魔弾の王と戦姫
まだんのおうとゔぁなでぃーす
MF文庫Jから刊行されている。全18巻。
著者:川口士 イラスト:よし☆ヲ(1~8巻) 柳井伸彦(5巻挿絵) 片桐雛太(9巻以降)
柳井伸彦による漫画版が月刊コミックフラッパー2011年11月号より2016年9月号まで連載されている。
なお、これらの版元はいずれもKADOKAWA(メディアファクトリーからの引き継ぎ)。
完結後は出版社・レーベルを集英社ダッシュエックス文庫に移し、世界観と登場人物を流用したパラレルワールドという設定で複数の作品が製作されている。
これに伴い、大本の本作は合本版が電子書籍限定でリリースされる。こちらは全7巻予定。
(それに伴い、親記事もダッシュエックス文庫へ移動している)
- 魔弾の王と戦姫
- 魔弾の王と凍漣の雪姫
- 魔弾の王と聖泉の双紋剣
- 魔弾の王と天誓の鷲矢(「双紋剣」の直接の続編)
- 魔弾の王と叛神の輝剣
- ヤング・マスハス伝(短編)
- 恋する魔弾と戦姫のアカデミア(漫画作品、学園もの)
竜より与えられし武具を振るい、戦場を駆ける美しき少女たち――“戦姫”。王の下、7人の戦姫は7つの領地を治め、“ジスタートの七戦姫”として隣国に恐れられていた。ブリューヌ王国の小貴族の少年ティグルは、ある時かりだされた戦で、一人の戦姫と出会う。白銀の髪に紅の瞳、幻想的な美しさと他を圧する威容をあわせもつ少女、“銀閃の風姫”エレン。敵の総大将であるエレンを討ちとろうとするティグルだったが、彼女の人間離れした剣技の前に失敗してしまう。しかし、弓の腕に一目惚れしたというエレンに、「きみは、わたしの捕虜(もの)だ」と宣言されてしまい・・・!?
ブリューヌ王国
本作の主人公。ブリューヌ王国北部の辺境・アルサスを治める伯爵。16歳。くすんだ赤い色の髪を持つ。その名は先祖からいただいたものだが、ブリューヌ人にしては長いということもあり、周囲には「ティグル」という名で呼ばせることが多い。
高い視力とずば抜けた弓矢の腕を持つ。その腕は一般的に最大射程が約250メートルと言われている弓で300メートル先の目標を正確に射抜くほど。
アルサスの領民からは、その気さくな性格もあって強く信頼されている。
ティグル付きの侍女。15歳。ツインテールにまとめた栗色の髪が特徴。ティグルの幼馴染であり妹のような存在。
元々巫女となるための修行をしていたが、領主の屋敷で働いていた伯母のところへよく行くためそれがきっかけでティグルと親しくなった。11歳の時に母の反対を押し切りティグルの侍女となる。現在ティグルの屋敷に常に勤めている侍女は彼女のみで、彼の身辺の世話を一手に担う。明るく人当たりもいいため誰とでも打ち解ける。
バートラン
ティグルの側仕えの老人。ティグルの父であるウルスの時からから仕えている。ティグルのことを若と呼び、息子に対するような愛情を持って接している。
ティッタ同様ティグルのサポートを行なっている。
マスハス=ローダント
ブリューヌ北部のオード地方を領地とする伯爵で、灰色の髭を生やしたずんぐりとした体躯の初老の男性。55歳。ティグルの父ウルスの親友にしてティグルの恩人であり、後見人と言える存在。
年齢を重ねている貴族だけあって、豊富な経験と知識でティグルやエレンなど若者を支え、時として教える。また非常に顔が広く、数多くの貴族に顔が利く。
ジェラール=オージェ
オージェ子爵の息子で、くせのある褐色の髪と父同様の青銅色の瞳を持つ二十代半ばの青年。父と共にティグルの軍に加わる。
戦闘での功績はないが、食料や武具の管理や分配といった内政の計算が非常に早い。
皮肉屋かつ、楽観的なものの見方をしないリアリスト的な性格。
ルーリックと仲が悪い。
ザイアン=テナルディエ
ブリューヌ王国における大貴族、テナルディエ家の長子。
父親の威光をかさに来たドラ息子であり、武芸に自信はあるものの戦術に関してはほぼ無能に近く、配下の兵からも悪態を尽かれるほどであった。
父であるフェリックス=アーロン=テナルディエ公爵の命で、ティグルの領地アルサスを接収するために地竜と飛竜を組み込んだ軍勢で侵攻するが、エレンと共に駆け付けたティグルとジスタート軍の介入で目論見は失敗。戦局の悪化に伴って自分の保身と体面ばかりを心配し、加えて自分の仕掛けた一騎打ちでティグルに決定的な敗北を突き付けられた事もあり、最後には兵を見捨てて1人逃亡する。しかし、ティグルの黒弓によって飛竜もろとも撃ち落とされ、戦死した。
『黒騎士』という異名を持つ、ナヴァール騎士団の団長。13歳という異例の若さで騎士になって以降、一度も敗北したことがない最強の騎士。
いの一番に実力を認め自分を騎士にしてくれたのみならず、破魔の宝剣『デュランダル』をも授けてくれた国王に絶対の忠誠を誓っている。
大剣を片手で持ち、一太刀で敵の剣や鎧、果ては馬ごと斬り伏せる正に一騎当千の強さと、罠や伏兵をたちどころに見破る神憑り的な勘の鋭さを合わせ持つ。
敵には容赦ないが、仲間には気さくで部下からの信頼は尊敬や崇拝の意味も含め高い。
ティグルとの闘いに破れた後、彼が国王に謁見できるよう取り計らうために騎士団を離れ1人王都に向かったが、そこでガヌロンの罠にはまり、猛毒を持つ蜂に全身を刺され死亡した。
ファーロン
ブリューヌ王国国王。
国を治める者として内政、外交に優れた手腕でブリューヌに平和を齎していたが、ジスタートとの戦いで後継者であるレグナス王子が戦死したために心神喪失状態に陥っている。
かつてはロランを騎士と認めた存在であり、国内には今も王を慕う臣下は多い。
フェリックス=アーロン=テナルディエ
ネメタクムを治めるブリューヌの公爵。ザイアンの父親。
ガヌロンと共に現在のブリューヌ王国を二分する大勢力の長であり、ティグルの領地アルサスを奪い取ろうとした張本人である。
極端なまでの実力主義者であり、能力の劣る多くの人間を強く見下す傾向がある。しかし、アルサスへの侵攻で尖兵として派遣したザイアンが敗死した事を機にティグルに対して強い敵愾心を抱くようになる。
実力主義ではあるが、それ故にロランや宰相ボードワンなど優秀な人間に対しては正当に評価するところはある。
マクシミリアン=ベンヌッサ=ガヌロン
ルテティアを治めるブリューヌの公爵。テナルディエ公爵と並んで現在のブリューヌの中枢を取り仕切る勢力の長。
傲慢なれど自分の認める者はある程度評価するテナルディエと違い、自分に従わないものは誰であろうと粛清する危険人物。
ジスタート王国
本作のヒロイン。ブリューヌと山一つ隔てた隣国・ジスタート王国が誇る七戦姫の一人。ティグルが治めるアルサスと隣接するライトメリッツ公国の主。16歳。銀の髪と赤い瞳を持つ。親しい者には「エレン」と呼ばせている。
風を操る大剣・アリファールを持ち、常に先陣を切るその姿から『銀閃の風姫(シルヴフラウ)』『剣の舞姫(メルティス)』などの二つ名を持つ。アリファールの力に頼らずとも、自分を狙ってきた矢を剣で叩き落すなどその技術も高い。傭兵として培った知識を活かし、大胆かつ的確な戦術指揮をする。反面、単騎で突撃する傾向も少なからず見られる。
当初はティグルを捕虜として捕らえて連れて帰るが、テナルディエ家がアルサスに兵を進めた事を知り、支援を申し出たティグルに賛同して自らも出撃した。
ジスタートの七戦姫の一人。ライトメリッツの南にあるオルミュッツ公国を治める。16歳。青い髪をショートヘアにまとめている。愛称はミラ。
氷を操る槍・ラヴィアスを振るうため、『凍漣の雪姫(ミーチェリア)』という二つ名を持つ。
真面目かつ聡明であり、戦姫としての誇りも高いが、それゆえに高慢であり、劣る者を見下す傾向もある。
ジャムを入れた紅茶が好物で、茶葉とジャムを携帯している。
エレンとは犬猿の仲で、何かと口論になる。
ジスタートの七戦姫の一人。年齢は20歳前後。緑柱石色の瞳、緩やかなウェーブを描く淡い金髪の美女。長身で起伏に富んだ抜群のスタイルの持ち主でもある。愛称はソフィー。『光華の耀姫(ブレスヴェート)』という二つ名を持つ。
好奇心旺盛でおっとりとして穏やかな性格。だが怒らせると冗談ではすまないくらい怖い。
竜を愛でるのが好きで、エレンの飼っているルーニエが特にお気に入り。
外交が得意で国王の命令でよく国外へ出向いている。
アレクサンドラ=アルシャーヴィン
ジスタートの七戦姫の一人。エレンが戦姫に選ばれた際に、必要なことを教えてくれた人物。病に冒されているが、それでもエレンが剣の勝負で勝てたのは一度だけだという。『煌炎の朧姫(ファルプラム)』という二つ名を持つ。
愛称はサーシャ。
病に冒される以前は、異例の強さを誇っていた。
ジスタートの七戦姫の一人。金色の右目と碧色の左目を持つ『異彩虹瞳』と呼ばれる少女。17歳。『雷渦の閃姫(イースグリーフ)』という二つ名を持つ。
疎んじられていた自分を受け入れてくれた自国を非常に大切にしているが、騎士や文官、馬丁までといった従者は全て先代の戦姫が用意したもので、自分の従者がいないことに不満を持っている。
度重なる事件や事故の所為でエレンからの評価は低い。
ジスタートの七戦姫の一人。年齢は20歳前後、青みがかった長い黒髪の儚い雰囲気を持った女性。『虚影の幻姫(ツェルヴィーデ)』という二つ名を持つ。
ジスタート王家の傍系の貴族の出身。アスヴァールのかつての女王であったゼフィーリアのような女王となることを目標としている。
大鎌・メザンティスは一瞬でどこへでも移動できる能力を持ち、遠くへ行くほど体力を使うとされるが実際には『銀の流星軍』の砦へと潜入したりと周囲には偽っている。
ジスタートの七戦姫の一人。年齢は14歳。薄紅色の髪と艶のない黒真珠のような瞳が特徴的な少女。『羅轟の月姫(バルディッシュ)』という二つ名を持つ。
元々は草原に住む騎馬の民の長の孫娘。12歳の時に竜具『ムマ』が現れ、戦姫に選ばれブレストの地を統治する事になったが、自分の知る世界と実際の世界の広さの違いに自信を喪失した。その後、置手紙を残し竜具と共に2年近く放浪の旅をしている。
エレンの股肱の臣。長い金髪をサイドテールにまとめている。エレンとは彼女が戦姫となる以前からの付き合いであることが示唆されている。愛称は「リム」。
当初はエレンがティグルを捕虜としたこと自体が気に入らず、彼に敵意を向けていたが、テナルディエ軍撃退後の奮闘振りを見て考えを改めていく。
その後、ティグルの軍の指揮官としての知識不足に教師役を買って出た。
ルーリック
エレンに仕える騎士。秀麗な顔立ちの優男で、年齢は21歳。ライトメリッツ一の弓の使い手であり、270メートルまで矢を飛ばした記録を持つ。だがティグルの圧倒的な技量の差を見せ付けられる。その弓技に感服した事と、ティグルの寛大さに感銘を受けて、以降は彼に完全に心酔するようになる。また、それまでは肩まで伸ばしていた艶のある自慢の黒髪を、この件のけじめとして完全に剃り落とし、以降は見事なまでの禿頭がトレードマークとなる。
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