下関市教育長・嶋倉剛「朝鮮への植民地支配は歴史的事実に反する」
2008/6/27 産経 “植民地支配”は「史実に反す」 下関市教育長が発言
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080627/edc0806271331002-n1.htm
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/156628
山口県下関市の*1嶋倉剛教育長が、教育補助金の増額の陳情に訪れた山口朝鮮学園の関係者に対し、戦前の日本の朝鮮半島統治について「歴史的事実に反する」と発言していたことが27日、分かった。
下関市教育委員会や同学園によると、学園関係者は26日、嶋倉教育長に対し「植民地支配により日本に渡航せざるを得なかった朝鮮人子弟が通っていることを踏まえ対応してほしい」と要望。教育長は「植民地支配という部分は歴史的事実に反するので受け入れられない」と述べたという。
嶋倉教育長は27日、発言内容を認めた上で「教育行政と歴史の話は関係なく、持ち出すのはルール違反だ。日朝併合の部分をどのように表現するかは自由だ」と話した。下関市は歴史的に朝鮮半島と密接な関係があり、韓国・釜山市と姉妹都市関係を結ぶなど現在でもつながりが深い。
>植民地支配という部分は歴史的事実に反する
全否定してます(笑)
ヤレヤレまたか、といった感じでしょうか。もうこういう自分が教育長という立場にいることを自覚できない人にはさっさとやめてもらいたいですね。てか、同じ下関市出身で村山談話を踏襲し日本の植民地支配を反省した安倍晋三はこれに抗議するのかな。するわけないか(笑)
「植民地」を辞書で調べると、
大辞泉:「ある国からの移住者によって経済的に開発され、その国の新領土となって本国に従属する地域。武力によって獲得された領土についてもいう。」
広辞苑:「ある国の海外移住者によって新たに経済的に開発された地域。帝国主義国にとって原料供給地・商品市場・資本輸出地をなし、政治上も主権を有しない完全な属領。」
どうみても大日本帝国による植民地支配ですね。ただこれだけだと「いや違う。植民地ではなく併合だ。」と言い張る人がいそうなんでもう少し補足しておくと、「併合により朝鮮(外地)は日本本土(内地)と同じ国になったんだから植民地支配ではない」というのなら、当然、朝鮮と日本は法令上の区別もなく同等でなければいけませんよね。では本当に同じだったのか?
韓国は日本の植民地だったという表現は正しい or 誤り? - BIGLOBEなんでも相談室
例えば、
(1)内地(日本本国)と外地とでは法域が異なり別々の法令が施行されていた。
(2)内地では帝国議会が法律を制定したのに対し、外地ではそのような議会は存在せず、総督が制令(朝鮮)や律令(台湾)などを制定していた。
(3)関東州や南洋諸島の外地人には日本国籍が与えられずに帝国臣民としての権利も認められず、台湾人や朝鮮人には日本国籍は与えられたが、参政権や公務就任権、居住・移転の自由、戸籍移動の自由などの権利が制限され、日本国民としての兵役義務を課せられず、内地人と外地人との間に国籍付与の有無や国民の権利・義務について明確な区別が存在した。などから、とても同じ国とはいえないです。典型的な植民地であったと理解するのが正しいですね。
なお、当時の公文書も朝鮮を「植民地(殖民地)」と明記しています。
392 名前:マンセー名無しさん 投稿日:2005/08/18(木) 11:59:10 id:TRyLmDWz
ちよいと相談
ニュースで朝鮮半島を取り合うたびに「日本の植民地・・」と報じている。
私は併合したのだから「日本併合下・・」又は「日本の統治時代・・」と報じるべきだと思う。
日本政府は台湾、朝鮮半島を内閣談話以外で正式に「植民地」と文章で認めてるの?
574 名前:マンセー名無しさん 投稿日:2005/08/20(土) 20:56:59 ID:SL//HhcU
>>392
〇閣議請議案「殖民地官庁雇員ノ俸給最高額増加ノ件」1919.11.3
「今般内地官庁在勤雇員ニシテ特別ノ技術ヲ要セサルモノニ対シテハ一箇月月五拾円ヲ超エサル範囲内ニ於テ俸給ヲ支給シ得ルコトニ閣議決定相成タル処朝鮮総督府、台湾総督府、関東庁及樺太庁竝其ノ所属在勤ノ本邦人タル雇員ノ俸給ニ付テハ…」
→*2アジア歴史資料センター:A01200163700
(公文類聚・第四十三編・大正八年・第十二巻・官職十・官制十・官等俸給及給与二(外務省〜旅費))
〇拓殖事務局『殖民地便覧』1923
「本書ハ我ガ殖民地ト称セラルル朝鮮・台湾・樺太・関東州及ビ南洋群島ニ関スル大正十年中ノ概略ノ計数竝ビ既住数年間ノ比較ヲ掲ゲ以テ大勢ノ推移ヲ知ルニ便ナラシメタリ」
→アジア歴史資料センター:B03041709500
(帝国施政関係雑纂)
575 名前:マンセー名無しさん 投稿日:2005/08/20(土) 20:57:02 ID:SL//HhcU
〇拓殖事務局長「拓殖省設置ニ関スル意見書」1924
「我国殖民地統治ニ関スル中央機関トシテハ内閣総理大臣管理ノ下ニ 拓殖事務局ヲ置キ朝鮮総督府、台湾総督府、関東庁、樺太庁及南洋庁ニ関スル事務ヲ掌ルノ外満鐵、東拓等特殊会社ヲ監督セシム」「惟フニ我国ニ於ケル殖民地ハ日清日露ノ両役、韓国ノ併合竝世界大戦ヲ経テ増大シ…」
→アジア歴史資料センター:A03023581500
(公文別録・内閣・大正十二年〜昭和十九年・第一巻・大正十二年〜昭和八年)
〇朝鮮軍「朝鮮ニ於ケル青年訓練ニ関スル件」1929
「大正十五年内地ノ青年訓練ノ施設創設セラルルト共ニ殖民地ニ於テモ出来得ル限リ青年訓練ヲ実施スヘキ旨ヲ閣議ニ於テ決定セラレシモ朝鮮人ノ取扱方等ノ特種ノ事情ニヨリ荏苒日ヲ閲シ昭和三年ニ至リ教育当局ノ交迭ト共ニ朝鮮ニ於ケル教育制度ノ根本改革ヲ為サントシ当時僅ニ三割ノ就学率ニ過キサル小学教育ヲ拡張シテ一面一校主義ヲ採リ別ニ国民学校ヲ設ケテ青年訓練ヲ為スノ案ヲ立テシモ…」
→アジア歴史資料センター:C01001106400
(大日記甲輯昭和04年)
【追記】
こちらの朝日の記事は地方版にあったため今まで気づきませんでしたが、今回のトンデモ発言の経緯、朝鮮学校への助成金額、下関市内で使われている教科書の記述などけっこう詳しく書いてあります。嶋倉教育長の発言要旨だけ抜粋しておきます。
2008年06月28日 asahi.com:植民地支配 認識に溝/下関市教育長発言-マイタウン山口(魚拓)
嶋倉教育長 発言の要旨
嶋倉剛教育長が朝鮮学校関係者との面会や記者会見で述べた要旨は次の通り。
いまの話で植民地支配と言うことに部分については歴史的事実に反しますので、それは私の方からそういう形では受け入れられない。植民地支配だということを前提に、そういう日朝併合の部分をいかにいうかは自由です。それを植民地支配だったと事実関係を変えて語ったんでは全然、事実関係は進まない。そこの部分は日朝交渉でちゃんとやっていただければいい話。そこの部分がどうだったか、皆さん方の教育に対してどのような影響があるのかは議員連盟の方でちゃんと話をしてほしい。(26日、朝鮮学校の保護者側の発言を受け)
併合は植民地だという意識はない。(併合は)対等だ(27日午前、記者会見)
私は26日の(助成の)要望において相手から筋違いのお話が突然出されたため、その話に立ち入ることを否定する発言を行った旨を説明したものです。私は当然のことながら下関市の教育行政を行うにあたり、政府の見解を尊重するものです。(27日午後、報道各社へのコメント)
どうやら嶋倉教育長は27日午後になって「教育行政を行うにあたり、政府の見解を尊重する」とのコメントを出したようなので、このまま問題の発言は訂正しないで誤魔化すんだろね。
*1:嶋倉剛教育長は、元文科省科学技術・学術政策局調査調整課長。参照:http://209.85.175.104/search?q=cache:0WtbW4xqDFcJ:mainichi.jp/area/yamaguchi/archive/news/2008/05/27/20080527ddlk35010818000c.html+%E5%B6%8B%E5%80%89%E5%89%9B&hl=ja&ct=clnk&cd=8&gl=jp&lr=lang_ja&client=firefox-a
*2:12文字の半角英数字はアジア歴史資料センター>資料の観覧>レファレンスコード検索で原本の確認ができます。