誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

Obsidianの下書きをはてなブログに投稿する手順(テンプレートの例付き)

はじめに

以前下記の記事で簡単に紹介した、Obsidianのノートを直接はてなブログに投稿するプラグインを実際にどのように使っているのか、もう少し詳しく紹介します。

Obsidianからはてなブログに投稿するプラグインを試してみた - 誰がログ

大きな前提として、ブログの下書きをObsidianで書きたいということがあります。これは、ブログの記事を書く際にObsidianのほかのノートに書いてあることを参考にすることがあるのはもちろん、ブログの記事に書いたこと(の一部)を後で授業や仕事の資料などで使うこともあるためです。すべてObsidianに入れておくと管理も参照も楽。

また、必須ではありませんが、はてなブログ投稿プラグイン(正式名は "Hatena Blog Publisher")

Hatena Blog Publisherを更新した - kawauso7.c

のほかに下記のプラグインもあるとより楽になります(これらは3つともコミュニティプラグイン、使い方は後述)。

  • Templater
  • Another Quick Switcher

全体の手順

ふだん私がはてなブログに投稿する際は下記のような手順で行っています。

  1. Obsidianで下書きを書く
  2. はてなブログ投稿プラグインで下書きとして投稿
  3. はてなブログの編集ページで確認と微調整
  4. 記事を公開

下書きとして投稿せずObsidianから直接公開状態の記事を投稿するのならもっと簡単で、ここから紹介するいくつかの工夫もたぶん必要ありません。

テンプレートとその使い方

ブログの下書きのテンプレートを下記で紹介していくように準備してあります。Templaterというプラグインのコマンド "Create new note from template" を使うとすぐにテンプレートから新しいノートを作成できるので、それに下書きしていきます。ちなみに、このコマンドには "command+shift+N" を割り当てています(Mac)。新しいノートを作成するショートカットキーが "command+N" なので、似ている方が覚えやすいです。

Obsidianのブログ下書きのテンプレート

テンプレート自体のポイントは下記の通りです。

Properties1: tags(タグ)

ブログの下書きなので、最初から "Writing/Blog/Unpublished" というタグを付けておきます。Obsidianのタグはネストできるのが良いところです(投稿後は手動で外します)。

これは、作業をするノートに移動するのにAnother Quick Switcherというプラグインの "Recent search" というコマンドを使用しているということに関係しています(ショートカットキーは "option+R" を割り当て)。

📘自分だけのObsidian Quick Switcherを作ってみた - Minerva

このコマンドは 1) 呼び出した段階では直近に変更があったノートから表示、2) そこからすべてのノートを対象にインクリメンタルサーチで絞り込み可能、3) ノートのタイトルで絞り込むので通常の検索より目的のノートに到達しやすい、4) 実はタグでも検索可能(タグであることを指定するための記号などは入力しなくても良い)、という特徴を持っていて大変便利です。

つまり、ショートカットキーで "Another Quick Switcher: Recent search" を呼び出して、 "Unpublished" とタイプするとブログの下書き記事が新しく作成された方から並ぶわけです(インクリメンタルサーチなので実際には "unpu" 辺りでもう絞り込まれる)。その後、ノート名(の一部)を入力してさらに絞り込むこともできます。

Properties2: draft-url(はてなブログの下書き管理のページurl)

"draft-url" というのは私が適当に作ったPropertyで、たとえば "draft" とか何でも良いです。

はてなブログは下書きが編集できるページまで辿るのがけっこう手間なので、すぐに飛べるように直接urlを書いちゃっています。はてなブログ投稿プラグインから下書きとして投稿した後、このurlをクリックするとデフォルトブラウザで直接下書き一覧のページが開きます。

コメント(コメントアウト)

記事の上部にコメント(コメントアウト)の領域を設けてあります(%で囲っている部分)。

はてなブログ投稿プラグインはコメントアウトされている箇所を投稿しないという素晴らしい特徴があります。その性質を利用して、この箇所に関連する情報やアイディアを書いておきます。つまり、この部分は記事を書き上げた後に消すといった処理をしなくて良いのです。

いろいろな使い方ができます。私がよくやるのは、何かの記事を読んでそれに関する記事を後で書きたいと思ったらコメントの部分に言及したい記事のリンクだけ書いた下書きのノートを作っておくとか、書く内容や表現に迷ったらとりあえずコメント部分にぜんぶ書いておいて決まったら投稿される部分に採用したものを書く、といったものです。ほかにも、ノート作成時に思いついたアイディアやキーワードだけでもこの部分に箇条書きにしておくと後で書くときに楽です。

[:contents](はてなブログの目次表示)

はてなブログの編集ページで挿入しなくてもこれが投稿されればちゃんとブログ記事で目次が表示されます。

私は目次を使うことが多いので最初から入れてありますが、必要ない場合は消さなければならないので頻繁に使わない人は後から挿入する方が楽かもしれません。

### はじめに(見出しの例)

見出しのレベル(h3)を覚えなくても良いように書いてあります。

せっかくマークダウン記法を使ってて指定が簡単なんだからh2を使えば良いのに…と思うかもしれませんが、はてなブログのテーマがh3からの見出しに対応していることが多いようで、妥協しています。

これも見出しを使わない場合は消す必要があるので、見出しを使わない方が多い人はテンプレートには書かない方が良いのかもしれません。

下書きを書いた後の手順

テンプレートを使って下書きを書いた後の手順については、特に付け加えることはないような気がします。一応改めて書いておくと下記のようになります。

  1. Obsidianの下書きのノートからはてなブログ投稿プラグインのコマンド "Post this note as a draft" を実行
  2. はてなブログに下書きが作成されるので、テンプレートにあるurlから下書き一覧のページに飛ぶ
  3. 下書きを開いて、必要があれば微調整する。私がよくやるのはカテゴリー・タグの指定、「埋め込み」タイプのリンクの挿入、など
  4. 下書きを公開する

おわりに

こうやって文章にしてみると面倒に見えるかもしれませんが、あまり大したことはやっていません。このちょっとの準備でだいぶブログ記事の管理と執筆は楽になりました。特にとりあえず思いついたアイディアとタイトル案だけ考えておいた過去の情報を探すのがObsidianではとても楽です。

この記事では紹介できませんでしたが、Obisidanで書くということはそのほかのプラグインなどの恩恵も受けられるということなので、いろいろ試してみることをおすすめします。プラグインはいろいろありすぎて慣れてない人は迷っちゃうかもしれませんけれど。

また、Obsidianでノートを作成するということはローカルに新しいマークダウンファイルができるということなので、それをほかのアプリや生成AIに渡して作業するといった使い方もできるでしょう。

Obsidianもさいきんけっこう広く名前を見かけるようになってきた感があるので、今後の盛り上がりも楽しみにしています。

子の名付けや名前雑感

子の名付けと名前

下記のまとめを読んで、そういえば自分の子の名付けの際はほかとのかぶりはぜんぜん気にしなかったなあということを思った。

子供の性別が確定したので名前を本格的に考えているが、私が提案する名前全部「職場にいる」「小学校の同級生でいた」って言われて困る - Togetter [トゥギャッター]

名付けについてはいくつかの条件とその優先順位について考えながら決めることが多いだろうから、この「かぶらなそうな名前」というポイントについて思いついたり指摘を受けていたりしたらもっと悩んだかもしれない。

子の名付けの際には、夫婦間で使いたい形態素(漢字ではない)が先に決まっていたので絞り込むのはそれほど大変ではなかった。表記も漢字を含め対応するパターンは限られていたし。

ローマ字表記

子の名前について唯一この条件はうまく達成できなかったというのはローマ字表記にした際に揺れが生じないということだった。ただこれは後に思いがけない副産物があって、コロナ禍本格化以降、習い事などでGoogle Classroomのアカウントを作成する際に、ヘボン式ではアカウント名が取れなかったが訓令式では取れたということがあった。

ちなみにいろいろな子絡みの連絡がGoogle Classroom経由で得られるのはとても助かるのだけれど、アカウントについてはすでに決まっていたり(小学校のタブレット端末)、特定の数字を入れるなど条件を指定されたりで、統一が難しくGoogleのアカウントがいくつかある。個人的には紙の通知を整理し分けるよりは良いのだけれど、こういうのに慣れてない人は大変なんじゃないだろうか。小学校で貸与されるタブレット端末(と呼ばれている重いChromebook)の初期設定の際も「この作業を全保護者がほんとにできてるのかな…」と思ったな、そういえば。

ローマ字表記についても最近話題になっているが、今はこの辺り私より詳しい人がwebにたくさんいるので解説とかを書く機会はないだろう。

個人的には、今の話題が出るずっと前から「長音表記は母音の連続で表す」という方法を応援している(Twitterには書いたこともあったはず)。ただ実際にやると表記が長くなるので採用されないだろうなと思っていたら最近の提案では1つの方法として示されていて、それだけでも嬉しい。

実際にはどれくらい採用されるかなあ。「東京」を「TooKyoo」を表記した方が良いという話なので(「Tokyo」は定着しすぎなので特例扱いとかになるかな)抵抗も大きそう。ちなみに私は英文の例文でたとえば「太郎」という人名を出す際は「Taroo」にします。日本語では長音が弁別的(語や意味の区別に関与する)なので、本来長音かどうかというのはとても重要な情報のはず。さらに母音の表記を重ねるやり方は音との対応や入力のしやすさなど良い点が多い。

子の世代の名前とか「-子」とか

保育園や小学校で出会うほかの子の名前を見ていると、「-子」で終わる名前が本当に少ない。一方、ネットで揶揄の対象になるような一般的には奇抜とされる名前や一見すると読めない名前というのも自分の周囲ではほとんど出会わない。

親の世代には「-子」で終わる名前が多いので、子からなんでみんな「-子」って名前なの?と聞かれたことがあるほど。

ちなみに、「-子」や「-美」などの多くの名前に共通して出てくるものは直感的に切り分けられるだけでなく、実際に形態素として扱った方がアクセントをうまく分析できるという研究があったりする。実はここさいきん人名を対象にした音韻論、形態論、統語論の研究でいくつか面白いものが出ていて自分も少し進めているものがあるもののうまくpublishできていない。

第2回ゲームと言語研究会を開催します(3月26日、オンライン)

丸1年後となってしまいましたが、「ゲームと言語研究会」の第2回を下記の内容で開催します。興味のある方は気軽にご参加ください。

第1回の案内:「ゲームと言語研究会」というのをやってみます - 誰がログ

第1回のスライド:ゲームと言語研究会 第1回の発表スライドを公開しました - 誰がログ

ゲームと言語研究会(第2回)

  • 日時:2025å¹´3月26日(水)15:00-
  • 形態:オンライン(Zoomミーティング)
  • 申込みフォーム(当日まで参加受け付けます):forms.gle/PmpnsnpthjHPxygVA
  • 発表:井原 駿(津田塾大学)「ゲーム世界における発話の意味と解釈」
  • 要旨:この発表では、コンピュータゲーム(主にロールプレイングゲーム (RPG))における様々な発話(例えばキャラクターの発言や呪文・魔法の詠唱、チュートリアルメッセージなど)を取り上げる。ゲーム内での発話を理論言語学(特に意味論・語用論)的な観点から観察することで、現実の世界と比較した際のゲーム世界の特異性について検討する。