関電の原発用のMOX燃料、1体約11億円に 20年間で倍増なぜ
室矢英樹 佐藤常敬
関西電力が、原発向けに輸入したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の価格が、1体あたり約11億円に上ることが財務省の貿易統計でわかった。価格はこの20年余りで2倍に膨らんだ。価格について関電は「契約上の守秘義務があり、回答を差し控える」と公表していない。
MOX燃料は原発の使用済み核燃料からプルトニウムを回収し、ウランと混ぜ合わせたもの。MOX燃料を使うプルサーマル発電は核燃料サイクル政策の柱とされている。国内では、使用済み核燃料の再処理工場とMOX燃料加工工場(いずれも青森県六ケ所村)が操業しておらず、電力各社は海外での再処理と加工に頼っている。
4基にとどまるのに
関電は昨年11月、福井県高…
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- 【視点】
20年余りで2倍に膨らんだMOX燃料の価格。取材記者は貿易統計からの独自調査でその数字を把握したが、関西電力は「契約上の守秘義務」を理由に非公表としている。長年にわたり、原子力関連の情報開示に消極的な電力業界の体質を改めて印象づけた。 2
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