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概要

種類超人系
特性
  • 揺れ(振動・震動)
    • 地震(揺れの性質を応用した強い力によって、地震を引き起こすことができる能力)※1
概要
  • 振動を操り、波動として伝播させることによって、あらゆるものを揺れ動かすことができる
    • 強く揺れ動いたものは、最終的に「揺れ⇒破壊」につなげることができる
    • 「揺れ⇒破壊」というプロセスを大気に応用することで、地震の再現を行える(以下は地震の比喩)
      • 大気=プレート
      • 大気のヒビ・ずれ=地震(断層破壊)
      • 大気の破壊開始点=震源
      • 大気の破壊領域=震源域
      • 大気破壊によって発生した空振(くうしん)=地震波 ※4
      • 大気破壊による空振の影響を受けた対象物の揺れ=地震動 ※4
  • より強い振動を伝播させ、大きな対象を大規模な破壊につなげることができれば、その衝撃で周囲を震動させることができる
    • 強く震動した大地は、地震(岩盤の破壊・ずれ)を引き起こすことができる
仕組み
  • 発生機構(揺れの性質による「地震発生メカニズム」)
    • 能力が強くなると「揺れ⇒破壊」の力に発展し、そのプロセスが力尽きるまで、現象が大きくなりながら繰り返されて次々と連鎖していく仕組み
  • 発生プロセス
    • 強い振動として発揮されると、大規模な現象に次々と発展する複雑なプロセスとなっている
      • 【振動「揺れ」⇒「破壊(大気破壊⇒空振)」】⇒【震動「揺れ」⇒「破壊(地震⇒地震波⇒地震動)」】 ※4
      • 余力を残していた場合、陸・海・空で発生する「震動」のプロセスが再び繰り返されることになる
  • 「揺れ」の能力によって誘発される可能性のある自然現象
    • 空振(大気が割れた場合)※4
    • 地震(大規模な大気の破壊による強い空振が発生した場合・能力の影響で地殻に応力変化が起きた場合) ※2 ※4
    • 地滑り・山体崩壊(大規模な大気の破壊による強い空振が発生した場合・強い震動(地震動)の影響を受けた場合)
    • 津波(海などがある環境で大規模な地学現象が発生した場合)※6
    • 噴火(火山地帯で大規模な地殻変動が起き、マグマ活動に何らかの影響を及ぼした場合)
能力
  • 体の内部から振動を起こせば、ヒエヒエの実の能力による氷などで拘束されても、破壊して脱出することができる
  • 自身の体の一部や武器に「振動」を「波動」として纏うことで、揺れの力を伴った強力な攻撃として繰り出すこともできる
    • 武器に纏った「振動」を飛ばすことも可能である
    • 強い振動を伴った攻撃の場合、大気にかかる応力の状態によっては、以下に記述している「“プレート内地震”の再現」に発展させることもできる ※2
  • 大気をプレートのように扱い、自身の強い振動を利用した強大なパワーで、大気に強い衝撃を与えることで、あらゆるタイプの地震を再現することが可能 ※2 ※3
    • 大気にヒビを入れることで、その衝撃で生まれた振動を大気の圧力波として伝播させる「空振」として攻撃できる(=「プレート内地震」の再現) ※4
    • 大気を一気にずれ動かすことで、それによる大きな衝撃で発生した猛烈な空振が周囲の陸・空・海の空間全体に伝播して大きな揺れを起こし、しまいには島を一時的に大きく傾かせることもできる(=大規模な「プレート境界型地震」の再現)※4
    • 大気による地震の再現は、強大になると「震動⇒地震」というプロセスに移行するため、環境次第では、以下のような大規模な自然現象を容易に誘発させることができてしまう
      • 地震を誘発させることで、海震を起こして海を歪ませることもできる ※5
      • 「海上に猛烈な空振が通過したこと」「海底で起きた規模の大きな地震が発生したこと」などによって、津波を誘発させることもできる ※6
利点
  • 「揺れ⇒地震」という超人系最強に相応しいポテンシャルを持つので、戦闘において非常に有利な能力である
  • 「プレート境界型地震」の再現は、能力で再現できる地震の規模が元々大きい力ということもあって、実力者も含めて周囲の大勢の敵を大きく減らせる可能性がある
弱点
  • グラグラの実は超人系の中で最強クラスのポテンシャルを秘めているため、膨大な能力として扱う際、能力者の実力と扱い方・能力を扱う場面次第では、能力のコントロールに細心の注意を払う必要がある
    • 能力の力の扱い方が分からずに、コントロールしきれていない状態で扱うのは非常に危険なため、正しく能力を使いこなせるようになってから実戦に活用するのが理想である
      • グラグラの実はポテンシャル自体は非常に高く、力が強い分、能力者の実力がそれに追いついていない状態で能力を扱ってしまうと、その持て余した力に振り回されてしまうので、周囲を危険にさらし兼ねない ※7
    • 海の付近・火山地帯となっている場所で人が多数いる環境で扱うと、不測の事態を招き、二次災害を誘発する懸念がある上、強すぎると影響範囲が超広域になる可能性がある
    • 「プレート境界型地震」の再現は、元々規模が大きい力ということもあって、以下のようなデメリットが存在する
      • 巨大地震を引き起こすのと等しいので、被害を拡大させるリスクがある以上、何回も多用できない
      • 巨大地震を引き起こすのと等しいということは、当然使用するエネルギーも桁違いなので、最初は例え強者ですらもコントロールが容易ではない ※7
  • 海底の震動などによって津波も引き起こすこともできるが、能力の扱いに長けたヒエヒエの実の能力者のように相手が津波を防ぐことが可能な力を持っている場合は、津波の効果は発揮しない
  • 「地震」は、外部の強大な力によって岩盤に複雑な応力がかかり、最終的に耐えきれなくなって岩盤に破壊やずれが生じたことで揺れが発生するものなので、能力のときも同様に外部の力となる能力者の強さと振動の強さの両方が規格外に強くないと、大気で「地震」を再現するということは不可能 ※2 ※7
(実の形等は不明)
(実の色は不明)
備考
  • 能力の強大さに「世界を滅ぼす力」と称されている
  • 超人系の悪魔の実の能力の中でも最強と呼ばれ、自然系にも引けを取らないほどの高いポテンシャルを持つ能力である
  • 能力による「地震」については、専門的な内容が含まれている(作中で登場する地震関連の用語の例:「震源」「海震」「津波」「大津波警報」)

※1「地震」は、厳密には比喩表現として扱うことを除き、グラグラの実の能力の特性(本質)にイコールとして結びつけるのは不正確(「地震を起こす」という解釈の仕方を分かりすく別の能力であるマグマグの実で例えてみると、「能力の特性=マグマ」であるにもかかわらず、それを「能力の特性=火山噴火を起こす」という認識を持っているのと同じなのである)。しかし、作中では地震の能力として知れ渡っており、能力の一部の発揮方法は地震と同じなので、一応『特性』の覧に記述している。詳しい理由などについては、地震現象についての前提知識が必要なため、『能力の正体と地震の前提知識』の項目を参照。

※2 「応力」とは、地殻などの物体に外力が加わった場合に、その変形に抵抗しようとして内部から生じる力の大きさのこと(能力で大気に触れることができるためこちらの用語を使用するが、地震波のように空振として伝播した場合は「圧力」として記述)。専門用語では「ストレス」とも呼ばれる。なお、作中における地震を引き起こす原因である外力は、グラグラの実の能力者の能力を利用した力のことで、それが強いと大気破壊が起きて揺れや地震が発生する。

※3 「大気に触れる」は、他のドアドアの実ニキュニキュの実なども同じく大気に干渉している能力なので、別にグラグラの実に限った話ではない上、それはあくまでも能力によって行えることの一つに過ぎないので、能力の特性に該当する要素ではないということにも注意。

※4 「空振」は火山噴火や爆発などによって、周囲の大気中に振動が伝播していく(空気が振動する)現象なのだが、作中では大気にも利用し、しかも衝撃波のようなものが発生しているため、こちらの用語を使用している。因みに「からぶり」とは読まないので注意。

※5 「海震」は、作中とゲームの両方で使用されている言葉なのだが、原作での言葉は、能力者本人が技名として叫んだことはなく、海軍側が普通に発言していたことから、あくまでも水中・水上において揺れが発生したからそのように発言しただけに過ぎないと考えられるので、能力による技名として発言したものではないと捉えるのが自然。そもそも、「海震」とは水中や水上などで発生した地震動のことを指す言葉で、海の面積の方が大きい作中世界では地震が発生するとこちらの用語もよく使用されている。ただ今後は、原作でもはっきりと技名として扱われる可能性も否定ではできないので、現能力者に期待がかかる。

※6「津波」についても、グラグラの実の能力の特性と混同して解釈されてしまうこともあるが、それは空振やその影響によって海底にも大きく伝播して震動を起こしたことで、海を大きく持ち上げって誘発された現象に過ぎないと考えられるので、グラグラの実の特性と直接的には無関係。

※7 グラグラの実に限らず、全ての悪魔の実の能力に言えることである。

能力の正体と地震の前提知識

グラグラの実の能力は、作中では大地や海を揺らすほどに規格外な力として発揮できるのが特徴的で、さらに一般的には「地震=地面の揺れ」と認識されていることから、多くの者からは地震の能力として広く認識され、「地震人間」「地震の力」などと呼ばれている。なので、一般的に使用する分には「グラグラの実は地震を起こす能力」という解釈で全然問題はない。

しかし、SBSの情報や能力を発揮する仕組みから考慮すると、「地震」はグラグラの実の能力から最終的に発展した自然現象に過ぎないので、「地震の能力」という言い方は正確ではない。それは地震や自然災害に詳しい者が作中やSBSの情報をよく見れば、即座に分かる

グラグラの実は、地震や揺れの専門的な内容も含まれていると考えられる以上、それを把握するには前提知識が必要となる。

能力の正体

能力の特性を把握する場合、「グラグラの実は地震を起こす能力」という認識では、あまりにも不可解な点が多く、全く説明できない現象が多いので、信憑性が疑問視される。実際に作中をもう少し詳しく見ていくと、「地震を起こす」は周囲の者が外見で判断して発言しているだけに過ぎないので、能力の本質の説明には一切迫っていない。

地震についてよく知らない一般的な読者からすると、グラグラの実の特徴的な描写が目に焼きついてしまい、自然と「グラグラの実の特性は地震を起こす」という認識なって特に疑問を持つことはないので、誰が見てもあっさりと錯覚してしまう。そのため、地震に対してもある程度詳しい読者でないと、「地面の揺れを起こす能力」という解釈では十分に説明できない能力であるということに気づくのは至難の業だろう。

つまり、地震の基礎的な知識や仕組みの把握も皆無な状態である限りは、どれだけ作中や情報を見たところで、能力の正体を知ることも、能力を発揮する仕組みや大気を扱った技の表現を把握することも、最初からできるはずがないのは当然のことである

なので、「グラグラの実の能力≠地震を起こす」である理由については、専門的に使用される地震とは何か、地震の正体とは何なのかということを理解する必要があるので、少し地震学について簡単に触れながら解説していく。

そもそも「地震」という言葉には、一般的に使用される「地面の揺れ」のほかにもう一つ、専門的に使用される「岩盤が破壊される・ずれ動く現象」を表す意味もあり、実際には2種類の意味を持っているのである

能力の特性として把握する場合は、以下の3つの理由から、後者の専門的な意味で解釈するのが相応しいため、「地震によって発生する揺れ=地震動」として認識するのが正確なのである。

  • 作中で一般的な意味で解釈すると、能力の特性を十分に説明できない

実際に、作中では地面以外の海や空を揺らす描写も存在する。さらに詳細に見ていくと、対象物は自然物だけではなく、能力者自身が内部から揺れを起こすだけで、地面は揺れていない描写もちらほらあるので、明らかに「地震の能力」と呼ぶには無理がある。つまり「地震」は、意味自体が揺れを起こす対象物を地面に限定しているので、作中で描写されている能力は一般的な意味では特性を十分に説明できない。

  • 作中ではグラグラの実の能力関連で、専門用語を扱う描写(または、専門的な意味で使用している発言)もあるので、一般的な意味での解釈は相応しくない

マリンフォード編後半では、能力関連で「震源」という専門的な言葉を使用する描写があるので、一般的な意味で解釈してしまうと、意味不明な理解になってしまう。実際に作中では能力の影響で、マリンフォードを震源とする地震により シャボンディ諸島南方沿岸に大津波警報発令!!と警戒を呼びかける描写が存在している(「白ひげ(黒ひげ)を震源として地震を起こす」などと能力者を震源とするような意味で解釈している者も多いのだが、そもそもこのような言い方はしない)。

さらに、黒ひげが全てを破壊する“地震の力”と発言している場面も、一般的な意味で解釈してしまうと説明することができない。

  • 大気を利用した能力の発揮方法を一般的な意味で把握してしまうと、その仕組みや表現が全く説明できない未知の現象だということになってしまう

大気を利用した能力の発揮方法については、一般的な意味である「地面の揺れ」として認識していると、全く説明ができないのである。なお、能力の発揮方法については、上記の項目で仕組みや何の地震を再現しているのかを解説しているので割愛する。

また、再現している地震が何なのかを理解するには、先にあらゆる実物の地震のタイプを知らなければならならないので、その点についても勉強する必要がある。

つまりこの場合の「地震を起こす」というのは、直接的に揺れを起こす現象を指すのではなく、意図的に「外部の力」を加えることで、地殻などに働いている応力を強制的に変化させて歪を蓄積させることで、破壊やずれを起こす現象という意味になる。つまり、グラグラの実を利用して破壊やずれを起こすには、何らかの外部の力が必要となるので、「グラグラの実の能力の特性=地震を起こす」ではなく、「グラグラの実の能力の特性=地震を引き起こす原因となる“外部の力”」というのが正しい解釈となるのだ。

その「外部の力」が何なのかを作中の描写と公式情報を見ていくと、グラグラの実関連で作中とSBSに記述されているある言葉にたどり着く。その言葉が「振動・震動」、すなわち揺れ自体を指す言葉だ。実際にこれらの言葉は、作中において「振動」という言葉が用いられ、クザンが発言している一方で、「震動」は、SBSにおけるグラグラの実の簡単な解説で使用されている言葉である。

「揺れ」であれば、「強い振動の発揮・共振現象の発生・さらに能力者の異常な力」と、能力者の能力を利用した複雑な強い力によって「破壊」に変える説明はいくらでも可能である。

そのことを踏まえた上でグラグラの実の能力の「地震」を考慮すると、作中の能力と地震現象は意味が全く異なっていることから、能力の特性と直接的には無関係だということが分かる。つまり「地震」は、グラグラの実の能力によって誘発された現象の一つなので、本当はグラグラの実の特性に該当する能力ではないのである(一般的な意味で解釈しても、あくまでも「震動」に属す現象の一つなので、それでも特性の説明としては不十分である)。さらに、グラグラの実の能力を「地震を起こす」として解釈していると、

  • クザンの発言とSBSの情報で判明した「揺れ関連する言葉」を、一切無視したことになってしまう
  • 「地震」の意味には、何れも無駄な言葉(岩盤・地面)が入っており、揺れや破壊を起こす対象物を限定してしまっているので、特性の説明として不十分
  • 作中で能力を使用した描写はすべて、地震が起きていなければならないことになってしまうので、一部の描写は全く説明ができない未知の力だということになってしまう(例:「白ひげがクザンの氷を振動で割った描写」など)
  • 能力で地震を起こすメカニズムの説明が一切されていない
  • SBSにおける能力解説では、「地震を"起こせる"」という単に直接的に地面を揺らすことを指すような言葉は使用せず、「地震を"引き起こせる"」という何らかの力によって地震が発生させることができるような意味合いとしてとれる原因と結果を強調する言葉の方が使用されている

以上のような点で問題が発生するので、このことからもSBSの情報も含めてグラグラの実の能力の属性は「地震」ではなく、「揺れ」として認識した方が自然なのである。

これで『概要』に記述した「グラグラの実の特性=地震を起こす」という解釈は、別の能力で例えると「マグマグの実の特性=火山噴火を起こす」という解釈をしているのと同じだとする理由が把握できただろう。

「地震」は2種類の意味として使用され、それぞれ場面によって意味の解釈が異なってくるので、作中でも使用場面に十分注意が必要になる言葉である。

迷ったり、仕組みがいまいち難しくて把握できないのであれば、「グラグラの実=揺れの特性を持った能力で、それを利用した強い力によって引き起こせる現象の一つが"地震"である」とだけ把握しておくのが最も無難だ。このように仕組みや特性が、作中を一見しただけは分かりずらい能力は、覚醒能力も含めて他にもある(その中ではオペオペの実が好例)。

地震関連で使用される用語・仕組み

上記を踏まえた上で地震の用語を解説する。グラグラの実における大気を使用した地震の再現は、簡単な前提知識が必要だ。なお、地震の種類は簡単に解説しているが、厳密にはこんな単純に説明できる現象ではない。なお、「マグニチュード(M)」については、『解説』の項目で解説しているので、割愛する。

用語意味や備考
地震岩盤の破壊やずれのこと。断層破壊とも呼んだりする。専門的には一般的に使用される意味とは違う。
震源岩盤の破壊が始まった場所。地震情報などで「✕」で表記される。
震源域岩盤の破壊領域全体
地震波地震によって発生した波。地震波が通過すると揺れが発生する。地震波は実体波と表面波に分かれ、実体波は学校で習うP波とS波・表面波はラブ波とレイリー波というものがある。能力を把握する場合は単に地震波という認識で十分であり、細かく波を分ける必要はない。
地震動地震によって発生した揺れ。気象庁では揺れの大きさを0~7までの10段階に分けた「震度」、長周期地震動(長い周期の揺れ)の大きさを4段階に分けた「長周期地震動階級」として表している)
プレート地球の表面を覆ている分厚い岩盤(日本では、「太平洋プレート」「北米プレート」「フィリピン海プレート」「ユーラシアプレート」と大雑把に4枚で構成されている)※
プレート内地震プレートの内部が割れて発生する地震。その中でも大陸プレートの内部で発生する地震と、海洋プレートの内部で発生する地震に分かれる。代表例では兵庫県南部地震・令和6年能登半島地震・北海道東方沖地震・昭和三陸地震など
プレート境界型地震海洋プレートの沈み込み運動に伴って大陸プレートが引きずり込まれていき、限界近くまで歪を溜め、耐え切れなくなって跳ね上がる地震。プレート間地震とも呼ばれ、このようなメカニズムで発生する地震はプレート同士が近づき合う「収束型境界」で起きる。代表例では、東北地方太平洋沖地震や大正関東地震、現在騒がれている南海トラフ巨大地震など。なお、プレートの境界で起きる地震は上記のメカニズムだけでなく、場所によってはプレートが遠ざかる「発散型境界」、プレート同士がすれ違う「すれ違い境界」があるが、今回は上記の「収束型境界」だけ把握しておけば問題なし。
津波海底の大きな変動などによって、海底から海面までの海水全体が大きく動き、周囲に波として広がっていく現象。規模の大きい地震が浅い場所で発生する、海底火山が噴火するなどの場合は津波発生の危険が高まる。なお、M8程度を超えるような巨大地震などの大規模な地学現象が発生した場合、隔てる地形が殆どなかったりすると、津波は数千km以上も離れた場所まで到達する。一般的になっている勘違いも非常に多いので記述するが、「地震=津波」ではないということに注意。津波は「海底地滑りが発生する」「土砂が海に流れ込む」「大規模な噴火が発生する」「マグマ活動に伴う地殻変動(代表例:鳥島近海などでも発生する「トラップドア断層破壊」と呼ばれる現象)」などによっても発生するため、決して地震だけが原因とは限らない。また、「地震の揺れ」と「津波」は無関係である。

※作中世界にも存在しているのかは不明だが、地形や描写から考慮すると可能性は否定できない。作中の構造から敢えて分けるとするなら、「東の海プレート」「西の海プレート」「南の海プレート」「北の海プレート」と大まかに4枚に分かれている可能性があり、その境界を中心に地震が発生している可能性が示唆される。

前提知識をつけた上で能力者のグラグラの実の能力の扱い方を、能力を使用することで触れる「大気」を「プレート」に例えた場合、

グラグラの実の能力の力を発揮するメカニズム実物の地震に置き換えた場合の説明再現している地震のタイプ
大気にヒビを入れることで、それが振動の衝撃波となって周囲に伝播していき、対象を揺らすことができる地震を起こすことで、地震波が伝播していき、地震動を発生させるプレート内地震(内陸地殻内地震・スラブ内地震等)
大気そのものを掴んで、それを大きく叩きつける(=滑らせる)ことで、周囲を大きく揺らすことができる ※意図的に陸側のプレートを大きく滑らせることで、巨大地震を引き起こし、周囲を大きく揺らすことができる ※プレート境界型地震(巨大地震) ※

※少年向けに描いている漫画ということや、例外なく巨大地震のような描写になっていることから、それにふさわしい一般的に馴染み深い地震のタイプを考慮すると、「プレート境界型地震」の再現と考えられる。

という見方ができるようになり、グラグラの実の能力の力を発揮する仕組みが実物の地震発生メカニズムと全く同じなので、地震に置き換えられることが分かる。

ここでグラグラの実は、「能力を発揮する仕組み」や「揺れるという現象」の2つが地震と全く同じだから、「地震」を特性の一つとして呼んでも良いのではと思った者がいるかもしれない。

しかし、地震は「岩盤の破壊」「地面の揺れ」という意味なので、現象自体が違うことに変わりはない上、それも何らかの外部の力(揺れの能力)によって初めて引き起こせるものだから、特性として結びつけることはできないということを忘れてはならない。なので、特性を説明するときに敢えて「地震」という表現を使用する場合、「地震の能力」という言い方をするのではなく、「地震のようにあらゆるものを揺らし、強く揺れ動いたものを破壊できる能力」と比喩表現として使用する、またはSBSの解説通りに「地震を引き起こせる"震動人間"」などと説明する方が正確だろう

またグラグラの実で地震を引き起こすには、実物の地震と同様に、必ず大気や地殻に強い応力がかかるほどの外部からのある一定以上の強大な力が必要である。能力者の振動を利用したパワーが強ければ、大気破壊を起こして地震を起こせるが、逆にちょっとした弱い振動では、大気には殆ど力がかからないので、地震は起こせないということである。

※悪魔の実は能力が持つ特性からどんな力に発展できるのかということを考慮しなければならない(作中を見ると、マグマグの実は「マグマ⇒火山噴火」・ヒエヒエの実は「氷⇒寒帯気候(氷雪気候)」というように現象をつかさどる能力は能力の特性次第で強大に発揮されていくにつれて、能力の性質に相応しい大規模な自然現象の力に発展していくことが分かる)。グラグラの実であれば「揺れ」の能力なので、強大になっていくと破壊につながり、最終的に「地震」の力に発展していくという見方が正確で、「揺れの能力だから揺らすことしかできない」というような考え方は大間違いなので、要注意。

解説

超人系の悪魔の実の1つ。

食したものは振動を操ることで、あらゆるものを揺り動かすことができる「振動人間」になる。もっと正確に言うと、「振動」が「波動」として伝播した範囲内にある対象を揺り動かすことができる能力である。

ただ作中では四皇白ひげエドワード・ニューゲートや“黒ひげマーシャル・D・ティーチのように大地や海を大きく揺らすほどに実の能力を引き出す能力者だったため、「震動人間」と呼称される(振るは人工的な揺れ、震えるは自然的な揺れを表す)。実際にSBSでは、白ひげの能力の強さにあわせて、こちらの言葉が使用されている。

つまり分かりやすく言えば、グラグラの実は揺れの力を操る能力である。

揺れの性質は、能力を強く発揮すればするほど強大。揺れの力は能力者の振動の強さの他に、揺れは共振現象を起こす性質もあるので、対象物があまりにも強く揺れ出すと、揺れていたものは耐えきれずに最終的に破壊につながることも多く、事実上「強い揺れとなった能力=破壊する・歪ませることができる能力」にもなる

「揺れ⇒破壊」という仕組みから、異常な振動を利用した力で大気に応用すれば地震を引き起こせるので、広範囲で震動を起こすほどの規格外な効果を発揮することが可能。実際に、作中では白ひげや黒ひげはその規格外の強さから「地震人間」とも呼称されている。なお、今回は地震による大地の揺れは「地震動」として解説する。

ポテンシャル

グラグラの実の能力を発揮する全体的な仕組みは、揺れの性質を利用した「地震発生プロセス」となっており、「能力者が発揮した“揺れ”がある一定以上の強さになると、“揺れ”の影響を受けた対象は共振などによって最終的に“破壊”の力に転じる性質を持っているので、“揺れ”の強さが増して大きな破壊を起こすと、さらにその衝撃による誘発現象としての同様のプロセスが限界まで繰り返される」という連鎖型の能力となっている。一連の発生プロセスは、「【A】対象の振動⇒【B】振動が強過ぎた対象は破壊⇒【C】周囲が震動⇒【D】震動が強すぎた周囲は破壊」という流れとなっていて、もう少し分かりやすくまとめると、「【小規模】振動(揺れ⇒破壊(※大気破壊))」⇒「【大規模】震動(揺れ⇒破壊(※地震))」というようになっている。

このように「破壊」に転じた場合の力が圧倒的故、超人系の中でも最強の攻撃力を有すると言われる。その中でもこの能力の恐ろしいところは性質上、能力者が発揮する振動の強さと環境、その応用次第では、上記の発生プロセス【C】以降の力まで発揮でき、地震や津波などの大規模な自然現象を簡単に誘発できてしまう点だ。実際に四皇クラスの実力者が使用すれば、強く振動の能力を発揮することで、歴史に残る巨大地震に匹敵する規模の地震を引き起こすほどの震動として規格外なポテンシャルを発揮できる。実感が湧かない者が大多数と思われるため、実際にグラグラの実の能力によって「地震(発生プロセス【D】)」に発展した場合の最大級のポテンシャルを、地震そのものの規模を表した「マグニチュード(M)」というものを使用して"目安"となる能力そのものの強大さを実感してみるとする。因みに「マグニチュード」については、意味の理解すら怪しい理解になっている者も多く、震度とマグニチュードの違いについて即座に回答できない者も実際にごまんといるため、ここで補足説明を行う。そもそも「地震」には2種類の意味があり、こちらでは専門的な意味の方を使用し、一般的に使用されている「地震の揺れ」は別の用語を使用するので、我々がよく使用する一般的な意味の方は使用しないということについての前提知識が必要。詳細は上記の『能力の正体と地震の前提知識』で解説しているので、そちらを参照するか、或いは『地震』の記事や気象庁などの別サイトで基礎から勉強すると良いだろう。

用語意味備考
マグニチュード(M)地震そのものの規模で、具体的に言うと、岩盤がずれ動いた大きさのこと一つの地震に対して一つしか存在しない。揺れの規模という意味ではない。
震度(上記の『能力の正体と地震の前提知識』で解説した通り)観測点の数だけ存在。テレビなどで出てくる「震度」は計測震度と呼ばれるものを四捨五入して分かりやすくしている(例えば、「震度4=計測震度3.5以上4.5未満」「震度5弱=計測震度4.5以上5.0未満」「震度7(計測震度6.5以上)」)。

なお、マグニチュードが0.2上がると、地震そのもののエネルギー量は約2倍に、1上がると約31.6倍に跳ね上がるため、他の能力とは比較にならないほどの桁違いな力を有するので、能力単体での最大級のポテンシャルはセンゴクの発言の通り「世界を滅ぼす力」を持っていることが分かる。

【能力の強大さをマグニチュードで例えて実感(M3程度を基準)】

基準(M3程度)破壊力地震の大きさの分類
M4程度基準値の地震が約32回小地震(この段階で小型核爆弾の破壊力の目安となる)
M5程度基準値の地震が約1000回中規模地震
M6程度基準値の地震が約3万2000回(広島に落とされた核爆弾の破壊力の目安)
M7程度基準値の地震が約100万回大地震(大多数の人がいる環境で、内陸の浅い場所で地震が発生した場合は震災を引き起こす、気象庁の資料によると米国で行われた地下核実験「グロメット作戦カニキン実験」ではM6.9とされている ※)
M8程度基準値の地震が約3200万回巨大地震
M9程度基準値の地震が約10億回超巨大地震

※「M6.9」は、米国地質調査所(USGS)によるもので、算出方法のマグニチュードは「実体波マグニチュード(Mb)」から求められたものである。核爆弾などによる人工地震は、実際の地震波から算出される「マグニチュード」とは区別され、爆薬量などの爆発のエネルギー・衝突物体の運動エネルギー等などから求めたマグニチュードとなっている。因みに現実では大地震が起きると人工地震などと一部で話題になるが、専門家が震源の深さや地震の波形を見ればすぐに自然地震か人工地震かどうかは即座に分かり、掘った穴は最深でも12kmが限界(東北地方太平洋沖地震の震源の深さは24km、2003年十勝沖地震は45km、世界最深では700km超などとなっているように、地震多発地帯となっている場所はとても人間が掘れるほどの深さではない)。さらにより深く掘削しようとしたところで、結局耐えられずに掘削機が壊れてしまうなどの多数の問題があるため、すべて科学的根拠のないデマ情報だということに要注意。

【歴史地震を参考にした大きさ目安】

地震の規模(M) ※1断層破壊の目安現実と作中の代表的な地震起こり得る事象の目安
M7程度 ※2数十km程度
  • 1995年に六甲・淡路島断層帯で発生し、阪神・淡路大震災を引き起こした「兵庫県南部地震(M7.3)」
  • 2004年に新潟-神戸歪集中帯(未知の断層)で発生した「新潟県中越地震(M6.8)」
  • 2016年に布田川・日奈久断層帯で発生した2回目の地震「平成28年熊本地震(M7.3)」
  • 2018年に北海道の胆振地方中東部の内陸で発生した「北海道胆振東部地震(M6.7)」
  • 2024年にF43・F42の海底活断層で発生した「令和6年能登半島地震(M7.6)」(震源断層は150km程度に達し、津波の遡上高は最大6m程度
  • 大地震と呼ぶレベルで、M6.5程度を超える地震が海底の浅い場所で発生すると、津波が発生する目安となる
  • プレート内地震の平均的な大地震の規模で、プレート境界型(プレート間)の大地震の中では比較的規模が小さい
  • 高角度の逆断層・正断層タイプの地震が、M7.5程度の規模で海底の浅い場所で発生した場合は、大津波が発生することがある(代表例:1993年北海道南西沖地震(遡上高は最大30m程度)・1983年日本海中部地震(遡上高は最大14m)など)
  • 震源が非常に浅いと、日本の震度階級でいう「震度7」の強い揺れを伴うことがあり、M7程度の「現実と作中の代表的な地震」に記述した現実の地震は、全て震度7を記録している
M8程度100~200km程度
  • 【作中】2年前に白ひげや黒ひげがグラグラの実の能力を利用して引き起こした最大規模の地震と推定
  • 【内陸地震の中では日本史上最大規模】1891年に根尾谷断層帯で発生した「濃尾地震(M8.0)」
  • 1896年に日本海溝の北米プレートと太平洋プレートの境界で発生した「明治三陸地震(Mw8.5)」(津波の遡上高は最大38m
  • 1923年に相模トラフのフィリピン海プレートと北米プレートの境界で発生し、関東大震災を引き起こした「大正関東地震(M7.9)」(津波の高さは最大12mで、火災などにより10万人以上の犠牲者を出した日本史上最悪の震災を引き起こした地震である
  • 1933年に日本海溝の外側のアウターライズで発生した「昭和三陸地震(M8.1)」(津波の遡上高は最大20m超)※2
  • 1944年に南海トラフの東側でユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界で発生した「昭和東南海地震(Mw8.2)」、その約2年後に今度は西側で発生した「昭和南海地震(Mw8.4)」(前者の津波は最大9m程度、後者は最大6m程度
  • 巨大地震と呼ぶことが多く、このレベルになると10mを超すような大津波も起こる場合がある
  • プレート境界型地震の平均的な大地震の規模で、プレート内地震の中では最大クラス
  • 白ひげがグラグラの実の能力を使用して引き起こした津波は、最大波で推定180m超である ※3
  • 黒ひげが大気で大規模な「プレート境界型地震」の再現を行った際は、コントロールはしきれていないものの、マリンフォードを震源とした巨大地震を誘発したことで、シャボンディ諸島の南方沿岸には大津波警報が発令されている
M9程度数百~1000km程度
  • 1952年に千島・カムチャツカ海溝の太平洋プレートと北米プレートの境界で発生した「カムチャツカ地震(Mw9.0)」
  • 【世界観測史上最大規模】1960年にペルー・チリ海溝の南米プレートとナスカプレートの境界で発生した「チリ地震(Mw9.5)」
  • 1964年にアリューシャン海溝の太平洋プレートと北米プレートの境界で発生した「アラスカ地震(Mw9.2)」
  • 2004年にスンダ海溝のインド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界で発生した「スマトラ島沖地震(Mw9.1)」
  • 【国内観測史上最大規模・世界観測史上4番目の規模】2011年に日本海溝の北米プレートと太平洋プレートの境界で発生し、東日本大震災を引き起こした「東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)」(震度7を記録し、東北地方の太平洋沿岸に10m超の津波が押し寄せ、遡上高は最大で40m程度となっている
  • 超巨大地震と呼ぶことも多く、このレベルに達すると地震波により「地球自由振動」という地球全体が振動を起こすところにまで発展
  • 観測した地震は、何れもプレートの境界で起きた地震である
  • 日本で想定されている最大クラスの地震の規模
    • 千島海溝(Mw9.3)
    • 日本海溝北部(Mw9.1)
    • 日本海溝の海溝軸寄り(M8.6~9.0)
    • 日本海溝の外側(M8.2前後となっているが、最新では最大M8.7程度という研究もある)
    • 相模トラフ(Mw8.7)
    • 南海トラフ(Mw9.1)
M10程度数千~10000km程度
  • 【作中世界における観測史上類を見ない規模(グラグラの実の能力とは無関係)】2年後に能力以外が原因でルルシア王国消滅し、その6日後に桁違いな規模で発生した「世界規模の地震(最低でもMw9後半~10程度と推定)」 ※4
  • 理論上、現実の地球上で発生する可能性のある最大規模
    • ペルー・チリ海溝全体がずれ動いた場合は、最大Mw10.3程度が想定されている
    • 日本海溝+千島・カムチャツカ海溝全体、アリューシャン海溝全体がずれ動いた場合は最大Mw10.0程度が想定されている
  • 作中での「世界規模の地震」は、当然大津波も発生しているのだが、現実とはスケールが違うので、余裕で100mを超えていても何ら不思議ではない
M12程度
  • 長さ10000km ※5
  • 幅5000km ※5
  • 変位量500m ※5
理論上、現実の地球が真っ二つになる

※1「マグニチュード」の中でも今回は、断層のずれを考慮した「モーメントマグニチュード(Mw)」というものを使用。歴史地震については特に規模の大きい地震は「モーメントマグニチュード」、それ以外は気象庁が算出する「気象庁マグニチュード(Mj)」を使用する。その理由は、M8を超えるようなあまりにも規模が大き過ぎる地震では、気象庁マグニチュードの計算上では正確な規模として表せないため(例えば、2011年の東北地方太平洋沖地震は、モーメントマグニチュードでは9.0なのだが、気象庁マグニチュードでは8.4となっており、その差は8倍も過小評価した値となっている)。

※2 「アウターライズ」とは、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む手前にできた少し隆起した地形のことで、「海溝外縁隆起帯」とも呼ばれる。この場所で起きる地震を「アウターライズ地震」と呼び、「プレート内地震」の一つである。アウターライズ地震は、陸域からかなり離れた場所で起きる地震なので、規模の大きい地震が発生しても、地表の揺れは小さいのだが、多くの地震は正断層タイプの地震なので、M8程度でも東北地方太平洋沖地震のような大津波を発生させる特徴を持っている。そのため、「揺れが小さいから津波は来ないだろう」などという正常性バイアスによる油断を起こす可能性があり、防災上では非常に危険な地震である。

※3 サンファン・ウルフの身長は、デカデカの実の能力使用時で最大180mとなっており、それよりも大きな津波だったと推定できるためなのだが、島を吞み込みかねないほどの高さであったことから、実際には180mの数倍の高さはあったと考えるのが自然である。なお、現実と作中の津波は少し違うところがあるので、作中のはあくまでも漫画的な表現である。そして地学的に数百mの津波がそのままの高さで襲うことは現実的にはありえない(「バイオントダム大津波(250m程度)」「リツヤ湾大津波(524m)」となっているが、これは遡上高であり、地理的要因も絡んでいるので、そのままの津波の高さとして計算してはならない)。

※4 作中世界の強い揺れが襲ったとされる範囲と津波が発生していることなどの事象から算出したもので、計算すると最低でもM9を超えていても不思議ではないほどの規模。世界規模で観測史上類を見ないとなっているので、推定されるマグニチュードは最低でも10に近い値であると考えるのが自然である。そうなると、強い揺れは十数~数十分(下手したら1時間)程度以上継続していた可能性がある。なお、原作の魚人島偏にて「海溝」という用語も登場しており、今までの描写も考慮すると、恐らく作中世界にもプレートが存在している可能性が高い。その場合、この地震のタイプは「プレート間地震」であった可能性が浮上する。

※5 現実では沈み込み帯の関係上、幅は200km程度・滑り量は数十m程度が限界。M12程度は海溝の長さは最大10000kmで固定して計算。

グラグラの実はこのことからも、如何に恐ろしいポテンシャルを持っている能力であるかが分かるだろう。実際に白ひげと黒ひげは振動を駆使して、大地震や海震を発生させ、さらに津波も誘発させるほどの力を引き出していた。

実際に能力者の「振動」を付与した力で「揺れ⇒破壊」というプロセスを大気にも使用し、地震発生と同じ仕組みで能力を発揮することで、あらゆる地震のタイプを再現することが可能。もちろん、力量次第では簡単に実物の地震も引き起こせるので、津波も引き起こすことができる。

地震の再現は「プレートに代わる"大気"」「強いグラグラの実の能力」「能力者の異常な力」の三大要素がすべて成立して行うことができる。なので、振動を利用したパワーが弱いと再現することはできない。

なお、グラグラの実の能力を使用して地震を引き起こすまでの全体的な仕組みは、他の能力と比較しても作中トップクラスに複雑となっている。大気を使用した地震の再現は、あらゆる地震発生メカニズムも知っている必要があるので、正直素人が容易に理解できるものではない。なので、なるべく理解しやすくするためにプロセスを3段階に分けて記述する。

自然現象メカニズム
第1プロセス大気破壊「能力者が振動を使用した強い力を大気に叩き込む」⇒「能力者による強い力が加わったことで、大気では大きな振動が起き、さらに強い複雑な応力がかかる」⇒「最終的に共振などによって破壊強度を上回ったことで、破壊の力に転じて大気破壊が起こる」⇒「破壊された大気は空振となって周囲や対象物に伝播」⇒「空振の影響を受けたものは揺れが発生し、海では海面変動が起こる」⇒「能力の影響を強く受けた物体や生物は、共振現象などによって破壊の力に転じる」
第2プロセス地震(断層破壊)・地殻変動「第1プロセスによって強い空振が岩盤にも伝播」⇒「大地が震動し始める」⇒「強く震動した大地は地震を誘発」⇒「本物の地震を誘発したことで、さらに空振に変わる本物の地震波が発生」⇒「遠く離れたところにも空振や地震波が次々伝播していき、大地では地震動が発生する」⇒「共振現象などによって強く揺さぶられた周囲の建造物は倒壊」
第3プロセス津波「第1プロセスが強い力として発生」⇒「空振により海面変動が発生」⇒「振動が海底にも伝播」⇒「海底の第2プロセスも大規模な現象として発生」⇒「海底でも大きな変動が起こり、周辺海域で津波発生」

つまり、振動を使用した能力者のパワーが強いと「第1プロセス」を誘発し、さらに強く発揮されると「第2プロセス」⇒「第3プロセス」に発展していく可能性が相対的に高まる。

これを自然物ではなく、物体に適用すれば、「揺れ⇒破壊」に転じさせられる。一見「揺れ」と聞くと、ただ揺れるだけだと思われがちなのだが、作中の描写の通り能力が強大になればなるほど、「破壊」につながる可能性がどんどん高まるのがグラグラの実の能力の本質としての恐ろしいところ。これは「能力者の能力が絡んだ強さ」ともう一つ、「共振」と呼ばれる対象物自体が持つ揺れの固有周期(「周期」とは、揺れが1往復するのに掛かる時間のこと)と発揮した波動となった振動の周期が一致することで、揺れがより大きく増幅する現象も関わっている。その影響を受けた物体や大気は大きく振動し、凄まじい力がかかるため、最終的に「破壊」の力に転じる(「破壊」に転じる過程は、厳密には振動の加速度も関連しているが、ここからはかなり難しい内容となってしまうので、割愛)。

  • 「振動」を纏い、あらゆるものを「揺れ」から「破壊」の力に転じさせる

「振動」を直接相手の体に叩き込んだり、武器に纏わせ、一気に開放し巨大な衝撃波を生むことも可能。しかも内部で強い振動が起これば、「内部の振動⇒内部破壊」につなげることすらできる。

「振動」を纏った攻撃があまりにも強いと、大気にも強い応力がかかって、以下の「プレート内地震の再現」に発展することがある(代表例:「白ひげが、赤犬に渾身の一撃を叩き込む描写」)。

付与した「振動」は波動となって伝播する性質を持っているため、オーラのようなものが描かれることも多いが、覇気と同様に必ずしも描かれているものではないつまり、覇気と同様にこちらも強さによっては描かれないときもあるので、描かれていることが全てだと思ってはいけない。

直撃すればどんな武装も意味を成さずに破砕され、巨人族海軍本部中将すらも一撃で沈んでしまう。

たとえ拘束されても海楼石などで能力を封じなければ、内側から振動を起こすことで、拘束具は振動の力に耐えきれず破壊されてしまう。特に揺れの力が大きければ、よほど頑丈な構造物でなければとても耐えきれない。実際にクザンは「振動は凍らない」と発言していた。

ただし空気の振動とはすなわち音であるため、ナギナギの実能力者には能力の扱い方と強さ次第で無効化される可能性がある。

なお、武器に纏わせた「振動」は、覚醒能力による可能性があるが、現段階では不明。

  • 【地震の再現(「プレート内地震」と推定)】大気にヒビを入れて、揺れ(振動・震動)を起こす

【大気で再現している地震の概要】

地震の種類プレート内地震 ※
規模の下限大気を割ることができれば可能になるので、特に下限はない
特徴
  • 制限がないので、再現しやすいタイプの地震で、実力者であれば能力を得た段階でもすぐに行うことが可能
  • 大気割れによる空振(くうしん)を伝播させる方向は、能力者の意思である程度制御できる
  • 強い力として大気に向けて発揮できれば、大地震を引き起こすことも可能

※大陸プレートと海洋プレートの区別はしない。

【発生メカニズム】

大気で行う場合の説明地震に置き換えた場合の説明
大気プレート
大気にヒビを入れるプレート内地震を発生させる
大気割れに伴う空振が発生するプレート内地震によって地震波が発生する
空振の影響を受けたものが振動し、大きく振動したものは破損する地震波が通過したことで、物体が地震動の影響を受け、強い地震動(気象庁の階級でいう震度6弱以上・長周期地震動階級3以上に相当する揺れが目安)が襲った物体は共振(キラーパルス・長周期パルス)により破壊される

「振動」を付与した拳で大気を殴りつければ、そこにヒビを入れることで、そこから生み出された振動が大気中を圧力波として駆け巡る現象「空振(くうしん)」として対象に伝播させることが可能。能力で再現している地震は、恐らく「プレート内地震」。大気割れは、体の一部だけでなく、武器に「振動」を付与して起こすこともできる。

大気のヒビは、能力者の強い振動などの外部の猛烈な力によって、大気にあまりにも強いストレスがかかったことで発生したもの(=すなわち、断層破壊が起きたことを意味する)。

破壊された大気(=震源域)から生まれる力は、「揺れ(振動)」なので、能力の影響を受けた物は揺れ動き、強く揺れ動いた物はやがて破壊されたり、歪みが生じたりする。

の付近で強い振動として大気に行使すれば、大きな大気割れに伴う衝撃で、海にも強い空振が伝播し、海底でも震動が発生して大地震を引き起こすので、島一つをあっさり沈めることが可能な大津波を引き起こし、底の見えない巨大な地割れが発生する。

なお、比較的小規模地震でも再現が可能ということもあってか、黒ひげが能力者になって、即座に再現できた地震のタイプである。そのため、こちらはグラグラの実の能力について熟知し、その力量も強者に匹敵するほどの力を持っていれば、即座に再現可能となる。能力者の意志で大気の破壊による「空振」を与える方向を制御できるようである。

因みに大気割れの規模と地震の規模については、完全な比例関係があるとは言えない。実際に頂上戦争で最初に能力を行使した際には、大気割れの規模が小さいにも拘らず、地震の規模が津波を引き起こすほどの巨大地震レベルになる「海震」となっており、その後は逆パターンである大気割れの規模が大きいにも拘らず、津波を引き起こす巨大地震レベルの「海震」になっていないこともあったりする。つまり「大気によるプレート内地震の再現」による地震の発生の有無は、大気割れの規模よりも、能力者が発動した振動による大気割れから発生した「空振」の力の大きさ・伝播方向の制御次第で変わると考えた方が自然である。

  • 【巨大地震の再現(「プレート境界型地震」と推定)】大気を一気にずれ動かすことで、空間を強く振動させ、大地や海を大きく震動させる

【大気で再現している地震の概要】

地震の種類プレート境界型地震(海溝型地震の一つ)
規模の下限
  • 「作中の描写」と「現実の過去の地震記録」からの推定で、M7.5〜8.0程度の規模が目安
    • 「M3程度の地震(500m程度の断層破壊)を引き起こせる能力者」が、同程度の地震をおよそ562万〜3200万回分引き起こしたエネルギーに相当
    • 広島に落とされた核爆弾約177〜1000発分のエネルギーに相当
    • 覚醒フォルムとなったルフィがカイドウに叩き込んだ大技「ゴムゴムの猿神銃」を、何発撃っても恐らく巨大地震の領域には中々達さない(この技は、ワノ国で地震や噴火の誘発につながるほど強大だが、描写から見ても程遠い)
特徴
  • 巨大地震の再現なので、凄まじい揺れと破壊力を生むことが可能
  • 行うと必ず巨大地震の力となり、周囲は猛烈な震動が発生する
    • 空振は、気象庁震度階級でいう「震度7」に相当するほどの猛烈な揺れとなるため、陸・海・空は変動が起きた近辺を中心に激震する
  • ずれ動かし方が「スロー地震」のようになって制御しきれなくても、力を最後まで発揮できれば、巨大地震の再現が可能
欠点
  • 最小規模でもマグニチュードが大地震の領域なので、上記の再現よりも被害が甚大になりやすく、例え強者でも多用するのは現実的ではない
  • 能力者は、最低でも「規模の下限」に記述した規模の地震に相応しい力量が求められるので、完全に相応しくないと例え四皇の強者ですらも上手く制御できず、ぎこちないずれ動かし方になってしまう
  • 規模が大きすぎる挙句、凄まじいパワーを持つ能力者が直接大気に触れてずれ動かす必要があるので、グラグラの実の能力(振動)だけで行うことはできない

【発生メカニズム】

大気で行う場合の説明地震に置き換えた場合の説明
能力者海洋プレート
大気大陸プレート
能力者が大気を掴んで、強大な力を加えてひずみを溜め込ませ、掴んだ大気ごと地面の方向に一気にずれ動かして、大規模な大気のずれを引き起こす海洋プレートと大陸プレートを強く固着させて、海洋プレートの沈み込み運動に伴って大陸プレートを押し、大陸プレートに膨大なひずみを溜めこませて限界まで達した段階で、逆断層型のプレート境界型(プレート間)地震を引き起こす
大気のずれに伴う猛烈な空振が発生するプレートの境界で巨大地震が発生したことで、とんでもない地震波が発生する
陸・海・空が激震し、強く震動しすぎたものは破壊する陸・海・空が激震するほどの猛烈な地震動(気象庁の階級でいう震度7・長周期地震動階級4に相当する揺れ)が発生し、共振したものは破損する

振動を付与した手で大気を掴み、それを一気にずれ動かすことで、周囲を大きく揺らすことができ、しまいには傾かせたりすることができる。能力で再現している地震は、恐らく「プレート境界型の巨大地震」。なお、プレートの境界付近で起きる地震は、プレート内で起きる地震に比べて比較的規模の大きい地震を発生させやすいのが特徴。

対象が大気なので、作中の描写からは非常に分かりずらいのだが、メカニズムは地震(厳密にはプレート間地震)と同じと仮定すると自然に説明ができる。なので、破壊に転じる「振動」と能力者の力の両方の規格外なパワーが、大気の応力場を変化させ、膨大なひずみを蓄積。そこから猛スピードで下方向にずれ動かしてひずみを一気に解放して動的破壊を起こす「巨大な大気のずれ」を起こすことで、空間変動(=地殻変動)を誘発。それによって発生した猛烈な振動が空振として空間全体に伝播し、陸・海・空を大きく揺らしたりしていると思われる。

再現している地震の規模が元々大きいということもあって、例外なく巨大地震のような力となり、一定時間揺れるどころか、島や海も丸ごと傾く(一瞬天地がひっくり返ったと錯覚する)。劇中では周囲の海ごと島一つを大きく傾ける程度だったが、ゲーム作品などでは一瞬ながらも本当に天地がひっくり返り、敵が「空に落ちていく」というとんでもない光景を目にすることもできる。

島が揺れたり、傾いたりしている継続時間が上記の再現よりも長い理由としては、大気の変動が大きく関わっていると考えられ、巨大地震の再現となると大気や岩盤がずれ動き終わるまでは時間がかかるため(現実のプレートの境界で発生した巨大地震を参考に見てみると、2011年の東北地方太平洋沖地震(M9.0)では強い揺れの継続時間は3分程度、1923年の大正関東地震(M7.9)では短時間のうちに発生したM7程度の余震も含めると計10分程度継続している)。

規模が大きいので、このとき必ず能力者の凄まじい力も必要となり、能力だけで行うことは不可能。「能力者の四皇程度に匹敵する凄まじい力+強い振動」として大気に発揮しなければならず、被害も甚大となるので、あまり多用できない地震の再現技である(現実で言い換えれば、東北地方太平洋沖地震や想定されている規模の南海トラフ地震を人間が起こすのと同じで、能力者や周囲にも影響が及ぶデメリットばかりが目に見えるなので、そんな大き過ぎる地震を何回・何十回も引き起こすのは流石に四皇でも厳しい)。

また、巨大地震そのものを能力者自身がコントロールしているのと一緒なので、最初は強者ですらも制御が非常に難しく、上手く制御できないとまるで「スロースリップ版のプレート境界型地震」のようなずれ動かし方になってしまう(「スロースリップ」とは、文字通りプレートや断層がゆっくりと滑る現象のことで、専門家の間ではゆっくり滑りなどとも呼ばれ、それ自体は人が体感できる揺れを発生させることはない)。実際に作中における能力者2人は頂上戦争ではそれぞれ1回しか使用しておらず、黒ひげは、能力者になった当初、「コントロールが上手くいかない」と発言をしていた。

このようにグラグラの実の能力自体のポテンシャルは非常に高いのだが、それはあくまでも悪魔の実の能力そのものが持っている強さに過ぎず、それを如何に強く効果的に発揮できるかについては全くの別問題。実際に、SBSでも「能力の強さと能力者の強さはイコールではない」とはっきり言われていることである。

どんな能力も使い手が能力を使いこなせるだけの力量・技術などが伴って多くの使用幅を広げているからこそ、能力もより強力な使い方ができる程に昇華されていることが殆どで、能力者当人の力を超越するようなより力の大きい攻撃を繰り出すには、それをコントロールできるだけの力が必要となる

このことから、使用者が実力者であったからこそ、上記のようなより強大な力(「振動」どころか、地震を引き起こすほどの「震動」の力)になったと言える。特に地震・津波などは、膨大な強い振動を地下深くにまで伝播させなければ起こすことはまず不可能。つまり一般的な能力者は、グラグラの実の能力を得てすぐに大地震を起こそうとしても、発揮できる振動のエネルギーが致命的に不足しているなどの問題があるので、能力を使いこなすために年単位で必要なことを根気強くやらないと実現できるものではない。

「大気を扱った地震の再現」も同様に、行っていることは実物の地震と同じであるため、大気に強い力をかけられるほどの能力者と能力の異常な力量を持っていることが前提条件となる。つまり、作中では能力者2人が強者であるために地震の再現などが可能となるほどのグラグラの実のポテンシャルを発揮できているだけに過ぎず、一般的な能力者のケースでは小規模な地震でもかなり大きい部類に入り、能力の力に全く相応しくないので、正直現実的ではない(例えば、M1程度の地震を引き起こせる能力者が、小型核爆弾に匹敵するM4程度の地震を引き起こすほどに振動のポテンシャルを発揮するにはどのくらいの力量が必要か計算すると、それは上記でも挙げたマグニチュードに比例するので、能力者はなんと現状のおよそ32000倍も強い力量が求められるので、全く以て現実的ではないことが分かるだろう)。

危険性

絶大な破壊力と影響範囲のため、使いどころを間違えると味方にまで甚大な被害が及んでしまうのも欠点。他の能力と比較すると影響範囲が広くなりやすい理由は、もちろん能力者にもあるのだが、グラグラの実が地震のように空振として周囲に伝播していく性質を持っており、さらに振動の波は一つではないのも要因の一つ。つまり、あまりにも強大な能力として発揮してしまうと、能力の性質上、空振(或いは地震波)が惑星の内部を通って世界の裏側にまで伝播していくことや、新たな災害を誘発させる可能性も考えられる。

  • 「能力による空振」と大量の「本物の地震によって発生した地震波」の危険性

上記で把握できたと思うが、グラグラの実の能力は強大になればなるほど、多数の実物の地震を誘発するため、影響は能力そのものだけではない。特に大地では、振動が一つではなく、同時多発的に多数発生しているイメージなので、周辺であればあるほど揺れの強さは大きい。M7クラスを超えるような地震を引き起こせば、それは当然能力の発生場所から遥か遠くに離れていても、その場所に空振(それによって誘発された地震の地震波)が通過すれば、場合によってその場所でも破壊が生じる可能性も否定はできない。

実際にマリンフォード頂上戦争では、どうしても味方側を危険にさらし兼ねない状態になることも多かった。

  • 火山活動が活発な地域で能力を使用すると、火山噴火を誘発する可能性

火山活動が活発な地域で、グラグラの実の能力を使用すると、噴火を誘発する危険が相対的に高まる。

例えば、ワノ国で強大な実力者がグラグラの実の能力を強く発揮し、その力を複数回強く発揮し続けると仮定する。そうなるとワノ国やその近海ではグラグラの実の能力によってあらたな二次災害を誘発させる可能性は平常時よりも極めて高くなる。そもそも、ワノ国の地下には巨大なマグマ溜まりがあり、作中の描写から火山活動が活発な地域であることが分かる。つまり、マグマ溜まりにいつ噴火しても不思議ではないほどにマグマが限界まで溜まっているよう場所で、そこにグラグラの実の能力を強大な力として発揮してしまえば、当然それは地震だけでなく、大規模な噴火にまで発展してしまう可能性も出てくる。また、この場合はこんなケースも考えられる。グラグラの実の能力による強大な力によって運悪く藤山から右側にある岩盤と左側にある岩盤の両サイドが地下深くまで大きく破壊された場合、岩盤は上にあるワノ国自体も含めて耐えられなくなって崩落。地下のマグマ溜まりに大量のマグマが残っていれば、崩落してきた岩盤がマグマを押し出す形で破局的噴火に発展してしまうというもの(所謂、カルデラ噴火)。こうなればワノ国全体が消滅し兼ねない事態に陥る。

実際にワノ国では、「ローが覚醒能力の大技をビッグ・マムに叩き込む」「ルフィが最大級の大技をカイドウに叩き込む」などの火山活動に影響を及ぼしてもおかしくはない大技が、2連発叩き込まれたことで、少し時間を置いてから、マグマ活動が活発になり火山性地震を誘発し最終的に噴火を誘発している。グラグラの実の能力で強大な力を叩き込んだら当然噴火を誘発する可能性は目に見えるだろう。

このようにグラグラの実の能力はポテンシャルが高い分、強大な実力者があまりにも大きい能力として発揮してしまうと、巨大地震等の誘発に伴い、扱う場所や環境によっては大規模な噴火などの二次災害を引き起こし、想定外の事態を招きかねないので、必要のない場面で強く能力を発揮するのは禁物と言える。

能力者

当初は”世界最強の男”と呼ばれた四皇白ひげエドワード・ニューゲートが能力者だった。

白ひげ本人の規格外な高い戦闘力も相まって、マリンフォード頂上戦争では「世界を滅ぼす力」と呼ばれる程にまで磨き上げられていた。

しかし、老齢・持病による身体の限界、更に"黒ひげ"マーシャル・D・ティーチによる集中攻撃が致命傷となり戦死

グラグラの実の能力者は姿を消したかに見えた。

だが、黒ひげは白ひげの遺体とともに黒い布の中にこもり、出てきた途端にグラグラの能力を披露。

このため、グラグラの実は作中で初めて2人以上の宿主が描写された悪魔の実となり、悪魔の実のメカニズムを読者が知る上で重要なヒントを与えた実となっている。

覚醒しているのか?

悪魔の実の能力には覚醒という段階があり、超人系の場合は自身の能力が周囲に影響を及ぼすようになる。

例としては

実の名前基本能力覚醒能力
イトイトの実自身から糸を生み出す。周囲の物体を糸に変える。
モチモチの実自分の体を餅に変える。周囲の物体を餅に変える。
オペオペの実手術室を作り、その中から手術室内を手術(操作)できる。外部に手術の性質(手術室)を付与し、手術室の外からその空間内を手術できる。
ジキジキの実磁力を操る。相手に磁力を付与する。

仮にグラグラの実の基本能力が「振動を伝える能力」で、覚醒能力が「物体を傾ける能力」なのだとすれば、能力を一度も使ったことのない黒ひげが最初から使えることに矛盾が生じる。

事実、黒ひげが島や海を傾かせたときは、それを完全にコントロールできるだけの力を有していなかった。

一度覚醒した能力は、他者が引き継いでも覚醒能力まで使えるということなのか?

「衝撃波」に関しては発生していないことも多くあり、黒ひげが能力者になった際には発生している描写が一つもないため、覇気の技術による白ひげ本人の覇気であった可能性もある。

また、カイドウの発言の通り「(能力者の)心身が(悪魔の実の)能力に追いついくこと」が覚醒条件で、それだけで考えれば、強者のうちの一人である黒ひげもすぐに覚醒能力を扱えることになるのだが、それではあまりにも不自然。そこで、もう一つ求められる条件として考えられるのは、「能力者が持っている能力の特性について正しく熟知した上で、その能力を自身の力で頻繁に扱い、限界まで使いこなす」ということである。実際に上記に示した覚醒者は、何れも能力を頻繁に扱って使いこなしている強者で、能力を正しく使いこなしていない強者が自然に覚醒に至ったという事例はない。すなわち、頂上戦争時の黒ひげは完全には使いこなせていないので、島や海を傾かせた技については覚醒能力ではなく、通常能力で行える非常に強大な能力の効果に過ぎない可能性の方が高いということだ。

さらに従来の悪魔の実の覚醒者を見ると、各悪魔の実の能力が持つ特性によって、覚醒に至る基準となる心身の強さが異なっている可能性も考えられる。グラグラの実においては、超人系最強クラスの能力であることから、その能力自体が持つポテンシャル(エネルギー量)は、他の一般的な能力と比較して桁違いに高く、四皇クラスの強者ですらも中々覚醒には至りにくい能力である可能性もあるということだ。

グラグラの能力を使用して発揮できる「地震」で例えると、この自然現象は対数という数値でその規模を表し、マグニチュードが0.2上げるとエネルギー量はおよそ2倍、1上がればおよそ32倍に膨れ上がる性質がある。分かりやすく、この数値表現を悪魔の実自体が持つ力に当てはめて、以下のように3つに段階分けをする。

  • M6.0のエネルギーに相当するポテンシャルを持つ悪魔の実の能力を「Aの能力」(ポテンシャルの低い能力)
  • M7.0のエネルギーに相当するポテンシャルを持つ悪魔の実の能力を「Bの能力」(ポテンシャルが中程度の能力)
  • M8.0のエネルギーに相当する、或いはそれを超えるポテンシャルを持つ悪魔の実の能力を「Cの能力」(ポテンシャルの高い能力)

そうすると、「Aの能力」を覚醒させるには、M6.0に相当するエネルギー量を持っているので、能力者も必然的にその力を完全に使いこなせるだけの強大な力と精神力が必要となるのだが、この段階でもハードルは非常に高い。「Bの能力」は、能力自体が持っているエネルギー量はM7.0相当、すなわち大地震を引き起こすレベルに相当するエネルギー量となる。なので、仮に能力者がM6.0程度までの実力しかなかった場合は、現状のおよそ32倍分心身共にパワーアップさせないと「Bの能力」は覚醒には至らないということになる。そして「Cの能力」については、M8.0に相当するほどのポテンシャルを持っているので、巨大地震を引き起こしてしまうほどの莫大なエネルギー量。すなわちこの場合、能力者がM7.0程度までの実力しかなかった場合は現状のおよそ32倍分・M6.5程度までの実力しかなかった場合は現状のおよそ178倍分・M6.0程度までの実力しかなかった場合は現状のおよそ1000倍分心身共にパワーアップさせないと「Cの能力」に追いついたとは言えないので、覚醒には至らない。また、この理論では、強さがM9.0に相当するなどのポテンシャルが桁違いに高い能力であれば、能力者の力の現状が仮にM6.0相当までの能力の力しか操れない場合、さらにそのおよそ3万2000倍分心身共に限界まで追い込んで強くならないと覚醒は起きないので、いくら実力者の多い作中世界でも、このような能力に限っては、「覚醒者が現れるのは平均数百年~数千年に1人」ということになり、それは「極めて稀な現象」ということなる。

つまりグラグラの実においては、この場合における「Cの能力」に該当しているので、余程な強者でない限りは覚醒の実現は非常に厳しいということになる。

このように能力自体のポテンシャルが高すぎてしまうと、もしかしたら「覚醒」には至りにくいのかもしれない。

ただ、全盛期はロジャーと互角に戦えた(ロジャーの死後は名実ともに世界最強の大海賊だった)白ひげが、『悪魔の実の覚醒というステージに到っていない』とは考えにくいため、作中で描写されたいずれかの描写が『覚醒』によるものか、あるいは『老齢や病気のために全力で戦えていないため、悪魔の実の覚醒能力を引き出せなくなっている』かのどちらかが最も有力だろう。『覚醒』として最も可能性の高いのは、薙刀に「振動(=グラグラの力)」を付与する描写で、現状では後の能力者である黒ひげは1度も使用していない。

余談

東日本大震災の影響

アニメ版でこの実の能力が初登場した当時、近畿広域圏を放送域としていた関西テレビは、フジテレビ系主要局同時ネットから丁度1週遅れで同番組をネットしていた。

ところが、2011年3月11日東北地方太平洋沖地震が発生し、それによって東日本大震災が発生。フジなど最速局ではこの放送が行われた後だったのに対し、関西テレビではちょうど3日後に放送を控えた状態で震災を迎えた……。

当然翌日曜日は全局で放送が延期となったものの、この実の能力があまりにダイレクトに直近の災害とリンクしてしまうことになってしまったため、関西テレビでは翌々週以降も放送期間を出来るだけ先延ばしすべく特別編を一定期間放送。

その結果最速局から6週にも及ぶ遅れが発生してしまい、長らくこの遅れが解消されなかった。

2012年8月に夕刻以降の時間を利用して当初遅れ分の5話を一挙放送し震災以前の1週遅れに戻したあと、2016年の番組改編時期を利用して1時間放送を実施し、最速系列局との同時ネットに復帰。

この時の遅れを挟み、2006年10月の朝ローカルセールス枠以降以来9年半ぶりに最速系列局への復帰となった。

作中の「地震」について

作中では後にグラグラの実の能力以外の力によって発生した桁違いな規模の地震で、「震源地」という言葉も使用されているが、これはあくまでも「震央地名」を指した言葉で、メディアなどが使用しているものなので、学術用語ではないということに注意。「震央地名」は、震央の位置を示す地名で、気象庁が定めたものである(気象庁HPより)。

地震名震災名震央地名(震源地)
兵庫県南部地震阪神・淡路大震災大阪湾
新潟県中越地震新潟県中越地方
東北地方太平洋沖地震東日本大震災三陸沖
平成28年熊本地震熊本県熊本地方
北海道胆振東部地震胆振地方中東部
令和6年能登半島地震石川県能登地方

作中では「震源地不明」とはなっているが、「不明」という部分には地名が入る。

また、グラグラの実関連では「震源地=能力者(白ひげ・黒ひげ)」という認識は誤りで、「震源地=マリンフォード」とするのが正確。

作中では「マリンフォードを震源とする地震により…」ときちんと意味も考慮し、能力者の名前ではなく、地名として描かれている(ただこちらは、実物の地震のことを指していると考えられるため、比喩である「大気の震源地」のことを指している言葉ではない)。

因みにグラグラの実の場合は、能力者が大気を破壊したことで発生したので、震源の深さは必然的に0kmとなる。

歴史に残る巨大地震の大きさ

歴史に残る巨大地震の規模はM8クラス以上のことを指すことが多く、震源域(岩石の破壊範囲)は数百km以上に及び、スーパーサイクルのようなM9クラスになると地震波が地球を数周以上する(数十万km駆け巡る)程巨大

実際に東北地方太平洋沖地震の震源域は南北約450km・東西約200kmに及んでおり、およそ10万㎢にわたって破壊が及んだ。

また、地震の力はM7とM9は一見すると差がそこまでないように思えるが、実はM2違うだけで1000倍近くもエネルギーに差がある

ここでも大津波を引き起こすほどの巨大地震の凄まじさが窺える。

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