映画『靖国』、新宿バルト9につづき残る3館上映中止で東京全滅!

先日新宿バルト9での上映中止が発表された日中合作ドキュメンタリー映画『靖国』ですが、残る3館(銀座シネパトス、渋谷Q−AXシネマ、シネマート六本木)での上映も正式に「中止」が発表されました。

東京での「靖国」上映中止に 「近隣に迷惑の恐れ」(@MSN産経ニュース)


靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」について、東京都内の映画館3館と大阪市内の1館が、4月12日に予定していた上映を取りやめたことが分かった。これで東京での上映予定はすべて中止となった。


 上映を中止した銀座シネパトス(東京都中央区)を運営するヒューマックスシネマは「近隣の商業施設に迷惑を掛ける恐れがあるため」と説明している。ほかに取りやめた映画館は、シネマート六本木(東京都港区)、Q−AXシネマ(同渋谷区)、シネマート心斎橋(大阪市中央区)。


 同映画をめぐっては、自民党の一部議員が、文化庁の所管法人から助成金が出ていることを理由に「政治的に中立かどうか疑問がある」として、事前の試写会を要求。全国会議員向けの異例の試写会が開かれた。関係者によると、その後一部の政治団体が上映中止を働き掛ける動きを見せていたという。

『太陽』をかけた銀座シネパトスもってことになると、風評だけでなく本格的にどっかが動いたってことなのか? うーん、こういう場合どこならかけることができるのだろう。。。(追記:一角座があるじゃないか!!(@4310) >確かに!)


映画『靖国 YASUKUNI』公式サイト


シネマート心斎橋はダメですが、大阪ではまだナナゲイが頑張ってます。


というか、、、これ、議員の先生方もいろいろと文句言ってますけど、仮に日本で上映できないなんてことになったら、中国で公開されるときにおもいっきり箔付けに使われますよ。「あまりに真実をついた映画であるため、日本では政治的圧力によって上映中止に追い込まれた」って。そっちの方がまずいんじゃないでしょうか?


-追記-

配給元のアルゴ・ピクチャーズでは今後も上映に向けて働きかけていくとコメントしているが、今のところ上映の見通しはたっていない。今後のことについては緊急の記者会見を設けるとのこと。


問題作『靖国 YASUKUNI』次々と上映中止で東京公開断念に…(@シネマトゥデイ)

全然関係ないけど、アルゴの公式はいつ再開するんだろう???

この映画は文化庁所管の芸術文化振興基金750万円の助成を受けており、「政治的な宣伝意図があるのではないか」などとして、国会議員から問題視する声もあった。議員の要請もあって配給会社は3月12日、都内で試写会を開き、議員約40人が参加。議員と文化庁関係者らの意見交換会が開かれ、参院文教科学委員会でも質疑が行われた。19日に新宿バルト9が公開中止を決定。その後、他の映画館や配給会社に上映中止を求める電話などがあったという。


配給会社では「国際的な評価も高い作品が、こうした事態に陥ったのは大変遺憾。日本社会における言論の自由、表現の自由への危機を感じる」とコメントを発表。文化庁芸術文化課では「一般論として、芸術文化の発展の機会が外部からの嫌がらせで妨げられてはならない」と話している。


最初に助成を問題視し、試写会に参加した自民党の稲田朋美・衆議院議員は「我々が問題にしたのは助成の妥当性であり、映画の上映の是非を問題にしたことは一度もない。いかなる内容の映画であれ、それを政治家が批判し、上映をやめさせるようなことが許されてはならない。私たちの行動が表現の自由に対する制限でないことを明らかにするためにも、上映を中止していただきたくない」との談話を出した。


日中合作の記録映画「靖国」、相次ぎ上映中止に(@読売新聞)

映画は文化庁が管轄する団体からの助成を受けていたが、週刊誌に「反日的内容」との記事が掲載され、自民党議員から助成の妥当性を疑問視する声が上がり、全国会議員を対象とした異例の試写会が開かれていた。こうした動きに並行し、「他の観客に迷惑がかかる」などの理由で3月半ばに都内の1館、31日までに残りの4館も中止を決めた。


上映中止に対し製作者らは「大変遺憾。言論、表現の自由の危機を感じている」とのコメントを発表。日本映画監督協会も、「表現の自由が侵されかねない」とする抗議声明を出した。


映画:「靖国」上映、映画館が相次ぎ自粛(@毎日新聞)

週刊誌ってどこだっけ?(追記:週刊新潮だった(ソースはこちら))

今回中止を決めた「銀座シネパトス」を経営するヒューマックスシネマによると、3月20日過ぎから街宣車などの抗議を受けたことなどから、27日にアルゴに「降りたい」と伝えた。「お客さんや近隣の店への迷惑もあり、自主的に判断した」という。


また、「渋谷Q―AXシネマ」も31日、「お客様に万が一のことがあってはならない」と判断。「シネマート六本木」と「シネマート心斎橋」を経営するエスピーオーも「他の映画館が中止すると、こちらに嫌がらせが来るのではないか」と、ひとまず中止にした。この3館については、これまで嫌がらせや抗議などはなかったという。


映画「靖国」公開白紙に 上映館全て辞退 トラブル警戒(@asahi.com)

どこの街宣車だろう?(追記:さすがに分からん。。。)


尚、エスピーオーについてはシネマート六本木のサイトに中止にいたる経緯を記した文書がPDFファイルでUPされています。報道された中止理由と異なるので是非ご一読を。
「靖国 YASUKUNI」の上映中止にいたる経緯に関しまして(pdfファイル)
これによると、映画「靖国」は2007年7月に試写で見たエスピーオーの担当者が「アジア映画を通じて相互理解を」という社の企業理念に鑑みて上映にふさわしい作品と判断。配給会社に上映の申し入れを行った結果、正式に上映することが決まったが、3月に入り国会議員限定試写会が開催されるなどしてマスコミに取り上げられたのを機に、各劇場に上映に対する抗議の電話が入るようになり、配給会社にマスコミ向け試写会だけでなく一般向けの試写会も開催するなどして映画そのものの評価を高める努力などを行い「安全な上映環境の整備」に務めるよう申し入れたが、具体的な回答は得られず、最終的に配給会社の方から「試写会の開催は難しいので上映を中止にすることで了承願いたい」との申し出があり、やむなく上映中止に至ったと書き綴られています。


-追記(4/2付)-

社民党の福島党首は2日の記者会見で、超党派の国会議員に呼びかけ、ドキュメンタリー映画「靖国」の自主上映を検討する考えを示した。


福島氏は「日本の表現の自由の危機だ。全力を挙げておかしいと言う」と語った。国会議員向けの異例の試写会が開かれた後、上映予定の映画館が街宣車などによる抗議を受けたとして、福島氏は「上映前に国会議員が介入して、結果的に中止に追い込ませた」と批判した。


社民・福島氏、「靖国」自主上映を検討(@asahi.com)

お! 始まるか?


-追記(4/3付)-
大阪・ナナゲイは5月10日、広島サロンシネマは6月、京都シネマは8月に上映決定。名古屋シネマテークは延期。

靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、大阪市淀川区の映画館「第七芸術劇場」や京都市下京区の映画館「京都シネマ」などは映画を予定通り上映することを決めた。「見てもらわないと評価できない」などと説明している。


(中略)


一方、第七芸術劇場は当初の日程通り5月10日から7日間上映する予定。また京都シネマも8月に上映を予定している。第七芸術劇場の松村厚支配人は「これで全国で中止なら、嫌がらせや抗議で取りやめにできることになる。批判する人がいていいし、その通りと思う人がいてもいい。上映しなければ議論にもならない」と話している。広島サロンシネマ(広島市中区)も6月に上映する方針という。


 配給元のアルゴ・ピクチャーズによると、東京でも新たに上映を希望する映画館が出てきており、日程などを調整中という。


映画「靖国」:大阪「第七芸術劇場」など予定通り上映へ

靖国神社を舞台にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映をめぐり、5月3日から上映予定だった名古屋市千種区の映画館「名古屋シネマテーク」が、延期を決めたことが分かった。


延期について同館関係者は、「東京の公開状況をみて、上映を判断している。今回、東京で取りやめになったため、公開時期を見計らった。安全な環境を作り、社会的な状況を見て、あらためて上映について検討している。いろいろな意見が寄せられるが、圧力によって延期したのではない」としている。


映画「靖国」:名古屋では上映延期決める

【関連】
「第七藝術劇場」公式サイト(ナナゲイ支配人 松虫リンリンの独り言)
「京都シネマ」公式サイト
「広島サロンシネマ」公式サイト
「名古屋シネマテーク」公式サイト



上映中止に対する抗議声明も続々と。

ドキュメンタリー映画「靖国」の上映を取りやめる映画館が相次いでいる問題で、新聞労連や映演労連などで組織する「日本マスコミ文化情報労組会議」(嵯峨仁朗議長)は1日、「表現の自由が侵された重大事態。政治圧力や一部勢力による妨害によってつぶされる事態を看過できず、憤りをもって強く抗議する」などとする声明を出した。


映画「靖国」:マスコミ会議が上映取りやめに抗議

映画「靖国」の上映中止に関し、日本ペンクラブ(阿刀田高会長)は3日、「自由な表現の狭まりを深く憂慮し、関係者の猛省をうながす」とする緊急声明を発表した。「面倒を恐れて自発的に場所の提供を渋る雰囲気がまん延している。公共言論空間を守る決意を訴えたい」としている。


映画「靖国」:ペンクラブが声明「関係者の猛省うながす」

靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、日本新聞協会(会長・北村正任毎日新聞社社長)編集委員会は3日、代表幹事の斎藤勉産経新聞東京本社編集局長の談話を発表した。談話では「上映中止は残念でならない。映画の内容をどう評価するかは個々人の問題であるが、その評価、判断の機会が奪われてしまうことは、表現・言論の自由を擁護する立場から看過できない。表現活動が萎縮(いしゅく)する社会にしてはならない」としている。


映画「靖国」:上映中止で新聞協会が談話

日本民間放送連盟の堀鉄蔵・報道委員長は3日、映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題についてのコメントを出した。「健全な民主主義の実現に逆行する。言論・表現の一翼を担う者として強い懸念を表明する」としている。


映画「靖国」:上映中止で民放連が懸念を表明


-追記(4/4付)-
毎日jpにて、中止に至る事情が詳しく記載されてる(※長いので一部だけ抜粋)。

靖国神社を舞台にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止が、波紋を広げている。グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が今年2月、日本教職員組合の教育研究集会の会場使用を拒んだのと同じ構図が、映画界にも波及したとみられるためだ。中止を決めた映画館周辺では、右翼団体による抗議活動が確認されている。


(中略)


国会議員向け試写会の翌日の3月13日、自民党の保守派でつくる「伝統と創造の会」(会長・稲田氏)と「平和靖国議連」(会長・今津寛衆院議員)が、文化庁などを呼んで合同勉強会を開いた。


両団体とも首相の靖国参拝を支持する議員の集まり。試写後、映画を「靖国神社が侵略戦争に国民を駆り立てる装置だったというイデオロギー的メッセージを感じた」と論評した稲田氏は勉強会で日本芸術文化振興会の助成金問題を集中的に取り上げた。


約10人の出席者からは「反靖国の内容だ。大きな問題になるから覚悟した方がいいよ」との怒声も飛んだ。稲田氏は3月31日「問題にしたのは助成金の妥当性。私たちの行動が表現の自由に対する制限でないことを明らかにするためにも中止していただきたくない」とのコメントを出した。


クローズアップ2008:映画「靖国」上映中止 揺れる表現の自由

怒声っていうか「恫喝」だよね。