Sun は Oracle に買収されますが
OpenSolaris.orgで進められている数々のプロジェクトは、ぜひ継続して欲しいものです。
"Sun" を偲びつつ。
Hadoop Live CD
仮想サーバー(Solaris Zone)を立ち上げて3ノードのHadoopクラスタを構築する Live CD。もちろんOSはOpenSolaris。
Hadoopを使ったアプリケーションの開発を始めるのにちょうど良さそうです。
Live CD と言えば、知る人ぞ知るBusyboxと同等のものをOpenSolarisでも実装しようというプロジェクトがあるようです:
Open High Availability Cluster
Linuxで言うところのRedHat Cluster Suiteと対応するものでしょうか。種々のHAクラスタを構築するための共通基盤が提供されるようです。
HAクラスタの関連プロジェクトは様々ありますが、プロジェクトページの最下部にはDesignというリンクがあり、その設計について資料が公開されています。
HA OpenSolaris xVM
Failover a xVM guest domain between Open HA Cluster nodes.
HAクラスタと仮想化を組み合わせた技術は、資料を読むだけでも何やらおもしろそうです ^^;
仮想化関連ではOpenSolarisでXenを使えるようにしよう(Dom0・DomU両方)というプロジェクトがあります:OpenSolaris Community: Xen
この Solaris + Xen にGUIの管理ツールが付けたパッケージが、xVM Serverとして公開されています:
open xVM = xVM Server + xVM VirtualBox + α?
HA OpenSolaris Container
Solarisで仮想化と言えば Solaris Zone (+Container)?
完全仮想化(や準仮想化)と比べると、単一のカーネルの内部を区切って複数の環境を作り出す構造なので圧倒的にオーバーヘッドが小さくなります。
合わせて読みたい:
- BSDのjail
- Linux-VServer
- OpenVZ
Storage Projects
IPネットワークとストレージネットワーク(SAN)を統合しよう!という流れがあるようです。このあたりのプロジェクトはかなり核心を突いているように思えます:
iSERはiSCSIのデータの転送をRDMA(=Remote Direct Memory Access) を使ってCPUを介さずに行うことで高速・低遅延化し、CPUの負荷も軽減しようというものです。
RDMAはハードウェアとOSの両面でサポートが必要なため、普及にはまだまだ時間がかかりそうです。RDMAに対応したNIC(RNIC)は今のところ非常に高価ですが、iSCSI Offload Engineの普及につられて将来的には安価になっていくと思います。
ソフトウェアの面から見るとCOMSTARはとても先進的だと思います。
カーネルの中でSoket APIを使えるようにしよう!などというプロジェクトもあり、カーネルの開発はまだまだ活発な様子:Kernel Sockets
RDMAをNFSで:NFS RDMA transport:既に使えます:RDMA経由のNFS
HPC Stack
OpenSolarisで高性能計算を行うためのソフトウェアスタック。
大規模なWebサービスは着々とHPCに近づきつつあります。Web由来の技術がHPCに転用されるか、HPC由来の技術がWebに転用されるか。どちらも有り得ると思います。
高速な分散ファイルシステムのLustreは(いつの間にか)Sunから公開されています。
QFSは、Fibre ChannelやiSCSIで接続された単一のディスクアレイを複数のホストで同時にマウントするために利用されるようです。Oracle(!!)のOCFSや、RedHatのGFSと類似した技術だと思われます。
Celeste
Sun Labs による分散ストレージ。
NFS風味のHTTPで読み書きできる実装がオープンソース(GPLv2など)で公開されています:http://src.opensolaris.org/source/xref/celeste/trunk/src/
hg clone ssh://[email protected]/hg/celeste/trunk celeste
その他ファイルシステム関連:
OpenGrok
OpenSolarisのソースコードブラウザでも使われている、Webブラウザから使えるソースコードブラウザ・ソースコード検索エンジン。
たとえばvrrpdのソースコードを見てみると関数定義へのジャンプや全文検索(Lucene)ができ、さらに検索にはもしかして(Did you mean)機能も付いています。キレイにカラーリングもされて(JFlex)イイ感じです。
- The Story of OpenGrok - the Wicked Fast Source Browser
- 最初は OpenSolaris のソースコードブラウザには LXR (The Linux Cross Reference) を使っていたそうです。
- OpenGrok Internals
- ELF Analyzer.
- Supported Revision Control Systems
- 知らないVCSが…
続けて読みたい
知らない Sun がどれだけあったでしょうか。
こちらから探せばPDF形式でまとめられた資料がたくさん見つかり、技術的に見ると非常に面白い内容が数多く含まれています。さらに大量のソースコードが公開されています。