僕は一人ぼっちになっていた。周りのみんながファミコン集めに飽きてしまったのだ。ここはひとつ冷静になって考えてみよう。たしかに1000本は越えたよ。でもよく見ろ。同じのがたくさんあるじゃないか。3割はかぶってるぞ。
タイトル数でいえば700くらいか。そもそもファミコンって何本発売されたんだ。あとどれだけ集めればいいんだ。見当も付かない・・・
ときは既にファミコン再評価時代黎明期。都会でレアだと判定されたソフトに、とんでもないプレミアがつけられ、田舎にも押し迫っていた。でも僕はいまだにファミコン大好き少年のまま。何がレアなのか、何にプレミアがついているのかわからないし、考えたこともなかった。周りに詳しい人間もいなかったし、インターネットもなかった。どうしたものかと考えた僕は、とりあえず集めたソフトを
整理してみた。
これまで僕が集めたファミコンソフトをどうしてたかというと、箱入りのものやディスクは棚に、裸カセットは
色別で適当にダンボールに入れていたのだ。グラデーションを作ったりして楽しんだ。うーん、まるで虹みたい(なにを言うとんじゃ)。でもこれだと何がどこにあるかわかりにくいぞ。じゃあ、あいうえお順にしてみようか。うーん、たしかにわかりやすいくなったが、漠然としすぎている。試行錯誤を繰り返すうちに僕はカセットの中に
番号がついてるものがあることを発見した。これだ!
うすうす気づいていたがファミコンソフトの中には番号がふってあるものが存在する。よーし、メーカー別にわけてみるか。するとどうだろう。不完全ながらもファミコンの全体像が見えてきたぞ。つまりメーカー別にわけて、番号に欠番があったならそのソフトは持ってないってことになる。それを逆算していけばソフトのだいたいの総数が推測できるってわけだ。
一番最初に目に付いたのはナムコだった。1番ギャラクシアンから18番スカイキッドを並べてみる。続いてアイレム、ニチブツ、セタ、タイトーなどに取り掛かった。とくにタイトーの後期の物に欠番が多かった。続いて箱に番号がふってあるテクモ、さらには型番に通し番号がふってあるらしいアスキーやジャレコに取りかかった。なかには元々欠番になってる番号もあるみたいだった。(ゲームボーイもカウントされていたため?)しかしそんなことは知る由もない。僕はひたすらカセットを番号順に並べ続けた。
今ふり返ってみると、
コレクターだったら普通にそうしていたことだったかもしれないし、そんなことでファミコンの全体像が見えるわけもなかった。でも当時の僕にとっては、それが
唯一の道しるべだったのだ。
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