Googleマップのレビューなんてアテにならない。特に自分のは。

 某日。
 
「ただいま! ダーリンダーリン、帰りにコンビニでおいしそうなお惣菜売ってたから買ってきたよ! 夕ご飯が一品増えるにゃ!」
「あっ……それ……」

 それ前に食べたことある。
 不味くはなかったけど、「まあこんなもんか」って感じだったやつ。
 
 ぱくり。

 何これ超うまい。
 
「おいしいね!」
「お……おいしい……ね?」

(おかしい……)
 
 別なある日。
 
「このお店おいしいね!」
「ほんとだね! ピザはチーズもソースも具材もおいしいし!
 お手頃価格でこんなにおいしいお店が近くにあったなんてすごいね!」

 
 後日。
 

「今日は奥様ちゃんがお出かけなので一人で来たのだ。ピザを独り占めするのだ」
 

「……あれ? 不味くはないけど……こんなもんだったか? ピザもやたら耳が多いし……」
 
「……と、このようなことが何度かあって気づいたのですが、つまり『奥様ちゃんと一緒に食べると何でもおいしく感じる』!」
「へー。あ、このお店、回鍋肉がおいしいからオススメだよ」
「つまり奥様ちゃんから何かが出ている!」
「え、そういう話?」

 
「奥様ちゃんのパッシブスキル『全てをおいしくする魔法』の効果範囲にいる間、食味の改善、満足感、多幸感などの影響が……」

「あっ、でも私もダーリンと一緒だと似た感じのあるよ」
「そうなの!?」
 
 *回想シーン*
 
「季節限定ケーキ、おいしそうだにゃー」
「おいしそうだにゃー。ダーリンのも一口ちょうだい?」
「いいよ。……奥様ちゃんのはくれなくていいよ」
「ダーリン、レアチーズケーキ苦手だもんね」

 
「あーっ、ダーリンのケーキおいしい!」
「うん、おいしい」

「私のはちょっと思ってたのと違った! 私もそれにすれば良かった!」
「交換してあげたいとこだけど、あからさまに私の苦手なやつだからなあ……」
「うにゃーっ!」
  
 数日後。
 

「はい奥様ちゃん、この前のケーキ、今日覗いたらまだ売ってたから買ってきたよ」
「ほんとに!? ありがとう!」
 

「……あれ、でも、この前ダーリンに分けてもらった時の方がおいしかった……」
 
*回想終了*
 

「……というわけで、私の場合、ダーリンから山賊したものの方がおいしいのにゃ」
「なんだその黒魔法スキル……」
 
 我が家では、相手の食事を取って食べることを「山賊行為」と呼んでいます。
 この記事が由来。
labaq.com
 バイキング(海賊)に対してバンディッド(山賊)。
 
「というわけで、ダーリンの回鍋肉ちょっとちょうだい」
「でもこれ、奥様ちゃんのと同じ鍋で同時に作った、完全に同じ回鍋肉だと思いますけど」

「いいから」
 
「おいしーっ!」

 
 ……さて。
「みんなでたべるとおいしいね」
 みたいな表現は、それこそ小学生の頃から見聞きしてきました。
 
 ただ、私は、
「みんなで食べると『楽しい』ならわかるけど、他人がいるかどうかで味覚が変わるとかなくない?」
 とずっと思ってきたのです。
 
 だって、他人が一緒にいたって、目が良くなったり耳が良くなったりしないじゃないですか。
 味覚だって同じですよね?
 
 しかしどうやらそうではないのだ、本当においしく感じるのだ……ということに、なんと私は四十代も半ばを過ぎてようやく気づいたのでした。
 
 ……そして、そう考えると、それは食べ物だけなのか? とも思います。
 
 私が見るもの、経験するもの全てに、妻の「魔法」がかかっているのではないか?
 妻がいてくれるだけで、この人生全てが、数段よいものに感じられているのでは……?
(正直、「素晴らしい」というより、生きづらさを感じることの多い人生ではあるのですけど、それでも)
 
 彼女が末永く健康でいてくれることを願ってやみません。
 
 ところで後日。
 

「私が一緒だとピザおいしい?」
「……このピザ、耳もおいしい……」
 
「してみると、メイド喫茶の『おいしくなる魔法』も、実はちゃんと効果があるのかも知れない……」
「『ぼっち・ざ・ろっく!』で見た! 同じ冷凍オムライスなのに、喜多ちゃんが『おいしくなーれ♥』ってやるとおいしくなるんだよね!」

お餅つきの季節。

 ある日のこと。
 校庭で、2人の子どもが両手をつないでぐるぐる回って遊んでいました。

 ぐるんぐるん。
 
 そのうちバランスを崩して、2人とも後ろにひっくり返ってしまいます。
 
 すると片方の子が、にこにこしながら
「おしりもちついちゃった!」

 
 そうですね、「尻」なんて言ったらはしたないですからね。

デレステが9周年を迎えてうれしい!

 デレステ……正式名称「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」。
 それが先頃9周年を迎えました。
 
 良かった……。
 これで8周年ではなくなった……。
 

何が好きかで自分を語れよ。

 プロd…プレイヤーでない方のためにご説明します。
 
 デレステは、ゲーム部分は「太鼓の達人」みたいなリズムゲームです。
 違うのは、楽曲が基本的に全てゲームオリジナルの楽曲であることと、プレイ画面は「アイドルのライブ」という設定なので、背景がその楽曲に合わせたダンス等の映像になることです。
「ライブ」に登場するメンバーは、プレイヤーが5名選択してユニットを編成します。
 編成したアイドルにはそれぞれにスキル等があり、リズムゲームの得点にボーナスが得られたり、ミスした際のダメージを防いだりしてくれます。
 
 ライブ時の衣装は基本的にはこれ。「スターリースカイブライト」という名前です。*1
 需要があるか知らんけどクリックすると大きな画像が開きます。

 ……属性と身長(設定上、左から182cm、159cm、137cm)のバリエーションを考えてこの3人を選んだんですけど……。
 撮り方が下手なのでなんか右の雪美さんがやたらでかく見える……。
 担当プロデューサーさんたち許して。(背景のドアとの比較で身長差を感じてほしい)
 
 ともあれ、腰に時計がついているのは、ゲームのモチーフがシンデレラだから。
 リボンやティアラの宝石の色が、ゲーム内のパッション・キュート・クールの属性で変わります。
 
 まあ悪い衣装ではないんですけど、もっと違う衣装が欲しい……という人のために、アイドルそれぞれに固有の衣装がたくさん用意されています。
 しかしそれは「SSR衣装」というやつで、ガシャを引いて当てないといけません(課金要素)。*2
 
 しかし、新衣装を手に入れる方法はガシャだけではありません。
 デレステでは、「○周年」とか「新年カウントダウン」とかを記念して、大きめのゲーム内イベントがあります。*3
 その際、記念の新曲や新衣装が実装されるのです。
 
 デレステにはほぼ190人のアイドルがいますが、その全員が着られる共通衣装が追加されるんですよ。タダで。
(もちろん基本デザインはみんな同じだけど、体型や髪型に合わせてモデルを調整するのは相応の手間がかかっているはず)
 
 ちなみに、この「○周年」記念イベントのキービジュアルが、その年のゲームのタイトル画面にもなります。
 
 例えば、この9周年の記念衣装「リフレイン・ファンタジア」はこんな感じ。

 
 で、この衣装、上にある、なんか袖やスカートが半分破れたみたいな「灰被り」モードと……

 こちらの、白く継ぎのあたった「再生」モードの2種類があります。
 
 これは、この時のゲーム内イベント「Fantasia for the Girls」のストーリーとも関わってて、あの話には語りたいこと山ほどあるんですけどそれはまたの機会に。
(ざっくり言うと、剣と魔法のファンタジー……のように見えて、「サービス終了の危機」を強く暗示する内容だった)
 
 さて、そんなデレステ共通衣装の数々を、私の好きな順に4つくらいご紹介したいと思います。
 

1位:シンデレラ・コレクション(10周年記念衣装)

「先日9周年を迎えたのになんで10周年なの?」
 という話をすると長くなるので……。
 ゲームのタイトルが長いのと同じ理由なんです……。
 

 これも、色つきジャケットを羽織った「カラー」と……
 

 白いジャケットの「ブライト」の2パターンがあります。
 
「ああなるほど、これも属性によって3色あるのね」
 と思われたかも知れません。
 
 違うんですよ。
 
 この衣装は、190人全員、色と柄が違うんです。
 例えば右の雪美さんのジャケット、よく見るとなんだか斜めにステッチみたいな柄がありますけど、これはこのSSR衣装のスカートとおそろい。

https://imas.gamedbs.jp/cg/idol/detail/104?h=imcgss-c1030
 
 左の諸星きらりさんも、黄色くてスパンコールっぽいジャケット、ジャケット襟の飾りボタン(マカロン)、ピンクの裾、どれもみんな過去の衣装、エピソードに元ネタがあります。*4
 もちろん、中央の島村卯月さんの衣装も……。
 
 これらの一部を紹介、解説したブログ記事がありました。
production910.hatenablog.com
「藤井『朋』だから背中に2つの月が!」
 とか、そんなの熱い担当でなきゃわからん……。
 
 こういうこだわりの衣装が190人全員に作られたんですよ……。
 
「一番好きな衣装」
 は好みだから人によると思いますけど、
「デレステで一番制作者の手が掛かってる衣装」
 は間違いなくこれだと思います。頭おかしい。
 
 この時のタイトル画面はこんなの。カッコいい。

https://ameblo.jp/nanagi-drst/entry-12721151360.html
 
「階段を上っていく彼女たちを見上げる」って構図は、その後のアニメ「U149」の予告もそうでした。応援したくなる。
TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」ティザーサイトをOPEN!2023年放送予定! | 株式会社バンダイナムコエンターテインメントのプレスリリース

 

2位:ネクスト・フロンティア(3周年記念衣装)

 1位が長くなりすぎたのでサクサク行きたい。

 カッコいい。
 
 モノトーンが基調なのは「リフレイン・ファンタジア」に似てますけど、何しろこの時の記念曲「ガールズ・イン・ザ・フロンティア」がとても良かったのでその思い出補正が……。
 
「お気に入りだったフェアリーテイル、なぞるように生きてきたけれど」
「舞踏会より煌めく場所」
「バックパックに希望つめて、自分の足で歩け シンデレラ!」
「守るべきは過去じゃない、ずっとStay at the frontier!」
 
 うはーカッコいい……。
 
「シンデレラガールズ」を冠したゲームでこれをやるのロック過ぎだろ……。
……という話は過去にも書いたのでこの辺で。
 
 この時のタイトル画面。

【デレステ】ガールズ・イン・ザ・フロンティアの歌詞がわたしに勇気を与えてくれる | せつPのブログ
 

3位:「メイク・マイ・トレンド」(7周年記念衣装)


 この衣装はデザインが固定ではなく、3種類×2色のトップス、同じく3種類×2色のボトムス、リボンとベレー帽の2種のヘッドアクセから自由に選んでコーディネートできる……というものです。
 計72通りの組み合わせができるという、衣装というよりもはや「機能」みたいな。
 
 ……ただその、そういうの好きな人には最高なんでしょうけど、私は自分の服飾センスに全く自信がないので……。
(そういう人のために、各アイドル向けの「おすすめのコーディネイト」が設定されてもいる)
 
 しかしこれも記念曲「MOTTO!」が最高だった。
 
 最初は
「新しいコスメティック、ずっと憧れていたブティック」
「Gimme Gimme More! あれもこれも欲しいものばかりだもん。今よりMore、まだMOTTO!」
 ……という、何やら消費主義万歳みたいな歌かと思いきや、中盤になると、
「心から欲しいのは、最高の自分でしょう?」
「おしゃれをして、胸張って、踏み出せばほら、未来はそう動き出していく、飛び出せ!」
 という、自己肯定の応援歌につながり。
 最後の
「今よりMore、まだMOTTO! 叶えよう夢やMotto!」
 で、ああそうか、「MOTTO」は日本語の「もっと」であるとともに“motto”(モットー)でもあったんだ……というタイトル回収。
 私はどんくさいのでそれに気づくまでだいぶ時間がかかりましたが。
 
 そうですよ……形のあるものに限らず、あれもこれも手に入れる、アガる明日があっていいんですよ……。
 
 あと、この曲をゲームで普通にプレイすると、自分でユニットに編成した5人に加え、ランダムに4人が登場するんですが、これが誰が出てくるかでそのシーンのニュアンスがガラッと変わって楽しい。
(ランダムに登場する4人の衣装は全員「メイク・マイ・トレンド」になる)
 後半のダンスのカメラワークも軽快で、わりとこればかりプレイしていたりします。
 
 そしてタイトル画面もとても良かった。絵としてもかわいいけど動くと表情がコロコロ変わってなおさら。
www.youtube.com
 中央下、サッカー少女の結城晴さんの表情がいい。*5
 タイトル画面を選べるものならずっとこれにしたい。
 

4位:「レインボー・カラーズ」(4周年記念衣装)


 どのアイドルにもちゃんと似合って良い。
 虹色のタスキみたいなの、ゲーム内だと背景の色と星が動きます(どうやって実現するんだ……? 曲がるディスプレイ……?)
 
 ぱっと見
「スカート短っ!」
 って思ったけど、これスカートじゃなくて上着の裾で、下はホットパンツを履いてるんですね。
 
 記念曲「TRUE COLORS」も良かった。
「グラデーションに光り輝く、まだ見ぬ世界の扉開こう。
 心の奥が感じるままに、あなただけの色と、わたしらしい色で、虹の橋を架けよう」
 未来に前向きであること、一人一人の個性を肯定することは、デレステのみならずアイドルマスター全体のテーマなのかなと。
 

『デレステ』コラボ!第1弾は「Butter-Fly」と「I wish」 | NEWS | 「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」公式サイト
 

他にも色々と。

 すでに充分長いのでこのくらいにしますが、なんか宇宙服っぽいのとか

 和服っぽいのとか

 それはそれはいろんな衣装が。
 
 もちろん今から始めてもこれらの衣装はガシャを回さずに手に入れることができます。
 
 ……まあ、ユーザー数はどうしてもピークを過ぎていると思うし、私も新作(学園アイドルマスター)にも興味があるけど、でもデレステにも末永く頑張って欲しいなと思います。
 なので、少しでも魅力を知って欲しくてこんな記事を……というのも……まあ……動機の一つです。
 

で、8周年は?

 嫌いなもののことを書くので畳みます。

 
 ともあれ、9周年、おめでとうございます。
 どうか、末永く続いてくれますように。

*1:以下、この記事のゲーム画像は、断りのない限り、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」内の機能を使って撮影したものです。そうでないものは画像下にリンクを貼るか説明を書きます。

*2:SSRは決して見た目だけではなくて、ゲーム的な性能も高いです。どちらを重視するかはプレイヤーによると思います。見た目は素敵なのにスキルが使いづらくて悲しい、ということもある。

*3:イベント自体はほとんど年中無休で何かやってる。

*4:ピンクの裾の元ネタには諸説あります。

*5:脇道ですけど、先日お亡くなりになったSF作家、山本弘先生のTwitterアイコンがこの子でした。推してた……というか、結城晴を推すためにTwitterを始めたんだとか。

マンションのネットがすごく弱かった。(一応解決)

 しばらく前にマンションを買って引っ越しました。
 
 賃貸派の私が分譲マンションを購入するにあたってはたいへんな紆余曲折があったのですがそれは割愛。
(ヒント:奥さんが持ち家派)
 
 住んでみて、防音・断熱などマンション躯体の物理的な性能は今のところたいへん結構なのですが、購入前から心配だったのがインターネット回線です。
 
 というのも、件のマンション販売・管理業者の説明によると、このマンションではプロバイダを入居者が選択することはできず、管理会社の関連企業(仮に「マンションネット」とします)が運用する光回線を利用しなければならない、というのです。
(回線使用料はマンション管理費と一緒に引き落とし)
 
 ……というか、なんとこのマンションにはNTTの電話回線すら引くことができないのです。
 固定電話を利用したい入居者は、マンションネットのオプションであるIP電話を契約しなければなりません。
 
 もちろん、その場合でもNTTの契約が引き継がれるわけではなく、電話番号は「050」から始まる全く異なる番号になります。
 
「電話が引けない」と聞いて私はとても驚いたのですが、固定電話がない世帯も多い昨今、世間ではそういうマンションってよくあるんでしょうか。*1
 
 しかし、何より気になるのは回線速度です。
「光回線」と銘打ってはいますが、契約書に言う「入口1Gbps」って実際どうなの?
 
 購入前に営業の方と打ち合わせた際、その点についても確認したのですが、
「いやあ、弊社もあちこちでマンションを管理しておりますが、回線速度についてクレームをいただいたことはないですねえ」
 とのこと。
 
 それでももちろん不安は残ったのですが、奥さんが前のめりでいかんともしがたかった。
 
 その結果がこれ。

 
 以前、
「自宅回線が100Mbps以下では息が出来ない」
 なんて話もありましたが、
www.hageatama.org
 7.7Mbpsとか超・即死です。
「入口1Gbps」というのがどういう意味かよくわからんのですが、仮に1Gをマンション40戸に分配したって、10M未満にはならないのではないか。
 
 いや、常にこの数字なわけではなく、早朝とかだと稀に300Mbpsくらい出たりするのですが、土日や平日夕方はずーっと10Mbps前後。
 
 ニコニコ動画が強制エコノミーになり、それでも頻繁に読み込み待ちで再生が止まる。プレミアム会員なのに。
 言うまでもなく、スマホの4G回線の方がよほど早い。
 
 これはマジで生きていけない。
 こんな環境、賃貸で数年……いや数ヶ月住むにも耐えかねるけど、分譲マンションで終の棲家にするとか絶対ムリ。
 
 そこで、購入前に
「サポートデスクは24時間受付なので安心!」
 と説明のあった管理会社に苦情を入れることにしました。
 
 自動応答メッセージで該当の番号を選んでいくと、結局人間のオペレーターにお繋ぎされることになったのですが、
「ただいま、お電話がたいへん混み合っております~♪」
 で15分くらい待たされました。
 
 なるほど、24時間電話を受け付けるとは言ってたがすぐつながるとは言ってなかった。
 
「どのようなご用件でしょうか?」
「ネット回線がかくかくしかじか」
「お名前とマンション名、お部屋番号を承ってもよろしいですか?」
「かくかくしかじか」
「承知いたしました。お手数ですが、サイト名をご案内しますので、回線速度を計測していただいてもよろしいですか?」
「はい(このとき計測したのが上の)」
「ありがとうございました。それでは、現在ネットワーク担当の者がおりませんので、後日お掛け直しいたします。ご都合の良い時間帯を~」
 
 なるほど、24時間電話を受け付けるとは言ってたが担当者が常駐してるとは言ってなかった。
 
 ……で、後日、むこうから電話がかかってきました。
 
「もしもし、マンションネットサポートセンターでございます。
 ネットワークの不調ということで承りました。
 明日、作業の者が伺いまして、お住まいのマンションの接続機器を再起動する作業を行います。
 そうしますと、機械の方で自動的に最適な回線を選択いたしますので、改善する可能性がございます。
 その後、2・3日様子を見ていただければと思います」
 
 ……私は技術的なことは全くわからないけど、それってたぶん大した作業じゃないな?
 ネットワークが不調の時にとりあえず最初にやるやつでは?
 
 想像がつくかと思いますが、全く状況は改善されませんでした。
 
 それでも一週間ほど様子を見て、やっぱりダメそうだとわかったので再度電話。
 また15分ほど待たされ。
「ネットワーク速度を計測~担当者が後日~」
 と言われ。
 折り返してきた担当者に
「明日、お住まいのマンションの接続機器を再起動する作業を~」
 と言われ。
 そして状況が改善せず。
 
 それを繰り返して、3回目に「明日再起動する作業を~」と言われた時にさすがにどうなんだと思い、
「それもう過去に2回やっているんですが、他の方策はないのでしょうか?
 それに、これってマンション全体でこの速度なんですか?
 入居時にウチが受け取ったルータの問題とかの可能性はないんですか?(たぶんないだろうけど)」
 などと尋ねたのですが、先方はしどろもどろ。
 どうも、私と同様、技術的なことは全くわからない「担当者」らしいのです。
 
 ……じゃあなんでわざわざかけ直してくるんだ……。
 
「このような状態では、実用性のあるサービスが提供されているとは言えないと思うのですが。仮に、リモートワークとかが必要になった場合はどうするんですか?」
 と質問したものの、とにかく2・3日待ってくれの話になり。
 
 この時点で私が考えていたのは、
 
・とにかく回線速度の記録はつけておく。
・規約では「入居者はマンションネットと契約する」とされているが、実用的なサービスが提供されていない以上は解約を要求し、ネット回線についてはポケット型Wi-Fiを契約する。できればフレッツ光などを引けるよう求める。
・それがダメだというならマンション理事会に持ち込み、インターネットプロバイダの変更を提案する。
・それが現実的に困難なら裁判に訴えるしかない。
・でももっとマシな手段がないかはてな人力検索で聞いてからにする。
 
 ……というようなことでした。
 
 しかし、そうこうするうち、ある時、「マンションネットの担当者」を名乗る、しかしこれまでの物腰柔らかなオペレーターさんではなく、なんだかモゴモゴしたしゃべり方の男性から電話がありました。
「お使いの回線なんですが、これまでより速度の出る可能性のある回線が見つかりまして、そちらに変更する作業を行います。またご連絡しますので、その時、回線速度がどうなったか教えていただければと思うんですね」
 
 どういうことだよ……?
 
 その結果。

 息が! できるようになった!
 
 再び先方から連絡があった時に数字を伝え、
「ありがとうございました、ずっと改善されました」
 とお礼を言ったのですが、先方は特に喜ぶでも安心するでもなく、
「まあ……これから浸透するまで2週間ほど様子を見ていただいて……」
 というようなお話でした。(と思う)
 
 なんかよく知らんけど助かった……。
 現状に満足、というわけでもなく、どういうわけかWi-Fiが頻繁に切断される(ルータが目の前にあるのに)という現象がずっと続いているのですが、PCの有線LANは快調なので許す。
(スマホゲーやる時とかはしょっちゅう通信に失敗するのでむしろWi-Fi切った方が快適)
 
 そんなわけで、私は件のモゴモゴお兄さんがどんな魔法を使ったのかよくわからず、同様の状況にある方に技術的なアドバイスは何一つできないのですが、ただ言えることは
「諦めずにクレームを入れろ」
 だと思います。
 
 ……っていうか、選べるものなら、管理会社自前のプロバイダに強制加入させられるマンションはやめといた方がいいと思います。
 
 私もそれはわかってた……わかってたんだけどなあ……。

*1:「よくある話で驚くほどではない。世間知らず乙」って言われても嫌だけど、逆に稀にしかなくて住所が絞られても嫌だな……。

下に寝る者。

 ある日、奥さんが唐突に
「もしもダーリンがサキュバスに誘惑されるとしたらさあ……」
 と言い出しました。
 
 相当ぎょっとしたのですが、その後に
「マルシルは……」
 と続いたので、「ダンジョン飯」の話だとわかって事なきを得ました。
 
 危なかった。
 ……危なかった……。
 

 特に本文とは関係ありませんが、ロヴィス・コリント「聖アントワーヌの誘惑」。*1
 
 ちなみに、ダンジョン飯の作中に出てくるのは、正式には「サキュバス・モスキート」という昆虫の一種です。

 
 その名の元になった悪魔も(作中に登場はしないが)存在する、という設定になっています。

(画像はいずれも「ダンジョン飯」第59話より。単行本9巻)
 
 だから、スズメバチがスズメじゃないみたいなもので、ウチの奥さんが「サキュバス」だと思ってるものは本当はサキュバスじゃないのです。
 
 ……これアレだよな、「SかMか」みたいな、原義を知らない人がカジュアルにド直球の質問をしてしまうやつでは……?
ddnavi.com
 
 サキュバスと言えば、昔、「コンプRPG」誌が、「ガープス妖魔夜行」のオリジナル妖怪(キャラクターデータ)を読者から募集していたのですが。
 
 ライターの友野詳氏が、
「『ぼくが考えたサキュバス』のキャラシートがめちゃくちゃ大量に送られてくるんだけど、同じサキュバスなのに外見とか持ってる能力とか性格とか背景情報がそれぞれ全部違って、妄想力の深淵を感じる」
 みたいなことを書いてましたね。*2

*1:(ウィキメディア・コモンズより ファイル:Lovis Corinth Die Versuchung des heiligen Antonius 1897.jpg - Wikipedia )

*2:このへん全部うろおぼえなので、違ってたら教えてください。

病院で不安になったりうれしくなったり。

 先日、人間ドックで胃の内視鏡検査を受けました。
 
医者「はーいK村さん、今ね、十二指腸のね、つまり検査の一番奥あたりですから、もう少し我慢してくださいね」
私「あうー(しゃべれない)」
医者「はーい、すこーし胃の内壁を押すから突っ張りますよー、はーい」
私「あう”!」
医者「……あのねえK村さん、最初の問診票に、『異常がある場合は組織検査を希望する』に○しましたよね?」
私「あー」
医者「それじゃ、すこーし組織取らせてもらいますね、はーい我慢して-」
私「う”う”ー!」
 
 ……それで組織検査の追加料金を取られて、2週間後に結果を聞きに来いと言われたわけです。
「専門の先生がいるのが月・木だけなので、どちらかでお越しください」
 という話で、平日に休みを取って。
 
 まあ、そしたら
 
医者「結果から言うと全く異常はありませんでした。この画像で見ますとね、ほら、この部分だけ粘膜が若干変色していますよね。しかしまあこれはピロリ菌を除菌した方にはよくあることなんですね」
私「良かったです」
医者「しかしねK村さん、ピロリ菌でだいぶ胃壁が薄くなってますし、これは除菌しても元には戻りませんので、1・2年に一度は内視鏡検査を受けることをお勧めします」
私「それ毎年言われるし、毎年内視鏡検査受けてます」
 
 内視鏡は毎年飲んでるんですが、「組織取ります」は今回が初めてだったので、結構ドキドキしました。
 
 ピロリ菌陽性の人は胃がんのリスクが5倍くらいになるんだそうです。(除菌するとある程度リスクは下がる)
 その上、ウチの祖母は胃がんで胃を切った(そしてその後5年以上生きた)人なので、遺伝的にもそれなりに可能性はあるんだと思っています。
 
 まあ……胃がんは進行するまでに数年かかるし、内視鏡検査は毎年受けているから、そんな大変なことにはならないだろう、とは思いました。
 ……が、以上のことをググって調べる程度には心配しました。
 
 たかだか2週間の検査結果待ちでこれだけやきもきするんだから、もっと長く……ましてや
「初期の甲状腺がんがありますけど進行は遅いので大丈夫ですよ」
 などと言われてしまった日には、その後の人生がどれほどストレスなことかなあ、などと思いました。
 時々聞く「過剰診断の害」とか、言われてもあんまり実感する機会はないですけど、こういうことなのかな、と。
 
 ところで、個人的には胃部X線検査(バリウム検査)より内視鏡(胃カメラ)の方が楽です。
 バリウム飲むこと自体はなんともないけど、発泡剤が辛い。
 あれ飲んでげっぷを我慢しろと言われた状態のまま、右を向いて寝ろとか次は左とか言われた上に検査台ごと上下逆さにされたりするのキツくないですか。
 内視鏡も胃に空気を入れるけど、うっかりげっぷしても入れ直せるから(と思う)気が楽。
 
 ……でも、本当は、最初に内視鏡検査を受けた病院で、先生と看護師さんが最後に
「K村さん、内視鏡飲むのお上手でしたよ」
「がんばりましたね」
 って誉めてくれたのが大きい気がする。
 
 子どもに限らず、大人でもほめられるのうれしいものです。
「胃カメラ上手な先生」って、実はむしろほめるのが上手な先生なのかも知れません。(腕が悪いと言いたいわけではない)
 なるべく他人をほめていきたいです。
 

おかあさんはいっしょじゃなかった。

 しばらく前の話。
 
「コードネーム:デュエット」というボードゲームがあります。
 2人でプレイする協力型ゲームです。
(元になった「コードネーム」は8人までの多人数ゲームらしいですがそれは持ってません)

 テーブル上に、たくさんの言葉カードを広げ、その中から、「正解」のカードを全て相手に取ってもらうのが目的です。
 ただし、お互いにヒントは与えられますが、正解そのものを伝えてはいけません。
 また、取ると一発でアウトの言葉もあり、そっちにひっかからないようなヒントを考えないといけない……という感じのゲームです。
 
 これを母とやった時のことです。
 
 で、私がヒントを出す番になって、だいぶ悩んだ末に「おかあさんといっしょ」を手がかりにしたのです。
 
 記憶がおぼろげなんですが……確か、「へび」と「うし」を取って欲しくて、ヒントを「パペットマペット」にするか「クイズ・わたしはだれでショウ」にするか悩んで、後者にしたんだったかな。
www.tiktok.com
 蛇と牛ならパペットマペットの方が近いんだけど、そもそも母は知らない可能性があります。
 その点、「おかあさんといっしょ」は昔さんざん見たので、フィーリングで伝わる気がするし、少なくとも「へび」はわかるはず……みたいな判断だった気がします。
 
 ……なんでこんな記憶が曖昧な話が心に残ってるのかというと、そのヒントが母には全然通じなかったからです。
 
 おかしい。
「おかあさんといっしょ」は、私たち兄弟が幼かった頃、毎日のように見ていたはずなのに。
「にこにこぷん」のOPテーマとか、「さよならマーチ」とか、今でも歌えるくらいなのに。
 
 で、終わった後、「あのヒントはこういう意図だった」「これは通じると思った」といった感想戦をする中で(このゲームはこれが楽しい)、私が、「おかあさんといっしょ」を母が覚えていないことに驚いた……という話をしました。
 
 すると、母は急にちょっと申し訳なさそうな顔をして、
「あの頃は、テレビに子守をしてもらってたからねえ……」
 
 なんてこった。
 
 これまで40年以上、母と一緒に「おかあさんといっしょ」を見ていたような気がしていたのですが、実はそうではなかったのです。
 本当は、私と弟がNHK教育テレビに見入っている隙に、母は夕食の準備などの家事を片付けていたのですね。
 
 人間の記憶はいい加減です。
「私が子どもの頃はこうだったのに! 今の子どもは/親はけしからん!」
 ……と思っても、実はその「子どもの頃」の記憶の方が間違っている……なんてことは、たくさんあるのかも知れないな、と思いました。
 
 ちなみに母はパペットマペットは知ってたそうです。