【Excel】行を削除するたびに名簿の連番を振り直すのは面倒！エクセルで行を追加・削除すると自動更新される連番を作るテク

ROW関数を使って連番を入力する

　先ほどと同じ「受講者名簿」（前述の手順で行を削除する前の名簿）の例を使って、考えてみましょう。［No］欄（①）は空白にしておきます。

　今回の例で、行を追加したり削除したりしても崩れない連番を作成するには、ROW関数を使います。ROW関数は行番号を返す関数で、「=ROW(セル参照)」と記述すると、引数で指定したセルの行番号を求めることができ、「=ROW()」と引数を指定せずに記述すると、この数式が入力されたセルの行番号を求めることができます。

　では、実際に入力してみましょう。セルA3に「=ROW()」（②）と入力して［Enter］キーを押します。

　数式が確定され、「3」（③）と表示されます。行番号が「3」なので、「3」と表示されるのは正しいのですが、これは求めている結果ではありませんよね。

　そこで少し工夫が必要です。［No］欄の先頭であるセルA3には、「3」ではなく「1」と表示させたいので、「3-2」という計算を行います。ROW関数を使って記述すると「=ROW()-2」という式になります。

　では、入力し直してみましょう。セルA3に「=ROW()-2」（④）と入力して［Enter］キーを押します。

　今度は、セルA3に「1」（⑤）と表示されましたね。

　オートフィルを使って、セルA3に入力した数式を他のセルにもコピー（⑥）します。

　［No］欄のすべてのセルに、ROW関数を使用して連番を入力できました（⑦）。

　これで連番の作成は完了です。次の項では、本当に行の追加や削除を行っても連番が崩れないかどうか試してみましょう。

行の追加や削除をしてみる

　では、先ほどと同じように6行目の「中村ゆりか」さんのデータ（①）を削除してみましょう。6行目の行見出しをクリックして行全体を選択し、［ホーム］タブ（②）→［セルの削除］（③）をクリックします。

　「中村ゆりか」さんのデータが削除されます。［No］欄を確認してみましょう。連番が自動的に振り直されていますね（④）！

　［No］欄のすべてのセルに「ROW()-2」という数式を入力することで、常に「行番号から2を引いた数が連番として入力される」という仕組みになったわけです。これなら、いちいち［No］欄をメンテナンスする必要はありませんね。

　行を削除しても連番が崩れないことを確認できたので、次は、新しく行を追加してみましょう。11行目の「阿久津俊二」さん（⑤）の上に新しい行を追加してみます。11行目の行見出しをクリックして行全体を選択し、［ホーム］タブ（⑥）→［セルの挿入］（⑦）をクリックします。

　すると新しい行が追加され、「阿久津俊二」さん以降のデータの［No］欄（⑧）は、1つずつカウントアップされた値が自動的に表示されます。

　新しく挿入されたデータの［No］欄（セルA11）にも、「ROW()-2」（⑨）と入力すると、連番が正しく振られます（⑩）。

　行の追加や削除を行っても、連番が崩れないことがわかりましたね。

ROW関数で、メンテナンス不要の連番を作る

　今回は、行を追加したり削除したりしても崩れない連番の作成方法について解説しました。

　ROW関数は、さまざまな形式で連番を振りたい場合でも応用できるので便利です。例えば今回の「受講者名簿」の例で、「1001, 1002, 1003, …」という形式で連番を振りたい場合は、「=1000+ROW()-2」と入力するとできます。

　「関数はちょっと苦手だな…」と敬遠せずに、ぜひトライしてみてくださいね！