「アンタのおかげで俺はここまで来れた」
黒騎士。それはゲーム時代にも登場した傑物。
7つの天啓を宿し、法外な報酬を求めるが依頼者に勝利を齎すという伝説の傭兵にして……自身の目的のために敵の手を取り、原作主人公たちの敵に回った人物。
凶一郎は自身の目的を果たすために、ダンジョン攻略を目指していますが……原作ではボスキャラになっていた遥やユピテルを味方に迎え入れて、凶一郎自身もアルの猛特訓を受け、ゲーム知識をアルと共有して作戦会議してもなお、勝利確立は3パーセントを切る見込み。
しかも、前提として遥の覚醒が必須という細すぎる綱渡りをする必要があり……切実に戦力が必要だった。
オマケにアルの希望するハードルが馬鹿みたいに高く、そんな水準に居る人物として凶一郎が思い出したのが黒騎士だった、と。
五大ギルドのジラードとの付き合いもあるから、アポイント自体は取れる。しかし、機体のルーキーとは言え、彼らには解りやすい実績が少なく、交渉のテーブルについてもらえるかは不明。
そのため、ジラードに唆されたのもあってクラン「神々の黄昏」が主催するバトルロイヤルに参加し、他の参加者を蹂躙。
そういった知名度と、凶一郎のゲーム知識すら駆使して黒騎士との交渉に臨むことに。
あとがきでも書かれていましたが、目的のために敵と手を組む事すらした黒騎士はこの交渉第一回であっさりと肯いてくれたのでサクサク仲間になってくれたわけですが……。
書籍版は独自ルートに入ることに。自身の過去に踏み込まれたことを不快に思った黒騎士から、仲間になるための条件を設定され凶一郎は個人で「黒騎士に傷をつける」という難題に挑むことに。
凶悪な設定のシミュレーションで、何度も死の恐怖や苦痛を味わいながら、途中折れそうになりながらもくらいついて良く凶一郎の姿に、黒騎士は結構感銘を受けていたみたいですけどね。黒騎士の内面的な描写もあって、結構満足度の高い加筆だったと思います。