概要
種類 | 超人系 |
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特性 | 揺れ(振動・震動(地震 ※1)) |
概要 |
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能力 |
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弱点 |
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形 | (実の形等は不明) |
色 | (実の色は不明) |
備考 |
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※1「地震」は、厳密にはグラグラの実の能力の特性として不正確なのだが、作中では地震を起こす能力として知れ渡っているので、一応『特性』の覧に記述している。詳しい理由などについては、『本当に地震の能力なのか?』の項目を参照。
※2 「津波」についても、グラグラの実の能力の特性と混同して解釈されてしまうこともあるが、それは能力による影響が海底にも大きく伝播したことで誘発された現象に過ぎないと考えられるので、グラグラの実の特性と直接的には無関係の力である。
※3 「海震」は、作中とゲームの両方で使用されている言葉なのだが、原作での言葉は、能力者本人が技名として叫んだことはなく、海軍側が普通に発言していたことから、あくまでも水中・水上において揺れが発生したからそのように発言しただけに過ぎないと考えられるので、能力による技名として発言したものではないと捉えるのが自然。ただ今後は、原作でもはっきりと技名として扱われる可能性もあり、現能力者に期待がかかる。
解説
超人系の悪魔の実の1つ。
食したものは振動を操ることで、あらゆるものを揺り動かすことができる「振動人間」になる。
ただ作中では四皇“白ひげ”エドワード・ニューゲートや“黒ひげ”マーシャル・D・ティーチのように大地や海を大きく揺らすほどに実の能力を引き出す能力者だったため、「震動人間」と呼称される(振るは人工的な揺れ、震えるは自然的な揺れを表す)。実際にSBSでは、白ひげの能力の強さにあわせて、こちらの言葉が使用されている。
つまり分かりやすく言えば、グラグラの実は揺れそのものを操る能力である。
当初の能力者だった白ひげはその規格外の強さから「地震人間」とも呼称された。
超人系の中でも最強の攻撃力を有すると言われ、この能力の恐ろしいところは性質上、能力者が発揮する振動の強さと環境次第で地震や津波などの大規模な自然現象を簡単に誘発できてしまう点だ。実際に四皇クラスの実力者が使用すれば、強く振動の能力を発揮することで、歴史に残る巨大地震に匹敵する規模(最低でもM(マグニチュード)8前後以上の規模)の地震を引き起こすほどの震動として規格外なポテンシャルを発揮できる。(因みに巨大地震であるM8クラスの地震は、長さ約100km・幅数十kmもある断層が一度に6m以上ずれ動き、それよりもひと回り大きいM9クラスの地震では、長さ約数百km以上・幅約200kmに及ぶ断層が一度に30m以上ずれ動くほどの破壊が起きる大きさが目安なので、グラグラの実はこのことからも、如何に恐ろしいポテンシャルを持っている能力であるかが分かるだろう。)
能力により大気にも触れることができるようになり、大気を殴りつければ大気にヒビをいれ、その振動は圧倒的な「衝撃波」となってかけめぐる。ただし空気の振動とはすなわち音であるため、ナギナギの実の能力者には無効化される可能性がある。
実際に、海の付近で能力を行使すれば、島一つをあっさり沈めることが可能な大津波を引き起こし、大地を殴れば、底の見えない巨大な地割れが発生する。
大気に触れられることを応用し、つかんだ大気をたたきつければ、島や海を丸ごと傾かせる(一瞬、天地がひっくり返ったと錯覚するほど)こともできる。
劇中では周囲の海ごと島一つを大きく傾ける程度だったが、ゲーム作品などでは一瞬ながらも本当に天地がひっくり返り、敵が「空に落ちていく」というとんでもない光景を目にすることもできる。
また、振動を直接相手の体に叩き込んだり、武器に纏わせ、一気に開放し巨大な衝撃波を生むことも可能。
直撃すればどんな武装も意味を成さずに破砕され、巨人族の海軍本部中将すらも一撃で沈んでしまう。
たとえ拘束されても海楼石などで能力を封じなければ、内側から振動を起こすことで、拘束具は振動の力に耐えきれず破壊されてしまう。特に揺れの力が大きければ、よほど頑丈な構造物でなければとても耐えきれない。
このようにグラグラの実の能力自体のポテンシャルは非常に高いのだが、それはあくまでも悪魔の実の能力そのものが持っている強さに過ぎず、それを如何に強く効果的に発揮できるかについては全くの別問題。実際に、SBSでも「能力の強さと能力者の強さはイコールではない」ということははっきり言われていることである。
つまり、どんな能力も使い手が能力を使いこなせるだけの力量・技術などが伴って多くの使用幅を広げているからこそ、能力もより強力な使い方ができる程に昇華されていることが殆どで、能力者当人の力を超越するようなより力の大きい攻撃を繰り出すには、それをコントロールできるだけの力が必要となる。
このことから、使用者が実力者であったからこそ、上記のようなより強大な力(振動どころか震動の力)になったと言える。特に地震・津波などの誘発能力は、膨大な強い振動を地下にまで伝播させなければ起こすことはまず不可能なので、白ひげや黒ひげのような能力者の規格外な強さは必須条件。つまり、一般的な能力者であれば、グラグラの実の能力を得てすぐに大地震を起こそうとしても、発揮できる振動のエネルギーが致命的に不足しているなどの問題があるので、能力を使いこなすために年単位で必要なことを根気強くやらないと実現できるものではない。
また、絶大な破壊力と影響範囲のため、使いどころを間違えると味方にまで甚大な被害が及んでしまうのも欠点。
能力者
当初は”世界最強の男”と呼ばれた四皇”白ひげ”エドワード・ニューゲートが能力者だった。
白ひげ本人の規格外な高い戦闘力も相まって、マリンフォード頂上戦争では「世界を滅ぼす力」と呼ばれる程にまで磨き上げられていた。
しかし、老齢・持病による身体の限界、更に"黒ひげ"マーシャル・D・ティーチによる集中攻撃が致命傷となり戦死。
グラグラの実の能力者は姿を消したかに見えた。
だが、黒ひげは白ひげの遺体とともに黒い布の中にこもり、出てきた途端にグラグラの能力を披露。
このため、グラグラの実は作中で初めて2人以上の宿主が描写された悪魔の実となり、悪魔の実のメカニズムを読者が知る上で重要なヒントを与えた実となっている。
本当に地震の能力なのか?
グラグラの実の能力は、作中では大地や海を揺らすほどに規格外な力として発揮できるのが特徴的で、さらに一般的には「地震=地面の揺れ」と認識されていることから、多くの者からは地震の能力として広く認識され、「地震人間」「地震の力」などと呼ばれている。なので、一般的な場面で使用する分には「グラグラの実は地震を起こす能力」という解釈でも問題はない。
但し「地震」という言葉には、前者のように一般的に使用される「地面の揺れ」のほかにもう一つ、専門的に使用される「岩盤がずれ動く現象」を表す意味もあるので、実際には2種類の意味を持っているのだが、能力の特性として把握する場合は、後者の専門的な意味で解釈するのが相応しいため、「地震によって発生する揺れ=地震動」として認識するのが正確。その理由は以下の3つ。
- 作中で一般的な意味で解釈すると、能力の特性を十分に説明できない
実際に、作中では地面以外の海や空を揺らす描写も存在する。さらに詳細に見ていくと、対象物は自然物だけではなく、能力者自身が内部から揺れを起こすだけで、地面は揺れていない描写もちらほらあるので、明らかに「地震の能力」と呼ぶには無理がある。つまり「地震」は、意味自体が揺れを起こす対象物を地面に限定しているので、作中で描写されている能力は一般的な意味では特性を十分に説明できない。
- 作中ではグラグラの実の能力関連で、専門用語を扱う描写もあるので、一般的な意味での解釈は相応しくない
マリンフォード編後半では、能力関連で「震源 ※」という専門的な言葉を使用する描写があるので、一般的な意味で解釈してしまうと、意味不明な理解になってしまう。実際に作中には能力の影響で、「マリンフォードを震源とする地震により シャボンディ諸島南方沿岸に大津波警報発令!!」と警戒を呼びかける描写が存在している。
※「震源」とは岩盤の破壊開始点を指す言葉。なお、マグニチュード(地震の規模)が大きいと、破壊の伝播が震源付近には留まらなくなるので、地震は震源だけで発生するものではない。
- 作中やSBSでは、グラグラの実は「振動」「震動」という言葉を使用している箇所がある
作中では“青キジ”クザンが「振動」という言葉を使用する描写がある。一方で、SBSでは能力解説で、能力者(白ひげ)の能力の強さにあわせて、自然的な揺れを表す「震動」という言葉を使用している。
そのことを踏まえた上でグラグラの実の能力の「地震」を考慮すると、作中の能力と地震現象は意味が全く異なっていることから、能力の特性と直接的に無関係だということが分かる。つまり「地震」は、グラグラの実の能力によって誘発された現象の一つなので、グラグラの実の特性に該当する能力ではない。(一般的な意味で解釈しても、あくまでも「震動」に属す現象の一つなので、それでも特性の説明としては不十分である。)
このように「地震」は2種類の意味として使用され、それぞれ場面によって意味の解釈が異なってくるので、作中でも使用場面に十分注意が必要になる言葉である。迷ったときは地震という言い方を控え、「グラグラの実=揺れの特性を持った能力」とするのが最も無難だろう。
「グラグラの実の能力の特性=揺れ(振動・震動)」ということを正しく認識できている者は、はっきりと確認できる者だけでもクザンのみで、能力の特性を正確に把握できている者は実力者を含めてもごく少数。つまり、作中のグラグラの実の能力においては、地震や能力に詳しくない素人の発言が目立つので、読者自身が地震に対してのある程度の専門的な基礎知識を持っていないと、能力の特性を正しく見極めるのは極めて難しいので、読者の間でも「グラグラの実は地震の特性を持った能力」と勘違いされてしまうことが非常に多い。
ただ岩石の割れ目が壊れたことで、それが周囲に地震波として伝播していく揺れが起きる現象が地震発生の仕組み。つまり、グラグラの実の能力における大気に割れ目を作って破壊することで、それが振動として地震波のように衝撃波として周囲に伝播して揺れを起こす現象自体は、地震発生の仕組みと非常に酷似している。このことからグラグラの実による「地震」というのは、「大気にヒビを入れる=地震を起こす」「振動(震動)が周囲に伝播する=地震波が伝播して揺れを起こす」という意味にも捉えられるので、「地震を起こす能力」と呼んでもあながち間違いではない部分はある。
覚醒しているのか?
悪魔の実の能力には覚醒という段階があり、超人系の場合は自身の能力が周囲に影響を及ぼすようになる。
例としては
仮にグラグラの実の基本能力が「振動を伝える能力」で、覚醒能力が「物体を傾ける能力」なのだとすれば、能力を一度も使ったことのない黒ひげが最初から使えることに矛盾が生じる。
事実、黒ひげが島や海を傾かせたときは、それを完全にコントロールできるだけの力を有していなかった。
一度覚醒した能力は、他者が引き継いでも覚醒能力まで使えるということなのか?
「衝撃波」に関しては発生していないことも多くあり、黒ひげが能力者になった際には発生している描写が一つもないため、覇気の技術による白ひげ本人の覇気であった可能性もある。
ただ、全盛期はロジャーと互角に戦えた(ロジャーの死後は名実ともに世界最強の大海賊だった)白ひげが、『悪魔の実の覚醒というステージに到っていない』とは考えにくいため、作中で描写されたいずれかの描写が『覚醒』によるものか、あるいは『老齢のために全力で戦えていないため、悪魔の実の覚醒を引き出せなくなっている』かのどちらかだと思われる。
余談
東北地方太平洋沖地震による影響
アニメ版でこの実の能力が初登場した当時、近畿広域圏を放送域としていた関西テレビは、フジテレビ系主要局同時ネットから丁度1週遅れで同番組をネットしていた。
ところが、2011年3月11日に東日本大震災が発生。フジなど最速局ではこの放送が行われた後だったのに対し、関西テレビではちょうど3日後に放送を控えた状態で震災を迎えた……。
当然翌日曜日は全局で放送が延期となったものの、この実の能力があまりにダイレクトに直近の災害とリンクしてしまうことになってしまったため、関西テレビでは翌々週以降も放送期間を出来るだけ先延ばしすべく特別編を一定期間放送。
その結果最速局から6週にも及ぶ遅れが発生してしまい、長らくこの遅れが解消されなかった。
翌2012年8月に夕刻以降の時間を利用して当初遅れ分の5話を一挙放送し震災以前の1週遅れに戻したあと、2016年春の番組改編時期を利用して1時間放送を実施し、最速系列局との同時ネットに復帰。
この時の遅れを挟み、2006年10月の朝ローカルセールス枠以降以来9年半ぶりに最速系列局への復帰となった。
歴史に残る巨大地震の大きさ
歴史に残る巨大地震の規模はM8クラス以上のことを指すことが多く、震源域(岩石の破壊範囲)は数百km以上に及び、スーパーサイクルのようなM9クラスになると地震波が地球を数周以上する(数十万km駆け巡る)程巨大。
実際に東北地方太平洋沖地震の震源域は南北約500km・東西約200kmに及んでおり、およそ10万㎢にわたって破壊が及んだ。
また、地震の力はM7とM9は一見すると差がそこまでないように思えるが、実はM2違うだけで1000倍近くもエネルギーに差がある。
ここでも大津波を引き起こすほどの巨大地震の凄まじさが窺える。