2025.01.16

阪急電鉄が「新大阪駅」への乗り入れに前のめりになるワケ…実現した場合の「大きすぎる利点」

JR西日本と南海電鉄が乗り入れるなにわ筋線が建設中だが、阪急電鉄はこれに接続する、なにわ筋連絡線と新大阪連絡線の建設計画を明らかにしている。この計画が実現すれば、大阪の交通事情は大きく変わり、利便性が大幅に向上することは間違いないが、この計画には色々と課題も多い。この計画の実現性について鐵坊主・著『鉄道路線に翻弄される地域社会―「あの計画」はどうなったのか?―』では考察している。本書より一部を抜粋してお届けする。

『鉄道路線に翻弄される地域社会ー「あの計画」はどうなったのか?ー』(ワニブックス刊)
 

阪急なにわ筋連絡線と新大阪連絡線とは?

なにわ筋線は2023年に開業したJR西日本の大阪駅地下ホームと、JR難波駅、南海電鉄新今宮駅を接続する、大阪を南北に縦断する新線であり、2031年度の開業が予定されている。

なにわ筋線へはJR西日本、南海電鉄の関西空港や和歌山方面などからの列車の乗り入れが想定されており、関西空港へのアクセス、大阪の鉄道ネットワーク拡張、交通渋滞の緩和や利便性の向上が期待される。

阪急電鉄の計画とは、なにわ筋線開業に合わせ新大阪駅と大阪駅地下ホームを十三(じゅうそう)駅経由で結ぶ新しい連絡線であり、大阪駅から十三駅をなにわ筋連絡線、十三駅から新大阪駅を新大阪連絡線としている。

阪急電鉄は以前より新大阪駅そばには用地も取得し、乗り入れ計画を温めてきたが、阪急電鉄単独では事業費や需要予測から実現することができず、現在に至っている。しかし、なにわ筋線に接続することで、大阪南部、和歌山、関西空港へのアクセスが可能となり、より大きな効果が得られるとして、新大阪駅への乗り入れ構想の実現に向けて舵をきったというところだ。

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