してから1年余り、ついに中国が「防空識別圏設定」というカードを切った。対日強硬策をエスカレートさせていく〝習近平の野望〟に日本はどう立ち向かってゆけばよいのか。
報復がついに始まった
11月24日、習近平主席は極秘裏に、山東省青島の北海艦隊基地に降り立った。青島基地は、浙江省寧波の東海艦隊基地、広東省湛江の南海艦隊基地と並ぶ中国海軍の要衝だ。
人民解放軍を統轄する中央軍事委員会主席でもある習近平主席は、すでに氷点下近い寒さの中、翌朝に初の遠洋航海訓練を控えた空母『遼寧』の乗組員たちを整列させて、舌鋒鋭く訓示を飛ばした。
「能打勝仗、打赢戦争!」(戦闘能力を高め、戦争に勝て!)
『遼寧』は、人民解放軍が保有する唯一の空母である。「海洋強国」を国是に掲げている習近平主席は現在、アメリカ軍に対抗できる空母増強を急ぐよう軍に厳命している。
『遼寧』は、ウクライナの空母『ワリャーグ』を大幅に改修し、昨年9月25日に海軍に引き渡された。習近平主席は、今年8月28日に、大連軍港に停泊していた『遼寧』に搭乗。「今日初めて空母に乗って、人民解放軍の偉大な能力に感動した」と勇ましげに述べている。