1. はじめに
こんにちは、東京大学 3 年の米田と申します。この度は、ダイヤモンド社から『高校数学の基礎が 150 分でわかる本』という書籍を出版させていただくことになりました。高校数学の基礎を図解で超わかりやすく説明した本です。
発売日は 3 週間後の 2023/7/26 です。電子書籍版も同時期に出る予定です。本記事では、この本の内容や特徴について、簡単に紹介させていただきます。
2. この本はどういう本か
本書は、主に次のような方に向けた、高校数学の「超」入門書です。
- 高校数学をはじめて学ぶ方
- 数学を学び直したい方
日本ではたくさんの数学の本が毎週のように出版されています。しかしこの中の多くは、難しくて多数の人が挫折してしまうか、雰囲気でわかった気にはなるけど結局身に付かないかのいずれかです。
そこで本書は、そのどちらのパターンにも当てはまらない、最強にわかりやすい本を目指すため、以下の 4 つの特徴を備えました。
特徴1:「数式」よりも「フルカラーの図」
第一の特徴は、フルカラーの図が多いことです。
一般的な高校数学の本は、数式が多くて理解するのに時間がかかりますが、本書では「数式」よりも「フルカラーの図解」が多くなるように心掛けました。
その図の数ですが、なんと 250 個以上です。本書のページ数は 200 ページちょっとなので、毎ページに平均 1 個以上の図があることになります。
特徴2:中学数学からしっかりサポート
第二の特徴は、前提としている知識が少ないことです。
一般的な高校数学の本は中学数学の知識を前提としていますが、本書は「高校数学の基礎」を学ぶうえで必要な中学数学の知識もていねいに解説しているため、「もしかしたら中学数学も不安かも…」という方でも全然大丈夫です。(中学生でも読めることを目指しました)
実際、本書はマイナスの数とか文字式とか関数の基本とか、そういうところから始まっています。*1
特徴3:実用的な具体例が多い
第三の特徴は、数学が役立つ例が多いことです。
日本人が数学でつまづく原因の一つとして「数学がどう役立つかわからない」ことが挙げられますが、本書ではデータ分析・投資・電気料金・新規事業をはじめとする様々な具体例を取り上げているため、そんな心配は必要ありません。
特徴4:穴埋め式の演習問題
第四の特徴は、穴埋め式の演習問題があることです。
まず、数学の理解を「ふわっとした理解」で終わらせず、使えるレベルまで身に付けるには、問題を解くことが必要不可欠です。しかし問題が少しでも難しいと、挫折してしまう方も多いでしょう。
そこで本書の演習問題は、順に穴埋めしていくだけで簡単に解けてしまう形式にしました。以下に例を示します。
3. 本書のもう一つの特徴:気軽に読める
ここまでは本書がわかりやすい理由について説明してきましたが、本書にはもう 1 つの重要な特徴があります。これは「2~3 時間で読める*2」ということです。
高校数学の教科書は内容が多く、2 年生までの範囲に絞っても合計 800 ページ以上あります。さらに教科書というものは 1 ページにたくさんの内容を詰め込んでいるので、人によっては 1500 ページや 2000 ページと感じる方もいるでしょう。
一方、本書は「これだけは知っておかなければならない」という基礎に絞って約 200 ページで解説しました。そのため、大学受験などには向きませんが、部活で忙しい中高生、会社で忙しいビジネスパーソンであっても気軽に読むことができます。
はじめての方、学び直しの方の 1 冊目の本として最適です。
4. 本書で学べること
最後に、この本の内容について簡単に記させていただきます。本書では、
などの重要な知識を含め、下図のようなトピックを学ぶことができます。
※他にも、本の最初の方では前述したとおり、中学範囲の基礎知識 (文字式・累乗・ルートなど) も解説されています。
5. おわりに
実は、この本の出版依頼のメールが来たとき、受けるかどうかを 1 週間ほど迷っていました。もちろん過去に 2 冊のコンピュータ書を出した経験があるので本を完成させられる自信はあったのですが、さほど有名でもない私がこのような一般書を出して良いのかという悩みがありました。しかし、日本の教育や知識向上に少しでも役立てればという強い思いが最後の決め手になりました。
このこともあり、今回の本は「絶対に良い本を書かなければならない」という一心で執筆しました。まだ大学 3 年生の若造ではありますが、これまでの 21 年間の人生で得たものすべてを引き出し、どうすればわかりやすくなるのか、どうすれば 1 人でも多くの人に内容を理解させることができるのかを真剣に考えて執筆しました。
ですので、読んだ人には絶対に後悔だけはさせません。
それでは、ぜひ「高校数学の基礎が 150 分でわかる本」をお読みください。