プラスサム・ゲームは常に得なのか?

サムソン 2012/01/29 12:15
ゼロサム論に関して 自分は全く逆の見解ですね。
株を買った人は最終的に必ず売りますよね?だからゼロサムだと思います。
為替は 例えば海外旅行や留学のために外貨を買っても最終的にその外貨全てを売るわけではない。
使った外貨がその後上がろうが下がろうが関係ないわけです。貿易決済に絡む実需取引もあります。
どうも為替取引をゼロサムとする考えには違和感を感じます。

ご意見ありがとうございます。この辺りは、実体経済のどこまでを含めるか?実需筋は潜在的に損をしているとみなすべきかどうか?で解釈が変わるのではと密かに思っています。
仮に為替取引をプラスサムとして、、、肝心のFXの取引注文がすべてブローカーに呑まれていたら、それでもプラスサムと言い切れるでしょうか?(特に100〜1000通貨の取引や、海外の非正規のノミ業者の場合)
公正なブローカーがカバー先銀行に取り次いでいたとして、カバー先銀行が注文を全部呑んでいたら?
くりっく365のマーケットメーカーは、顧客が買いたいと言えば売らざるを得ないし、顧客が売りたいと言えば買わざるを得ないので、顧客の利益はマーケットメーカーの損失になります。つまり、ミクロなゼロサム構造は必ず存在します。このミクロなゼロサム構造を解消できるほど(=参加者全員が利益を得るほど)、大きなプラスサムが存在するのでしょうか?
…なんて思うのです。



逆に、超・マクロな視点で考えると、為替取引の本質は通貨で通貨の売買をする「通貨の再分配ゲーム」です。大勢で売買することで、資金が移動するだけのゲームとみなすこともできます。
ドルのマネーサプライ(通貨供給量)は、下記グラフで示された通り、年々増え続けています。経済の発展とともに、増え続ける「通貨」を再分配している以上、プラスサムに決まっているじゃないですかっ! とも思いますよ。^^;

(厳密には、人口増加というか、ドル利用者数の変化を加味しないといけませんので、本当に興味のある人は自力で考えて調べてください...orz





ここからが本題なのですが、仮にプラスサムであるとしても、その恩恵を全員が受けられるかどうかには別の問題があります。
宝くじは、”マイナスサムだから買わない方がよい”事例として、よく挙げられます。逆に、宝くじがプラスサムだったら、常に買った方が良いのでしょうか?

1000人の参加者が千円ずつ払って、1人だけが当たる宝くじを考えます。
主催者が賞金の原資に1万円を加えることで、当選者が受け取る金額は101万円とします。
このプラスサム宝くじには参加すべきでしょうか?


期待値もプラス、無限回参加できれば無限に儲かることは明らかなのだけど、手持ち資金が1万円で10回しか参加できない場合…
個人的にはお勧めしません。約99% の確率で全額失って終わりです。
もちろん、この宝くじが、1回の当選者1000人(=全員当選)で、賞金が1010円だとしたら、当然参加すべきですけどね..。


結局、トータルでプラスサムであっても、
・プラス部分の分配に大きな偏りがあれば、儲けられる確率は大きく減ってしまう。
・プラスサム・ゲームの中にゼロサム構造(敗者の損失が勝者の利益となる仕組み)は同時に存在し得る。
という点に注意すべきなのです。





ちなみに、FXの勝ち組比率(アメリカ、2011 Q4)では、相変わらず過半数が負けています。
http://jp.forexmagnates.com/2012/01/18/forex-brokers/2313

私としては、この比率が逆転しない限り、FXはプラスサムとは言いづらいです..。