角田裕毅 レッドブルF1昇格に適応できないという評価は「嘘」とRB首脳陣
角田裕毅は、本日アブダビで行われるレッドブル・レーシングのテストで、ついにそのF1マシンを運転することになった。しかし、それは形だけの好奇心そそるジェスチャーに終わるようだ。なぜなら、角田裕毅はジュニアチームにとどまり、チームメイトのリアム・ローソンが来季セルジオ・ペレスと交代することが決まっていると考えられているからだ。

しかし、角田裕毅の現在のボスたちは、レッドブルが抱いている疑念は見当違いであり、角田はトップチームでチャンスを得るに値すると確信しているようだ。

アブダビグランプリの週末中のコメントからも、そのことが明らかになっている。

角田裕毅の所属するRBの幹部たちは、角田がレッドブル・レーシングのシートにふさわしいと考えている。チーム代表のローラン・メキースは、そうでないと主張するのは「嘘になる」と述べた。

レッドブルはセルジオ・ペレスの期待外れのシーズンを受けてドライバー交代を行うと見られており、この方向性を決めるための重要な会議がアブダビの後に行われる予定だ。

ペレスは2026年末までの契約を結んでいるが、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーはアブダビで「セルジオの状況と彼が何をしたいのかが明確になるまでは、すべては単なる憶測に過ぎない」と述べている。

ペレスが引退するか、レッドブルに選択の余地を与えないようにすることが重要であると、何度か示唆されている。ペレスは2024年を好調なスタートを切ったが、レッドブルが6月初旬に彼と新たな契約を結んだと発表した時点で、すでに低迷は始まっていた。ホーナーは「ペレスの気持ちを落ち着かせるため」に契約を結んだと述べたが、「明らかにうまくいかなかった」ことを認めている。

アブダビでのシーズン最終戦を迎えるにあたり、リアム・ローソンはペレスの後任として最有力候補と目されていた。レッドブルは、彼にはポテンシャルがあり、精神的に強いと信じていたからだ。

しかし、ローソンは経験不足であり、アブダビは彼にとって11回目のグランプリである。また、シーズン終盤にダニエル・リカルドに代わって出場した6レースすべてで、彼は角田裕毅に予選で敗れている。

レッドブルは、角田裕毅が速いことは認めているが、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして対応できるかどうか懸念している。角田は感情的でプレッシャーに弱く、ミスを犯しやすいと考えているのだ。

レッドブルは、エンジンパートナーへの配慮として、火曜日にアブダビで行われるポストシーズンテストに角田裕毅が参加し、角田を2025年のドライバーとして評価するためのものではないとの見方を否定している。

しかし、アブダビでは、角田裕毅のRBチームのボスであるメキースとレーシングディレクターのアラン・パーメインの両者が、レッドブルが疑っているような角田の資質について好意的に語っている。

The Raceの取材に対し、メキースは角田についての感想と、レッドブルの環境に適応できるかどうかについて尋ねられて「それは妥当な質問だ。ドライバーが今のようなスピードレベルでパフォーマンスを発揮できるのであれば、さらに速いマシンに適応できないなどと言うのは嘘になる」と答えた。

「彼はブラジルで3位、ラスベガスでは7位グリッドにつけた。 彼が速いマシンに乗る準備ができていないと私が言う筋合いはない。もちろん、彼は速いマシンに乗る準備ができている」

「マシンから離れて彼がやっていることに関して言えば、フィードバックや感情コントロールの面でも、彼は大幅に改善している」

「チームの状況はそれぞれ異なるが、ある環境や別の環境に対して『いや、いや、彼はまだ準備ができていない』と私が言うことはできない」

「別のドライバーには、その環境にふさわしい、あるいはその環境に適した別のスキルセットがあると言えるかもしれない」

「しかし、間違いなく、今日現在の両ドライバーは次のステップに進む準備ができている」

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この最後の回答は、メキースが角田裕毅とローソンのどちらがレッドブルのドライバーとしてふさわしいかを支持することを示している。そして、パーメインが「本物」と評したローソンの支援は、経験の差と角田の速さから、予選では角田に及ばなかったものの、角田に肉薄したローソンの健闘ぶりは称賛に値するというレッドブルの見解と一致している。

しかし、それは角田裕毅自身の長所を損なうものではないし、また、損なってはならない。フェルナンド・アロンソやキミ・ライコネンを含む多くのトップドライバーと仕事をしてきた「チーム・エンストン」の古株であるパーメインは、今年初めて角田と仕事をして以来、「とても驚かされた」と語っている。

「彼はとても速い」とパーメインは語った。

「彼は常に、特にシングルラップでは、マシンから最大限の力を引き出せる。予選でのペースはとても良い」

「彼のフィードバックにも驚いた。英語が上手なんだ」

「チームにいないと、彼のフラストレーションばかりが聞こえてくるが、それは強調され過ぎていると思う」

「弱点を挙げるとすれば、そこが彼の弱点だ。彼はそれを理解しており、そこを改善するために努力している」

「しかし、ペースやフィードバック、ショートラン、ロングランのペースに関しては、彼は優秀であり、1年を通して改善している」

もしレッドブルへの昇格がかなわなかった場合、角田裕毅は代わりにレッドブルの2番目のチームで5年目を迎えることになる。レッドブルは初夏に、角田裕毅の契約をさらに1年延長するオプションを行使した。

これは、当時アウディF1のCEOであったアンドレアス・ザイドルや、ハースF12チーム代表の小松礼雄を含む、他のチームのボスたちから角田裕毅に興味が寄せられていることが知られていた時期のことだった。

レッドブルの立場は基本的に、自らのセカンドチームにとって角田裕毅は優れた選択肢であり、常に競争力を高めようとしているチームにとって、また他の若いドライバーにとっても素晴らしい参考例となる、というものだ。

しかし、角田裕毅よりも経験の浅いドライバーを選べば、角田自身にもレッドブルのトップレベルでの将来はないというメッセージを送ることになる。特に、角田のキャリアの大半を支えてきたエンジンパートナーのホンダが2025年末にアストンマーティンに移籍し、現在、角田のシートを用意していないことを考えると、そのメッセージはより明確になる。

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しかし、メキースは、それでもなお、彼のチームは角田裕毅に十分なモチベーションを提供できると考えている。その方法として、角田に「速いマシン」を与えて毎戦ポイント獲得を争わせるか、将来、より良いマシンに乗るチャンスを与えるかの2つの方法があると彼は言う。

「今後どうなるにせよ、それが将来の昇格を決定づけるという意味ではない」とメキースは言う。

「速いマシンを与えるだけでなく、状況を逆転させてリアムに与えるとしても、彼らは次のステップに進むことができることをシーズン中に示さなければならない」

「どちらのドライバーにとっても同じことだ。なぜなら、昇格できなかった者は誰でもがっかりするだろうからね。もし2人とも昇格できなかった場合、2人ともがっかりするだろう。しかし、その場合でも同じことが当てはまる」

「A、彼らに速いマシンを与える。B、彼らが今年見せてきたような飛躍的な進歩を遂げれば、またチャンスが巡ってくることを忘れてはならない」

RBのCEOであるピーター・バイエルはメキースの意見を支持し、レッドブル・レーシングが2021年にアレックス・アルボンが離脱した際にペレスを起用したように、2番目のチームからドライバーを昇格させることを選択しないこともあることを踏まえ、角田とローソンがレッドブルの候補者リストに入っていることを「非常に喜ばしく思う」と述べた。

「2人のうちの1人が傷つかないとは言えない」とバイエルは認めた。

「選ばれなかった場合、少し考え込んでしまうだろう」

「しかし、同時に冷静になって考えてみると、20人の選ばれたうちの1人であり、F1でシートを確保し、サポートを受けながら成長し、自分の価値を示す機会を得ていることに気づくだろう」

「それは、おそらく短いクリスマス休暇の後、人々は理解するだろう」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / ビザ・キャッシュアップRB