鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2024 Week13 @BAL展望

いよいよ勝負の12月に突入。

その初戦となるプレシーズンでも面を突き合せたご近所さんとの一戦は、地区優勝争い的な影響は少ないとはいえ、どっちがフィジカルで男らしいのかを競おうではないかこのヤロウという、なんなら最も負けたくない戦いになります。

 

 

ケガ人

PHI

 

OUT

WR DeVonta Smith:ハムストリング

WR Johnny Wilson:ハムストリング

CB Slay:脳震盪

LB Ben VanSumaren:膝

 

Questionable

S Sydney Brown:膝

 

ランでねじ伏せるにしてもパスで翻弄するにしても重要なピースが欠落。

大変よろしくない。

 

空中戦でのキーマンであるDeVontaは1回Limitedで練習していたが間に合わず。

そして今週突然レポートに名が挙がったのがランブロックの要であるJohnny WilsonとFB BVS。

BVSに至ってはこの後IR入りし、結局シーズンエンド。

なんでも金曜の練習で膝に大ケガを負ったのだとか。詳細がわからないので何とも言えないが最悪の想定であるACLだとしっかり来シーズンにも響いてくる。

激痛なのである。

 

Baunとの契約延長が急がれる。

 

というわけで層が薄くなったWRの補強のためにPSからParris Campbellを53ロスター契約。

臨時昇格にはTE Uzomahを使っているので、ランブロックの強化はTEでやっていく方向。

BVSの主戦場であったSTにはこちらもPSからLB Ochaun Mathis君を上げているので彼が担うはず。

 

 

BAL

OUT

TE Charlie Kolar:前腕

CB Arthur Maulet:膝

 

Doubtful

OLB Kyle Van Noy:ハムストリング/クビ

 

Questionable

DT Michael Pierce:ふくらはぎ

CB T.J. Tampa:足首

 

OUTの2名はIR入りで、Questionableの2名はまだ厳密にはIRにいるが、練習は開始しているのでレポートされているというもの。

そしてPierceは今週ちゃんと練習できているとのこと。

 

Kolarはいつぞやのドラフトで超大型パスターゲットとして欲しかったTEではあるが、どうもランブロッカー方面で有能な存在に成長していた様子。

だがまああくまでもTE3なので影響は軽微。

Mauletもここのところは出番がなかったCBなので同様。

 

問題はVan Noy。出てくんなよ。だいたいいつまで現役なんだキサマ。

そしてもっと問題なのが、IRから戻ってくる気配が濃厚なPierce。

こいつがいるのといないのとではランディフェンスの破壊力が段違いであろう。

間に合わない、もしくは出てきても本調子じゃない、という方向で一つよろしく。

 

それと、先週欠場したLB Roquan Smithは問題なく出てくるとのことです。

 

 

 

対決軸

歴史
  • CLEとは別フランチャイズだと思うと、PHIから車で1時間半の新興BALとの対戦は過去6回。
    PHIの2勝3敗1分け。
    そして@BALでは3戦して2敗1分け。
    このパターン、快勝した@CIN以来ですね。
    再来といこうか。

 

  • 最後の勝利はAndy Reid最終年である2012シーズンのWeek2。

 

  • そんな歴史よりもホットなのがVic Fangio vs John Harbaugh。
    記憶に新しいのが2021シーズン。
    当時42試合連続で100yd以上のラッシングyd獲得というどうでもいい記録を持っていたBALが23-7の楽勝ムードでボールを持っていた最後の2minにおいておとなしく膝をつけばいいところを43試合というNFL記録に並ぶために選手をケガの危険に晒してプレーしたことでFangioを激怒させたというアレ。

    まあそのあとの唯一の対戦であった昨シーズンWeek17のMIA@BALは19-56という完敗だったんだが。
    Fangioさん、Monken Offenseは苦手なように見受けられるがちゃんとやり返しなさいよ。

 

 

重量級のどつき合い
  • ランOffense1位(193.4yd/G)のPHI対同2位(180.2yd/G)のBAL。
    Saquon vs King Henry。
    2017ハイズマン投票4位 vs 2015ハイズマンウィナー。
    全体2位 vs 全体45位。

 

  • 255ydのLAR戦のSaquonにも祝福のメッセージを送っていたKing。

 

  • BALはHenryがいることで効果的になるPAからのパスであるとか、Lamarのキープであるだとかが非常にきれいにハマっているようで、その結果がリーグトップを独走するRed ZoneでのTD率(79%)の高さに繋がっている。
    Week12ではそれまでRed Zone Defenseがリーグ2位であったLAC相手に2/2で100%のTD率を記録している。
    難儀である。
    対するPHIはリーグど真ん中の56%(16位)。
    この辺り、Kellen MooreさんがSteichenに創造性で上回れていないところです。
    しっかり頼みます。

 

  • チームの勝利のためだけでなくアナリティクスが幅を利かせる時代における"RB価値の復興"という大義のためにも走る2人。
    贔屓が絡むためストレスはストップ高だろうが、外野から見ると実に楽しい試合になりそうではある。

 

 

高給K対決
  • 今季不振にあえぐ6M/年の高給取りKicker2人。
    最高給のHarrison Butker(KC:こいつはケガ)も含めてこの辺りのKの出来が今季非常に悪いのは興味深い。

 

  • 今季未だに50yd以上の成功がないElliottについては先週リハビリとしか思えない最長31ydの3本を決めてちょっと持ち直しているとは思いたいところだが蹴り合いだけは避けましょうお互いのために。

 

 

 

マッチアップ

PHI Offense
  • パスDefenseで苦しんでいるというBAL Defense。
    だがこの図から、戦犯と思われたSに変更がありここ2試合はMarcus Williams→Ar'Darius Washingtonとなっているのが現状。
    そしてこれが機能しているというんだから腹立たしい。

 

  • 有能だったDC Mike McdonaldがSEAのHCに去った後任はかつてのプロボウラー Zach Orr。

    スキーム上の大きな変更はないようだが、2023シーズン比だとパスでビッグプレーを許す頻度が高いそうな。

 

  • キーマンは言わずとしれたS Kyle Hamilton。

    いいな。うらやましいな。
    Hamiltonをパスしてまで指名したJordan Davisは未だにパスラッシュで何の脅威にもなれないロールプレイヤーだぞ。

    HamiltonがどこからQBに飛んでくるのか、あるいは飛んでこないのか。
    これが常に問題。

 

  • やはりLBポジションは伝統的にしっかりしているところであり、その点と強力DTのおかげも相俟ってランディフェンスは安定。

    そしてJordan Davisとどっちにするか悩んで、結果的に3巡まで落ちてBALに行ったDT Travis Jonesはいよいよ開花のシーズンを迎えたようですな。

    2022ドラフトとは何だったのか。
    まあA.J.が獲れたからそれ以外は別になんでもいいのだが。

    そこにMichael Pierceが復帰するんだから大変面倒なことになりそう。
    Pierceの離脱にかかわらず現状でリーグ2位の堅さである。
    IOLは勝負の試合。

    出るとしたらJet系とQBスクランブル。
    よしいけ走れHurts。
    そしてたまには仕事してみろAinias Smith。

    Saquonにはあまり期待できなさそう。

 

  • パスラッシュはVan NoyとOdafe Owehが8サックで並んで脅威。
    だがこれだけならMailataとLaneがいるので問題にはならない。
    問題は、このEDGE陣にHamiltonがどう絡んでプレッシャーをかけてくるのかというところ。

    DLのスタンツにLB・DBを絡めることでプレッシャーを量産しているというのが彼らの型のようで、その結果としてここまで39サックはリーグ3位という成績。

    必殺の武器は、マンツーマンのプロテクションサイドからフリーラッシャーとしてHamiltonを送り込むというもの。
    一時昇格のTE UzomahとRB陣のプロテクションが命綱。
    しっかり頼む。

 

  • Hurtsの今季は対Blitzで相当良化しているため、この点の本領を発揮するチャンス。
    狙いとしてはLAR戦のように早いタイミングでのGoedert、とかになるんだろうが、Parris Campbellが意外とこういう使い方で輝けていた記憶があるので彼でもいい。
    とにかく浅いエリアで誰かさっさとフリーになりなさい。

 

  • BAL Defenseの数少ない泣き所はパスDefense。
    リーグで3番目に多い30ものパスでのTDを許しているようだが、どうもビッグプレーを許す機会が多いというのが問題な様子。

    Sを使ってプレッシャーをかける反動とでも言うべきなのか。

    大エースMarlon HumphreyはたぶんA.J.に結構ついてくるので、狙いどころはもう一人のCB Brandon Stephens。
    まあHumphreyの相方ということで仕方がないのだが、リーグのCBでも有数の狙われ方で、そして有数のやられ方だそう。
    なお、NickelパッケージだとルーキーNate Wigginsが入ってきて外CBにつくことになるのでこれを狙うこととしても良い。
    その場合でもやはりParris Campbellということになろうか。
    Dotsonかもしれないが。

    いずれにしても一番がんばるべきなのはOL。いつもどおり頼んだ。

 

  • というわけでゲームプランは以下のような雑さでどうぞ。
    • トレンチで勝つこと。できればSaquonのランも機能させたい。
    • Saquonのランに頼れなそうな久しぶりの試合。
      Hurtsよ。成長を見せておくれ。
      Hamiltonは見落とすなよ。
    • ビッグプレーが欲しい。
      結局いつものようにA.J.頼みということになっても良い。
      モーションを上手く使ってHumphreyのマークを外してStephens vs A.J.という場面をいっぱい作ってください。
      Saquonを上手くパスゲームで使えれば少しはラクになるんじゃないかどうやるかは知らぬが。
    • いつも外れる期待だが、Dotsonのステップアップゲームになれば本望。

 

 

PHI Defense
  • まずは穴埋めから。
    最大の穴は、BGがいなくなったことによるEDGE。
    Fangioは"みんなで埋めていく"とおっしゃっているので、Sweat・Nolan・Jalyx Huntの3名プラス新加入のCharles Harris(ウェイバーで先ごろ獲得)というたった3人+αでがんばっていくということでしょう。

    ちなみに、MiltonをEDGE起用するとか、BaunをEDGE起用するとか、そういった話は明確に否定していたのでたぶんなさそう。
    それでいいと思います。

    SlayのところはLAR戦からそうだったようにIsaiah Rodgersが先発となる見込み。
    Slayの出来がちょっとずつ下降していたように見えていたこともありさほど心配はしていない。
    だってJa'Marr Chase相手にそれなりにやれたんだから大丈夫だろう。
    頼みますよ。

 

  • QB・RB・WR・TEとタレントのバランスがいいBAL Offense。

 

  • Todd Monken vs Vic Fangio。
    パス1位ラン2位という破壊力満点のOffenseの設計者はMonken。
    Monken以降のBAL Offenseでの最大の変化はUnder Centerからのパスの増加。

    ランの基本設計はヘビー隊形からのHenryのOutside Zoneと、Henryへの食いつき方でリードしてLamarが駆け上がるPowerリード。

    相手がBoxにどれだけDefenseが密集していようが構わずHenryを使ってくるところがあるので読みやすさはある。
    ただ、問題はわかってても止まらないというところ。
    "HenryかLamarのラン"なんてのはなにもわかってないのと同義である。

    PHIはリーグでもBox内に人を詰め込む回数が少ない方なのでさてどうするんでしょうか。
    まあランは人を集めないとどうにもならないところがあるので久方ぶりにThomas Bookerが出番が増えるかもしれない。
    あるいは、4DLにBaunを上げて5DLにしておいてLBをDeanとDeJeanで組むか。
    シーズン序盤のNO戦にはDeJeanがいなかったのでこういった隊形を組む機会が少なかったが、これはかなり見てみたい組合せではある。

 

  • RBの使い方。
    ここで問題なのはHenryではなくJustice Hillの方。
    ここまでのFangio Defenseにおいて若干弱点風の懸念があるのは、フラットエリアにおけるRBへの対応なのだがここの専門家がBALとJustice Hill。
    そしてTodd Monken。
    事実、2023シーズンのMIA@BALでも彼には結構やられている(5/5 64ydレシーブ1TD)。

    感覚的にはパスプレーでの浅いルートの組み立てがうまく、さらにタイミング遅くそこにボールを配分することも多いもんだから周りにDefenseがいない状況でRBの手にボールが渡ることが多い気がする。
    LB各位はLamarに釘付けなだけになおさら。

    というわけでDBを増やしたい。
    だがHenryは止めたい。
    じゃあDeJeanを酷使しましょうよ、というお話。

 

  • Lamarは長い(10yd+)パスでのTD数がリーグ1位。
    有能なるMonkenさんにおかれては、奥と中間と浅いところにちゃんと人を送り込んでくる。
    雑にくくると、奥にはWR Bateman、中間にWR FlowersとTE Andrews、浅いところがTE LikelyとRB Justice Hillという組み合わせ。

    加えて今季はデザインがさらに良くなったのか、あるいはHenry加入の隠れた効果でLB裏がよく空いたりでもするのか、WRたちのYACもめちゃくちゃ伸びているらしい。
    全体にキャッチ時点でのセパレートydが伸びたということなのでWRというよりスキーム側の改善だと思うとやはりHenry効果であろう。
    ということでパスまでちゃんと脅威。
    映像をぼーっと観ていてもLamarのパスはなんとなく上手くなってる気がするし。

 

  • 結果的にOffenseはビッグプレーが多くなっているようで、その比率はこれまたリーグ1位なんだそうな。
    どうすりゃいいんだ。
    止め方がわからない。

 

  • わからないのでDLがんばって、という乱暴なプランでいきましょう。
    • "弱い"という前評判だったのにちゃんと強くなってるBAL OL相手だがしっかり意地を見せろ特にDTたちよ。
    • そしてHenryにご機嫌に走らせないこと。
    • こっち側でもビッグプレーを巡るバトル。
      モーションへのアジャストに気を遣わなければいけないのは先週同様。間違うなよDB陣。
      QuinyonとDeJean頼む。
    • プレッシャーをかけろDL。しかしそれより大事なのはLamarをポケットから出させないこと。
      こいつがポケットから出てスクランブルドリルになった時のこのWR陣は相当優秀だぞ。
      ちゃんとタックルしろよDean。
    • そういえばプレシーズンで完封されて恥を晒してたなJalen Carter。今回はしっかり頼むぞ。

 

 

 

結び

  • MonkenはFangioの天敵である危険性が結構ある。
    それは困るんだよまあこのスキームはLamarとHenryありきなので他チームでは模倣しようがないからいいけど。

 

  • 大雪でとんでもないことになりそうなBUFとは違ってBALのお天気は気温5℃ぐらいながらさほど風もない晴れの予報。
    Hurtsのボールにも影響はなさそう。

 

  • あのOffense相手には30点近い失点を覚悟する必要があるのですべてはPHI Offenseの出来次第。
    パスで攻めたかったところながらDeVonta以下結構な数のケガ人が出ているのは痛いが、それでも要のOLは無傷だしA.J.もSaquonもいるしHurtsの脚にも不安はない。
    頼むぞKellen Moore。

 

  • こっからはBGの弔い合戦になる。
    関係ないBALには申し訳ないがそういうことです。
    勝て。

 

 

GO BIRDS!!

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