いたずらが過ぎたバイトやブラック企業を「黒」と決めつけて叩くよりも、本当の悪を見分ける力を身につけよう
みなさんは子供の頃や若いころ、いたずらをしませんでしたか。
よそさまの玄関のチャイムを鳴らしてダッシュして逃げるピンポンダッシュとか、寝てる人のまぶたにマジックで目を書いちゃうとか。大なり小なり友だちや家族を相手にそういうことをした経験がある人が大多数なのではないでしょうか。
いたずらは当人たちの間ではある意味人間関係の円滑油のようなものです。そういうじゃれあいをする経験はむしろ人とコミュニケーションをしたり、人格形成を果たしたりするのに、必要なのかもしれませんね。しかし、その様子がその当人たち以外の人たちに知られたり、さらにはそれがバイトの現場であったりしたら、冗談ではすまされなくなります。特にそれがネットで広がったりしてしまったりしたら。
スマートホンやSNSのせいではない
最近いくつかの会社でアルバイトが悪ふざけをネットで流し、それが当人たちの予期しない形で伝播して、その企業の責任問題になるケースがあいついでいます。ほっともっと、ローソン、ブロンコビリー、ミニストップ、丸源ラーメン、バーガーキングなどです。
具体的にはアイスケースに入っているところを撮った写真をSNSに投稿したり、敷き詰めたバンズの上に寝そべっているところを投稿したりと、まあアホだけれども他愛のないものです。
実際、大手チェーンファミリーレストランで働いていた私の知人も、「皿洗いのバイトをしていたときに暑いから冷凍庫でこっそり涼んだことがある」と言っていました。こういうことは昔から行われていたことであり、SNSの普及とともにそれが可視化されたということなのでしょう。それは多くの識者が指摘しているところです。
彼らがネット上のスラングであるDQN(ドキュン)=非常識で支離滅裂な行動をする人たち、と括れるかどうかはともかく、ネットでそのような行動をするとどのような結果になるのか、ということの予見性が乏しいという点においては思慮が足りなさすぎるといえます。
しかし、実際にネット上でどのように行動するとどのような結果を招くのか、ということについては学校や家庭で話題になることはめったにないのではないでしょうか。