鮎川鉄次
あゆかわてつじ
ナタを得物とする黒澤派の中堅構成員。
通常のナタと火花が出る特殊なナタを巧みに使いこなす二刀流。戦闘を心から愛し近代剣術にも精通している。
入院中の伊武と阿蒜へ襲撃を仕掛け、伊武と斬り合いになる。伊武の強烈なパンチにより鼻が陥没。後に駆けつけた龍本との激突で次第に酸欠状態となり、最後は懐を突かれた。
獅子王組のヤクザにして、黒澤派の組員。鉈を主武器とした東洋から西洋までの剣術を組み合わせた組内屈指の猛者で、最強戦力の一角に数えられる。ちなみに「奈落」という言葉をよく使う。
異名は「ナタの鮎川」または「近代鉈の鮎川」。
性格
基本的には冷静だが、黒澤派の一員に漏れず冷酷で好戦的な人物であり、本質は相当な戦闘狂。一方、自分の邪魔をしなければ命を取らず警告だけで済まそうとする辺り、誰彼構わず襲うほど狂った人物ではない。
伊武のことが嫌いだったらしく挨拶がわりに戦闘を仕掛けた。またこの時に放ったセリフから伊武とは同期と思われるが詳細は不明。
獅子王組でもトップクラスの実力者で、あの伊武隼人と互角に渡り合えたほどの猛者である。眉済派のキーマンと言われている井上月麦も、来栖三成や犬亥鳳太郎と共に要注意人物として上げる程に一目置いている。
異名の通り、鉈を得物にしつつ東洋から西洋に至る棒術を取り入れた戦法を得意にしている。重量のある鉈を羽のように操り、凄まじい動きやフェンシングのような鋭い連続突きを可能にする身体能力や技術も相当高い。更には金属同士が弾き合えば激しい火花が出る、特殊な赤い鉈も使用しており、熱で相手の動きを鈍らせメインの鉈で深手を与えやすくしている。
さらに戦闘狂が故に精神力も強く、高砂によって三半規管を潰されたもののしばらくは動くことができ、平衡感覚がなくなった後はすぐに体勢を立て直した。戦闘能力だけでなく、金を掴ませる事でターゲットが入院している病院を割り出して奇襲する、逃げるふりして壁を蹴って勢い付けて切り裂こうとする等、狡猾な立ち回りにも長けている。
基本は鉈で敵を斬り殺すという戦闘スタイルで、初登場回では鎌田組の組員を一瞬で殺している。続く伊武との戦闘では壮絶な乱打戦が続いたが、彼より攻撃速度が速いため、(致命傷にはならなかったが)脇腹を切り裂いた。だが一発一発の重さは伊武が上なため、鉄棒を鉈で弾かれた挙句に顔面への突きによって頬を切り裂かれるという反撃にあった。
総括すると一撃での攻撃は重いパワー重視の伊武とは逆に、攻撃速度が速いスピードタイプだと言える。
- 2022年9月14日の動画(阿蒜寛太)
初登場。若頭の小御門を暗殺した犯人である佐村という男が所属していた鎌田組に、黒澤と共にカチコミをして殲滅させるが、佐村を逃してしまう。後に佐村は伊武によって抹殺したが、これを黒澤派が「眉済派のマッチポンプ」という言いがかりをつけて内部抗争が本格化。黒澤の刺客として、路上を歩いていた伊武を襲い、ほぼ互角の戦闘に持ち込む。そして、彼に「どこかでどちらかの組員が爆発して全面戦争が始まる」と警告して退いた。その警告通り眉済派の大村が黒澤派に殺害され眉済派は怒り狂うこととなった。
「カシラに比べてお前らの命は安すぎる…全員奈落へ落ちろ」
「伊武…昔からテメエは気に食わねえ そろそろ決着つけんとなぁ!!」
「時代遅れなんだよテメエらは!そんなんで組を支えられんのかぁ!」
- 2022年10月2日の動画(阿蒜寛太)
名前だけ登場。眉済派による作戦会議で犬亥と共に要注意人物として挙げられた。
- 2023年1月20日の動画(久我虎徹)
犬亥・来栖と共に、黒澤派の最強戦力として紹介された。
「奈落の底って見たことあるかい?」
- 2023年2月11日の動画(久我虎徹)
獅子王組眉済派に出向し、赤ドスの犬亥に重傷を負わされた久我の見舞い帰りで一人になった高砂明夫を狙い、戦闘に発展する。あらゆる剣術を取り入れた戦法と金属を仕込んだ靴による蹴りで優位に立つも、高砂の当身を組み込んだ攻撃で傷を負う。そこで鮎川は金属同士が弾き合えば激しい火花が出る特殊な短い鉈を使用し始めた事で戦況を有利にしていき、高砂の髪や服を燃やしていく。有利に傾けるも、高砂の投げナイフにより隙ができた所を右耳の鼓膜を貫かれてしまう。その状態から高砂の右手を掴んで逃げられなくし、鉈を振り下ろして重傷を負わさて王手をかけるも、三半規管を潰されたせいでバランスを失い、駆けつけた犬飼鷹四郎の援護を許してしまう。犬飼の凄まじいパワーに押されるも、犬飼が高砂の救援を選んだことで難を逃れた。
「燃えとけぇえええ!」
「いってぇな・・・やっぱテメエは面白いわぁ」
「逃げたか…だが楽しませてくれた代金として生命は預けてやるぜ」
- 2023年2月18日の動画(久我虎徹)
犬飼を探し回っており、舎弟の光山やその他3名を連れて偶然鉢合わせる。犬飼が陰に隠れながら舎弟らによる弾幕を躱している中、光山らと共に京極組を舐め腐った暴言を吐くことで炙り出す作戦を取る。その思惑通り犬飼は激昂して出てきたものの、業務用ゴミ箱を盾代わりにして突進され舎弟2名の撃破を許してしまう。それでも怯む事なく光山と一緒に犬飼を奇襲するが、光山の攻撃にも対処されてしまう。犬飼に隙が出来た事でナタで袈裟斬りするが、分厚い筋肉で防がれた事で今度は自分が隙を生んでしまい、凄まじいヤクザキックを叩き込まれ胸骨をへし折られてしまう。それでも怒りで立ち上がり応援が到着したが、看過できない重傷もあって犬飼の撤退を許してしまう。
「久我って腰抜けも犬亥にやられて泣いて逃げたらしいなぁ」
「袈裟斬りじゃぁあああ!入る組間違えたなぁああ!」
「このガキゃぁぁ!殺したるぅ!」
黒澤派 鉈の戦闘狂vs眉済派 仁義の猛者&鉄棒の豪傑 死闘の果て
- 2023年4月24日の動画(阿蒜寛太)
伊武や阿蒜が入院している病院を、彼らの担当医に大金を積む事で突き止める事に成功した。
4年目の武闘派である近田と共に乗り込み、眉済派の護衛二人を瞬殺して阿蒜と伊武のいる病室に乗り込む。
戦闘に雪崩れ込み、伊武は完治していないのもあって優勢だったが、小型ナイフや腹に溜まった血液を吹きかけられたせいで隙を作ってしまい、強烈なパンチを受けてしまう。
鼻骨が折れてしまうも、それが凄まじい狂気を引き出すトリガーになった。一方の阿蒜は近田との実力差に加え先の半田戦で受けた傷もあって不利な状況だった。もう一つの得物である唐紅の鉈を受け止めた伊武は吹き飛んだ勢いを利用して近田を蹴り抜いてビルから落とし、近田は受け身をミスしたのもあって着地の衝撃を受けて戦闘不能になった。そこで、一瞬の隙を突いて鮎川は伊武の胸を薙いで形勢を傾けていく。そこで一人の人物が現れた。
眉済派の重鎮にして、怒りに燃える龍本だった。
龍本と伊武のコンビネーション攻撃で撃たれてしまう。逃げるふりをしてやり返すも、龍本に反撃する隙を与えてしまい、パワーで勝る龍本によって頭を鷲掴みされた勢いで二度も壁に叩きつけられ、更に片足に銃弾を一発もらってしまう。斬り合いに雪崩れ込むが、ダメージに加え伊武のパンチで受けた鼻の陥没と龍本の攻撃で顔が紫色に変色するほどの酸欠状態に陥ってしまう。それにより動きのキレが無くなり、とうとう龍本に懐を取られ致命傷を受けてしまう。
ついに倒れ伏し、龍本に仁義外れとなってしまった自身の行いを断罪され、戦闘狂として戦いに明け暮れながら、かつて世話になった兄貴分とやり合えた事に満足した表情を浮かべながら、その命を散らした。
「もうそろそろ逝くか伊武ぅ!俺が火葬してやらぁああああ!」
「ずいぶん苦しそうだな 安心しろ、すぐ楽にしてやる」
「やっぱすげえなぁ龍本の兄貴… こんな気持ちいい負け方なら悔いはねえ… いい人生だっ…た...」
獅子王組の内部戦争が本格的になって初登場から、組内でも屈指の実力者である伊武と互角に渡り合い京極組の高砂を倒して見せると言うインパクトのある活躍をしてきた鮎川だったが、後にぶつかり合った京極組の犬飼にはいっぱい喰わされると言う場面もあった。最終的には眉済派が世話になっている病院のヤミ医者を買収して情報を割り出し、療養中の阿蒜と伊武を襲う狡猾さを見せたものの、かつて世話になった兄貴分である龍本に乱入された挙句、致命傷を負って命を落とす末路を迎えてしまった。
後に内部戦争は眉済派の勝利で終わり、黒澤派の最高戦力で知られている来栖や犬亥、橘花は新組長になった眉済の度量の広さによって受け入れられただけに、鮎川のみが死亡退場してしまうのは惜しいと言う声もあった。他にも「潔くて嫌いじゃない」とSNS上でもコメントとして挙がっていた。
ナタの桐野 - 旧河内組の組員で、同じく鉈を得物にしている狂人。だが、彼は黒澤派とも眉済派とも関係ない派閥であり、強さも鮎川の下位互換と言える。さらに言うと非常に下劣な性格であり、極道としての格はある彼とはその点に関して対照的である。
銀田栄角、鶴城史之舞、翠蘭、薬師丸旭、高城蓮太郎、緋田功哲郎、鳳崎桔平、暴走王篠田 - 同じく、戦闘狂の悪役たち。
榊原周 - 戒炎の幹部。二刀流である点、抗争で闇医者を襲撃して命を落とした点が共通している。
矢部光晴 - 自身の死後で登場した天羽組の組員で、同じく鉈を得物にしている狂人。一方で鮎川は鉈を東西の剣術を用いながら特殊仕様の鉈による二刀流なのに対し、矢部は鉈と驚異的に練り上げた空手の技術を混ぜた戦法を取っている点が異なる。