酔っ払いは素晴らしい

三軒茶屋グレープフルーツムーンにてmmm(ミーマイモー)のレコ発ライブを観て、震えてしまった。ヘタしたら何回か泣いてしまったかもしれない。mmmのライブは二回目。一回目は新宿のタワーレコードでのインストア。あのときは何曲やったんだっけ。「あまのじゃく」(という曲名をその日に買ったコンピレーションアルバムで知った)に感動して、この人はおぼえておこうと思ったのだった。その後、なにかのおりに宇波と話してたら、mmmのファーストフルアルバムを宇波がプロデュースする、というのでびっくりしてしまった。縁があるんだな、と。今回のライブは、そのアルバムで参加したミュージシャンたちが勢ぞろいした。曲順はアルバムのまんまかな。一曲目、「バイバイ」はmmmひとりでの演奏と歌。囁きから叫びまでの幅の広さでいっきに世界に引き込まれる。なんて表現力のある歌手なんだろう。そして、二曲目でバンドのメンバーの音が鳴った瞬間のあの表情! ニコニコと楽しそうに歌うmmmはあの表情で、先頭に立ってバンドに「ついてきな!」と言っていた。あのおおらかな肯定感はなんだろう。どんな悲惨なことが起ころうとも、めそめそしない。以前、CDを聞いたときには、もう少し孤独な印象があったけれど、実際にステージに立つmmmには孤独のかけらもなかった。それは、飼っていた猫が死んでしまって作った、という「アドア」のときにも感じた。まあ俺はあのたった一言のMCで涙ぐんでしまったんだけど。
mmmは何度か曲のあいまに、「楽しいなー」と言いながら、ハートランドのボトルをラッパ飲みしていた。「ゲロ吐く時の歌」という曲があるくらいだから、本当に酒飲みなのかもしれない。と、本気で思わされちゃう。そして、その様子が、本当にホントーに素敵な酔っ払いに見えてしまうから素晴らしい。
MCでmmmがふざけて「鳴りやまない拍手!」と笑っていたけれど、すべての曲が終わったあと、本当に拍手が鳴りやまなかった。アンコールはなしで、PVがスクリーンに映し出された。が、その後、そのスクリーンの前に仲間たちと一緒に現れたmmm。手拍子が始まり、mmmに誘われて前列のお客さんが二人くらい踊らされる。楽しい。で、それが終わっても、やっぱり鳴りやまない拍手。お願い、もう一回歌って。ねばりに根負けしたのか、三度ステージにあがったmmmは即興で、「楽しすぎて、今日はゲロ吐かないようにしようと思ったけど、吐くまで飲んじゃうかもしれない」という歌を歌ってくれた。あんなに幸せな歌はなかなか聞けないよな。
mmm、とにかく大物。まだ23歳だってさ。絶対にみんなにライブを観て欲しい。次のライブは1月23日@下北沢THREE。詳細はこっち。
終演後、宇波に紹介してもらった。嬉しい。
 

パヌー
パヌー
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mmm
kiti (2009-12-16)
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