封鎖中のミラノから イズミふうこの日記

イタリア語と日本語(時々英語)で得る情報は、どれだけ同じなのか?どれだけズレているのか?

伊「新型コロナの死因は肺炎ではなく微少血栓症。自宅で治療可能に。入院数減少の理由」

専門外の素人が、特に今一番コアな部分である医学にまつわる話を書くのは間違っている。

本当にそう思う。

そして老舗新聞社・大学系など以外のネットニュースは信ぴょう性がピンキリなので、あまり取り上げるのは好きではない。

 

・・・が!

 

内容的に興味深すぎ、「続報期待!」すぎるニュースなのでスルーできません。

出来るだけニュートラルに一部始終を紹介します。

(今日はちょっと長くなっちゃうよ〜!)

 

 1週間前、日本の某美容外科医院長のツイッターで、今の新型コロナの治療法を覆すような医学的見解が流れてきました。元ネタは、とあるイタリア人の医師が書いてネットで拡散されているメッセージです。

しかし、その発信者の医師の名前をグーグル・イタリアでググると、最初に表示されるのはファクトチェックのサイト。フェイクニュース扱いだったので、私は脊髄反射気味に「それはフェイクニュースらしいですよ」とツイートしました。

 

それが数日間で状況が変わり、「内容はフェイクじゃなかった!?」と言う状態になってきたのです。イタリアでは抗炎症剤を使った新しい治療法がこの1ー2週間試されて結果を出しており、WHOや他国もそれを認め初めているというニュースが出てきたのです。

 

以下一部始終です。

 

 1週間前にサンドロ・ジャンニーニという名前の医師が、WhatsApp(日本のLINEのようなチャットアプリ)等のソーシャルメディアを通して以下のような内容を回しました。

今の新型コロナの治療法を覆す衝撃的な内容に思われました。

原文https://www.persemprenapoli.it/notizie/napoli/ultim/giampaolo-palma-ecco-perche-si-muore-di-covid-19/

 

オリジナルのメッセージ内容はざっくり訳すと:

「親愛なる友人たちへ」

「ついに新型コロナウィルスによる本当の死因が分かった。

私たちは亡くなった患者の肺病理組織からデータをとった。

患者は全身性静脈血栓塞栓症、特に血栓塞栓症になってICUに行くことになるのだ。

死亡を決定するのは肺炎ではなく微少血栓症だ。なので血液が行き渡らなくなった肺にいくら呼吸器をつけてもしょうがない。実際に8割が亡くなる。

しかし病態の初期・中期の段階で血栓症を防げれば呼吸器やICUはいらない。

 

中国からの方針で3月なかばまで「抗炎症剤は使用しない」と言われていた。

しかしイタリアでは今、初期段階で抗炎症剤と抗生物質を使用して入院数が減少している。

 

あまりにも微少な塞栓症の兆候だったので、私のような専門家でさえ分かりにくかった。

 

今まで、高熱が続いた患者は、炎症が続いて過剰な免疫反応で血栓症が起こるが、適切な治療を受けていなかったのだ。本来なら低価格の薬で早い段階で治すことができるはずだ」

 

という内容で、医学的な詳細も書かれており、「内容的には納得できる」という感想を持った医師もいました。

 

しかし、このチェーンメール(というかチェーンメッセージ?)が回ったあとすぐに、イタリアで有名ウィルス専門家としてメディアに毎日出ているブリオーニ氏がフェイクニュースと断定。

同時に、いろんな人がこのメッセージの発信者とされるジャンニーニ医師に連絡をとろうとしましたが、そんな医師は存在していなかったのです。

また、このメッセージの内容はネット上でも複数バージョンあり、どれがオリジナルか分からなかったので、ファクトチェックのサイトでもフェイクニュースとされました。

すぐに最初にツイッターで流れてきたリンク先の記事も消されました。

(ここで、私は某院長に「フェイクニュースですよ」とツイートしたのです。)

 

さて、1週間たって昨日、私の元に「発信者の医師が判明したようです。これでもフェイクですか?」というツイートが。

ググってみると、確かに今度は新しい登場人物であるジャンパオロ・パルマ氏という医師が、同じ内容を自身の名前で公表しています。

そしてこのニュースサイトは「彼と電話で連絡が取れた」とのことでインタビューをしているのです。

(記事の後半に短いインタビューが載っています

 https://www.persemprenapoli.it/notizie/napoli/ultim/giampaolo-palma-ecco-perche-si-muore-di-covid-19/ )

 

パルマ医師は

「中国での解剖数が少なかったのは問題だった。」

「このプロトコルはすでに色々な病院で実施されている。奇跡の薬という訳ではない。でも、ワクチンができるまで有効な治療法としてみることができるだろう」

と、答えています。

 

やはり偽名を使ったのでニュースとしてはフェイク扱いされたが、その内容は事実である可能性が高まってきました。ということは、ここで、いきなり治療法が大躍進なのでしょうか?

 

 

ドキドキしながら、知人の日本人医師の意見を聞いてみました。

「ふむ。重症の感染症や外傷の時、播種性血管内凝固という病態が認識される。」

は!?

「播種性血管内凝固の場合、そこで凝固因子がうんぬんかんぬん・・・」

?

パルマ氏のイタリア語メッセージよりも、もっと何も分からないよ!?

「コロナの場合は急激に起こるサイトカインストームで、まず肺の血流を維持する為に抗凝固薬を先行使用するのは賛成だね。とっぴな意見では全然ないよ。」

 

ええと、少なくとも一人の日本人医師にとって、このパルマ医師の言うことが「突飛な意見」ではないことが分かりました(笑)

 

すでにこの方向での治療がイタリア各地で始まっているとのことで、続報が待たれます。

 

それにしても、なぜ偽名でチェーンメッセージのような発表の仕方をしたのでしょうか?

あまりにも今までの方針と違って、全世界的に「今までの私たちはなんだったんだ!?」と思わせるほどの方向転換だと言うことなのか?

いかに揉み消されずに広めるか、を考えたのだろうか・・・、など、色々考えてしまいつつ。

 

他の記事からパルマ氏の写真を拝借いたしました。

https://www.mn24.it/coronavirus-nocera-inferiore-il-cardiologo-giampaolo-palma-il-clexane-puo-curare-la-malattia-nelle-prime-fasi/

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ジャンパオロ・パルマ医師

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