開演前の空気が好き

舞台中心の感想置き場です。→現在アイナナに激ハマり中です

MEZZO" 『雨』歌詞考察未満感想 ─「雨」を降らせることしかできないその理由を教えてくれ

かなり前にリクエストいただいていた(ありがとうございます!)のですがこの度無事アニナナ1期を履修しましたので満を持して感想を書こうと思います!

投稿前に追記:だいぶ遅くなってしまって申し訳ありません……!

それにしてもアニメ初見の衝撃凄かったです…………特殊ED……書き下ろしイラスト……(ぐるぐる目)
今2期までは見たのですがめっぞやばすぎてひいひい言いながら見ました 3期観るのがこわいです

 

全体を聞いてのざっくりとした感想としては、メロディの数がかなり多かったり、一度しか登場しないメロディーが3種(A・C・F)あったりと音楽的に結構複雑な構成になっているところに、「僕」の恋心の複雑さも表現されているような気がしました
(今回はメロディが多くてわかりづらくなりそうなのでサビや大サビもナンバリングしてみてます)

 

 

1番Aメロ

急に暗い雲が空を覆ってく

天気予報なんてアテにならない

予想なんて出来ないものがある

それは それは 恋の雨

この歌の内容を簡潔に抽象的に説明しているイントロなしの歌い出し
急に「急に」で始まるから本当に急だな……と毎回思ってます笑

恋する気持ちって明るくてきらきらしたものばかりではなく、憂いを含んだものでもある……というのが(『Miss you...』から引き続き)表現されている曲ですね

中でも2単語めに「暗い雲」というワードが出てくるのがかなり印象的で、一気に曲の世界観に引き込まれる感じがします
例えばですが仮にこれが「黒い雲」だとしたらニュアンスが邪悪めな方に寄ってしまう気がするな……と思い、一音違うだけでニュアンスが大きく変わってくるの面白いなと思いました

 

間奏

rain of love...

rain of love...

(直訳:恋の雨…ですね)

 

1番Bメロ

降り出した雨 乾ききってる

心 潤していくよ

突然過ぎた恋のシャワーに為すすべもない

ここで 「雨」=「恋のシャワー」となっているため、
この歌では溢れる恋心・相手を好きだと思う気持ちを「雨」として表現しているとします

Aメロでも述べられていますがこの「雨」は突然降り出すものであると、つまり恋心はコントロール可能なものではないこと、主体である自分までも振り回されてしまうということが示唆されています

 

1番Cメロ

何故 あの日あの時あのベンチで

巡り会えたかなんて

運命以外 表す言葉

僕の中にありはしないよ

出会いの回想シーン

「ベンチ」ということは公園など?
一般にベンチが設置してあるのは屋外のことが多いので、つまり出会った瞬間も空が見える状況だった(=「急に暗い雲が空を覆ってく」という心象風景が再現可能)ということなのかなと思いました
(しかし個人的に、ベンチで出会うシチュがあまり思い浮かばない……どういう状況をイメージしてるんだろうと思いつつも、三文字にそれなりに意味が通るワードを当てた可能性もあるなとも)

また出会い自体も突然だったということが窺えます

あと歌詞はあまり関係ないんですが「あの日 あの時 あのベンチで めぐりあえたかなんて」のあが全部アタック強めな壮五くんの歌い方いいな〜と聴くたびに思います

 

1番Dメロ

Ah こんなにも近くにいても

遠く感じてしまうから

無謀なんて知ってる 頭では分かってる

でも止められない (Can't stop falling love)

 「こんなに近くにいても遠く感じてしまう」
=『Miss you...』の「手を伸ばしてそっと涙拭いたけれど地球の裏側にいるくらいキミが遠い」
ですね……

冒頭でも2曲の世界観の共通点について述べましたが、この”物理的には近いのに心の距離は遠い”という部分も共通していますね
(というかこのあとも出てきますがテーマほぼほぼ同じといっていいくらい共通してますよね)

「無謀」「でも止められない(=つまり本当は止めなければならないものである)」という言葉から、いわゆる”許されない恋””禁断の恋”と呼ばれるような状況が想起されます(これも『Miss you...』と共通していますが、『Miss you...』では明確に恋敵としての「誰か」がいるのに対して、『雨』では明言されておらず、どう言った理由で“許されない”のかはぼかされています ここが唯一の明確な違い)

 

1番サビ(Eメロ)

この土砂降りの雨に傘なんて

余計に恋に溺れてくから

ここですよね!! 最初に聞いたとき、えっ待ってすごいこと言ってない??とびっくりしたのがこのフレーズでした 傘があると余計に恋に溺れてくの!?と

解釈は人それぞれかなとは思いますが、雨が降っている状況で傘がある→差す→濡れている相手を無視できない→差し掛ける、と距離が近くなるから……ってこと??

相手に傘を差し出してそのまま去っていくにしても、傘の中に入れてあげるにしても、傘によってふたりに接点ができるということに着目している?

考えてみれば、相傘って恋人ではない関係で起こりうる状況としては一番と言っていいくらい距離近いですよね……(何かを思い出しながら)

 

一秒だって構わないって 君に会いたくて

全て捨てて駆け出すよ

サビ前半と後半のつながりを文字通りにとらえようとするとはて?という感じになるのですが……

前半は、“もし傘があるなら「余計に恋に溺れて」しまう「から」、(ないほうがいい)”という推論ではなく、
「傘」があることは確定した上で、「恋に溺れ」てしまった「から」「すべて捨てて駆け出す」ってことでしょうかね……?
つまり後半は前半の結果の行動?

かつ、「傘」は何かの比喩であると推測できます
既出かな〜と思って冒頭から歌詞を読み直してみましたが今のところぴんとくるものはなく……
「雨」を降り始めさせたきっかけが「巡り会えた」「運命」なので、「雨」をより強くしたできごと(=「傘」)も何かあったというふうにも捉えられるかと この歌詞内では述べられていませんが……

というかこの歌詞全体通して暗喩!暗喩!暗喩!という感じなのでいろいろな解釈が可能で楽しいですね!

 

ということで前置きが長くなりましたが、「一秒だって構わない」、それでも「君に会いた」い、という歌詞からもこの恋に対する「僕」の期待値がものすごく低いことがわかります(一秒しか会えないかもと思っているということなので)

この歌全体を通してずっと「雨」が降っているわけですが、その想いが通じるとは「僕」はあまり考えていないようです(後述)

 

あと歌詞あまり関係ないですが、実際全て捨てて家を出てきた男の歌う「全て捨てて駆け出すよ」の重みすごくて好きです
話ずれますがMEZZO"のふたりが全て捨ててきた壮五くんと全て奪われてきた環くんなの対比がすごい

 

もう二度と太陽の光さえ

浴びなくていいと思えるほど

強がりだって分かってたって降り続いてる

雨は止むことを忘れてしまったかのようで

「太陽の光さえ浴びなくていい」=恋心に囚われたままで構わないということ
(既出のワードで言い換えると”「暗い雲」がかかり、「雨」が「降り」続いているままでいい”となるので)

でも後半を見てみると、これを本人は「強がりだ」と分かっているらしい
「強がり」というのは、前述の“恋心に囚われたままでいい”という思いが本心ではなく、本当はその逆のことを願っているということで、
ということはこの恋が成就すること、
つまり「君」に「僕」を愛してほしいと願っていることになりませんか……!

ここまで「君」が好きで好きで仕方ないけど「僕」の想いは叶わないんだろうな、という歌詞でずっと来てるのですが、ここで初めて愛してほしいという“欲”が出てくるのが……いい……!!

ただそれでも「僕」は自分の思いは叶わないだろうと思っていて、ならいっそ早く諦めた方がいいのかもと思っていても、「僕」には「雨」を降らせ続ける以外どうしようもないんですよね……

 

2番Bメロ

心地良ささえ 感じ始めた

1番ではコントロール不可能な自分の恋心に戸惑いばかり覚えていた様子だったが、2番では少し時間が経ち、恋心にも慣れてきた?
→これは初恋……? 初めてだからコントロールできなかった?
(“こんなに好きになったのは初めて”パターンもあるかと思いますので確定はできませんが)

 

雨音に耳を寄せて

「雨音」とは、この歌詞では恋心を「雨」と表現していることから考えると、自分の心の声に耳を傾け始めたということ?

 

君の街にも降っていること 願う夕立

前述したとおり”物理的には近いのに心の距離は遠い”というのが今回もテーマというか状況としてあると考えると、
「街」=”心”の比喩で、街と街もしくは街(地上)と雲(空)との距離を心の距離に喩えたうえで、”自分の恋する気持ちが「雨」によって君の心に伝わっていたらいいのに”と願っている、ということ?

1番では「雨」は完全に「僕」の心の中でだけで完結していましたが、この2番Bメロで初めて、外部に干渉する可能性が示唆されています
「降っていること」を「願う」とのことなので、1番での恋心の比喩としての「雨」が言葉などわかりやすい伝わりやすいものではないというのは確か
つまり恋心が態度に出てしまっていることを「僕」は自覚している?

1番サビで「強がりだって分かって」る、という言葉が出てきますが、成就しなくてもいいと思おうとしていたのを本心ではないと認めたことで、「君」にこの想いを伝えたいという気持ちが2番でより濃く出てきたのかなと思いました

それでも「雨」を降らせることしかできない=言葉にして伝えることはできないというのは、1番Dメロの感想で述べた いわゆる”許されない恋””禁断の恋”と呼ばれるような状況 が大きく影響していると思われますが、この理由は歌詞にはやっぱり書かれていないんですよね……

 

また、「夕立」が個人的に気になります……!
「夕立」とは

夏の午後に降る激しいにわか雨。雷を伴うことが多い。

デジタル大辞泉より

雷……!
夕立はにわか雨、つまりすぐやむ雨なので、この点では“雨が降り止まない”というこの歌詞全体の世界観とはそこまで合致しません
つまり、そうまでしても雷要素を入れたかったのかな〜〜〜……?と思いました

ちなみに夕立のことは“白雨”とも言うらしいです 白……

 

2番Dメロ

Ah 独り占めしたい思いが

雨を降らせてしまうなら

悪いことと知ってる 罰を受けることさえ

覚悟してる (Love you forever)

 2番Bメロの「雨音に耳を寄せ」た結果わかったことが2番Cパートで述べられてる?

「独り占めしたい思い」だけなら、まあ恋ってそういうものだよね〜と思うところですが
それが「悪いこと」でありそれにより「罰を受ける」とまで言っていてちょっと雲行きがあやしいな……?と

そこから考えると、「独り占めしたい思い」というのはおそらく、恋人関係になりたいとか自分だけを好きでいてほしいといった感情以上の、自分以外のものが視界に入ることさえ許せないだとか、相手が他者に抱く感情のすべてを自分が受け止めたいだとか、そういった薄暗い、後ろめたさを覚えてしまうほどの独占欲なのかな……
だから歌い始めが「暗い雲」だったのかな……と思いました

そしてなんで「独り占めしたい思いが雨を降らせる」のかと考えると、雨が降れば傘の中でふたりきりになれるから……?

つまり1番サビで傘を差し掛けて去るのか、相傘するのか、と言っていた件はここに辻褄を合わせようとすると相傘の方になるのかな……?と思いました

そして「覚悟してる」からのLove you foreverの重さがすごい

 

2番サビ(Eメロ)

雲に溜まる粒に思い馳せて

無数に降り雨に代わるから

思い馳せて の「て」が命令(依頼)なのか順接なのか気になりました
順当?に自分視点の順接かなと思った(思いを馳せる→雨に代わる)けど、それなら「思い馳せた」でもいいところをあえて「て」にしているということはそうではない意味が込められている?
この「て」が「君」に対しての命令(依頼)だとすると、「雲」や「雨」に気付いてもっとよく見てほしい、ってこと……?
(あんまりここ考えても意味ないような気はしますが)

ここの「代わる」が「変わる」ではなく「代わる」なのが、雨が恋心を代弁しているという意味合いをより強めているように思いました
(本来の意味合いとしては雲粒→雨粒の状態の変化、つまり「変わる」のはずなので)

 

愛してるって 伝えてもっと

君の手に触れて 乾くたびに強くなる

伝えてもっとの「て」はたぶん命令(依頼)……? 「雨」に「伝えて」と願っている?
君の手に触れての「て」はたぶん順接

「乾くたびに強くなる」というのがこの歌詞の中で結構異質な気がして
というのも基本的にタイトルがもう「雨」だし、「潤して」とか「溺れて」とか全体的に湿度の高いワードばかりが使われているのだけどこの「乾く」だけがちょっと違いますね(大サビでもう一回出てくる)

「乾く」(→雨粒が消える→恋心が消える)「たびに強くなる」
=あきらめようとするけどそのたびに思いは強くなる……ってこと……?

 

いたずらに加速する勢いは

もう僕にも止められないけど

せめて君が眠る頃は

優しくなって 夢の中までも包んで

やはり「止められない」
「けど」!
「君」の眠りを妨げたくはない(=迷惑かけたくない)のですね!
とここまではこれまでの歌詞の流れ通りなのですが

その次の「夢の中までも包んで」…………
迷惑はかけたくない、けど、一方的な想いだったとしてもそれで「君」を包み込んでしまいたいんだ……とニッコリしてしまいました 独占欲!! いいですね!!!!

あと内容関係ありませんがここの「頃」の読み方が「ごろ」で濁点ついてるのなんか意外?新鮮?でした 「ころ」かなと思ってたので(めちゃくちゃ意味ない深読みするとすればこの濁点゛ってMEZZO"の”なのではとか考えられそうだなと思いました)

 

3番大サビ(Fメロ)

気の済むまで 降った雨はやがて乾いて

この胸の熱を上げてはまた降り出す

街中に

また「乾いて」
そして「この胸の熱を上げてまた降り出す」

2番サビでの「乾いた」と同じように”あきらめようとするけどそのたびに思いは強くなる”ということなのかな〜と改めて思いました

 

3番サビ (ラスサビ、3番Eメロ)

この土砂降りの雨に傘なんて

余計に恋に溺れてくから

一秒だって構わないって 君に会いたくて

全て捨てて駆け出すよ

もう二度と太陽の光さえ

浴びなくていいと思えるほど

強がりだって分かってたって降り続いてる

雨は止むことを忘れてしまったかのようで

ラスサビは1番サビとまったく同じ歌詞ですね

例えば以前歌詞の感想を書いた「フォトフレーム」では、ラスサビで初めて「僕」が「僕ら」と複数形になっていることが楽曲を通しての「僕」たちの変化を示唆していましたが、この「雨」はそれとは逆で、何も変わらない、変われないということを表しているのかなと思いました

つまり雨を降り止ませる=自分の恋心を消すことも、自分の状況を変えることもできないということなのかなと…………

そこまでして雨を降らせることしかできない、つまり相手に言葉で想いを伝えられない理由が一体なんなのかほんとに気になる……

 

以上です!

今回もまただいぶ長くなりましたし結構とりとめのない話になってしまいましたが何か1点でも面白がっていただける部分があったら幸いです……!

最後まで読んでくださりありがとうございました〜!

 

 

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