日本で「結婚しない女性」が増えている「納得の理由」

人口減少日本でどう生きるべきか

人口減少日本で何が起こるのか――。意外なことに、多くの人がこの問題について、本当の意味で理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。

100万部突破の『未来の年表』シリーズの『未来の地図帳』は、20年後の日本人はどこに暮らしているのか?人口減少が「10年後、20年後の日本のどの地域を、いつごろ、どのような形で襲っていくのか?についての明らかにした書だ。

※本記事は『未来の地図帳』から抜粋・編集したものです。

20代女性が大きく減る豊島区

これからの日本では、少子化・高齢化だけではなく、子どもを産む世代の減少も起こってきます。

この5年の0~4歳の人口伸び率は、東京都では千代田区、港区、中央区が伸び率が高く、上位10位以内のほとんどが東京区部が占めています。この5年間で多くの子どもが東京23区で生まれているのです。

しかし、それは東京で生まれ育った女性がその年齢に達したからではなく、地方からその世代の女性が流入しているからなのです。ただ今後は、流入する女性そのものが少なくなっていくので、これからは生まれてこない。

また、2017年の特殊出生率は東京が1.21と、全国平均1.43に比べても非常に少なく、子育てしにくい町とされています。この状況が続けば、東京も子どもが生まれにくくなるのです。

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『未来の地図帳』では出産期の女性が減少する地域として東京都豊島区の名前を挙げました。東京の中心地で企業も多く、その近くに住みたいという若い世代も多い、豊島区がなぜ? という話も耳にします。

2020年、20代女性が減少する自治体のトップは、北海道函館市宮崎県都城市で、12.8%も減少します。驚くのは、これに続くのが、東京都豊島区や札幌市南区という大都市圏だということです。以前、この事実が新聞に掲載され、大きな反響を呼びました。

なぜ豊島区から20代の女性がいなくなるのか? たしかに東京でも、職場と住居が近いところを探す、若い世代が増えてきました。港区、千代田区、中央区の人口が増えているのはそれが理由です。豊島区も多くの企業があり、大規模マンションも増えています。

しかし、保育園、学校などの子育て環境などから、豊島区に住んでいる人が他の区へ引っ越すからではないかと思います。

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