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翔ぶが如く

とぶがごとく

『翔ぶが如く』とは、1990年に放送されたNHK大河ドラマ。
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概要編集

NHK大河ドラマとしては通算28作目に当たる作品で、1990年1月7日から12月9日にかけて、全48回が放送された。小山内美江子が脚本を手掛け、主人公である西郷隆盛大久保利通の生涯を主軸として、幕末の動乱期を描く第1部(全29話)と、明治維新から西南戦争までを描く第2部(全19話)の二部構成が採られている。


原作は歴史小説の大家として知られる司馬遼太郎の同名小説。一方で同作で描かれている範囲は明治維新から西南戦争までである都合上、本作ではこれ以外にも幕末期を描いた『花神』、『竜馬がゆく』『最後の将軍』『歳月』などからも、一部のエピソードを引用する形でストーリーが構成されている。大河ドラマにおいて、こうした原作者を同じくする複数の著作を併せた手法は、本作以外でも『国盗り物語』(1973年)や『花神』(1977年)などでも行われている。


作中での薩摩出身者の台詞、それにナレーションは全編を通して鹿児島弁を用いているのも本作の特徴の一つである。もっとも、流石にネイティブな鹿児島弁では視聴者には難解に過ぎると判断されてか、用いられている鹿児島弁も所謂標準語の影響を受けた「唐芋標準語」とされている他、それでも分かり難い台詞には字幕を付記する事で対応している。


主な登場人物編集

薩摩藩出身編集

  • 西郷隆盛(演:西田敏行)…薩摩藩藩主・島津斉彬に見出されて側近くに仕え、彼のもとで多くを学んだが、斉彬の死後、藩主の父として藩政の実権を握った島津久光とそりが合わず、一時的に流罪、盟友・大久保利通のとりなしによって帰参すると倒幕のため「薩長同盟」を締結、倒幕の立役者となる。維新後、新政府初の陸軍大将となり「朝鮮使節派遣」を主導、盟友・大久保利通と袂を分かち、故郷・鹿児島に「私学校」を創設したが、彼を慕う不平士族の暴発により挙兵、敗れて自刃する。
  • 大久保利通(演:鹿賀丈史)…隆盛同様、斉彬に見出されたが、斉彬の死後、目的達成のために久光に仕え信頼を得る。隆盛の藩政復帰に尽力し、復帰後、「薩長同盟」の締結に協力。維新後、岩倉具視木戸孝允らとともに欧米諸国の実情を視察、帰国後、隆盛らの提唱する「征韓論」に反対し、敗れて下野した隆盛らが挙兵すると、心ならずも追討軍を派遣し鎮圧。翌明治11年(1878年)、不平士族に暗殺される。
  • 川路利良(演:塩野谷正幸)…警視庁大警視。隆盛に見出されたことに恩義を感じているが、国のためを思い密偵を薩摩に派遣。露見して「私学校」生徒の暴発を招いてしまう。
  • 西郷従道(演:緒形直人)…隆盛の実弟。隆盛下野に際して隆盛に新政府に残るよう諭され、暗殺された利通の最期を見届ける。
  • 大山巌(演:坂上忍)…隆盛の従妹。隆盛下野に際して新政府に残り、大久保を助ける。後の日露戦争では陸軍元帥として活躍。
  • 大山綱良(演:蟹江敬三)…隆盛、利通の盟友。維新後、鹿児島県の初代県令となるが、西南戦争の終結後、責任を取って自刃。
  • 海江田信義(有村俊斎)(演:佐野史郎)…隆盛、利通の盟友。ふたりの弟よりも愚物と侮られ、視野が狭く軽薄なため、隆盛、利通らに何度もあきれられてしまう。同作では反目する大村益次郎の暗殺にも関与したことが語られている。しかし、根は涙もろいところもある。
  • 大久保利世(演:北村和夫)…利通の父。子の利通とともに斉彬派として活動するが、「お由良騒動」に連座して一時的に罰せられる。
  • 西郷吉兵衛(演:坂上二郎)…隆盛・従道の父。
  • 有馬新七(演:内藤剛志)…隆盛、利通の盟友。幕政改革を志した久光が軍勢を率いて江戸に向かう中、薩摩藩が倒幕の兵を挙げることを望み、旅館・寺田屋に逗留するが、自重をするよう説得に現われた大山綱良の説得を拒否、斬りあいになり、非業の最期を遂げる。

島津家編集

  • 島津斉彬(演:加山雄三)…薩摩藩藩主、隆盛・利通らの主君であると同時に恩師ともいえる存在。幕末期屈指の開明派な藩主。あまりの蘭学好きに父・斉興に疎まれ、弟・久光との間に家督争いを起こし、最終的に勝利するが子供たちに先立たれる不孝に見舞われる。斉彬の死後、後を継いだのは久光の嫡男・忠義であり、久光の母・お由羅の方が呪いをかけたとの噂が流れたことから、隆盛は実権を握った久光に怨恨の情を持ちつづけた。
  • 島津久光(演:高橋英樹)…島津斉彬の異母弟。斉彬との藩主争いには敗れたが、彼自身は兄を尊敬しており、斉彬の死後、兄の遺志を継ごうと江戸に上り、幕政改革を志す。しかし、その極端に保守的な政治姿勢を隆盛に罵倒され、彼を流罪に処す。その後、利通や帰参した隆盛らの主導のもと討幕を果たし左大臣に就任するが、新政府の政治方針に真っ向から反発、鹿児島に引退する。

ちなみに中の人は18年後で異母兄・島津斉彬を演じることになる

  • お由羅の方(演:草笛光子)…久光の母、島津斉興の寵愛を受けて久光を薩摩藩主にしようと画策するが失敗、斉彬に呪詛をかけたとの疑いがもたれれている。
  • 島津斉興(演:江見俊太郎)…斉彬・久光兄弟の父。金を使うことになる斉彬の蘭学好きを危惧、藩主の座を寵愛する側室・お由羅の方の子・久光に与えることを画策するが、幕府の介入を招き、裁定により斉彬を藩主の座に据える。

長州藩編集

  • 木戸孝允(演:田中健)
  • 大村益次郎(演:平田満)…人並み外れた軍略で幕府軍を翻弄、幕府打倒に貢献する。その理詰めな行動が行き過ぎるあまり、信義の反発を買うこととなり、後に暗殺の憂き目に遭うが、本作では割愛されている。

土佐藩編集

江戸幕府編集

  • 勝海舟(演:林隆三)
  • 徳川慶喜(演:三田村邦彦)…江戸幕府最後の将軍。老中・板倉勝靜に「幕府に西郷、大久保のような人物はいるか」と尋ね、人材のいない幕府の行く末を嘆き、大政を朝廷に奉還する。
  • 板倉勝靜(演:津村鷹志)…幕府老中。慶喜に「人材の有無」を尋ねられ、幕府に人がいないことを断腸の思いで奏上する。

スタッフ編集

原作:司馬遼太郎『翔ぶが如く』『最後の将軍』『竜馬がゆく』ほか

脚本:小山内美江子

音楽:一柳慧


関連タグ編集

大河ドラマ 江戸時代 江戸幕府

西郷どん(2018年度大河ドラマ)…林真理子原作、西郷隆盛を主人公とする一方、西郷隆盛を演じた西田敏行がナレーターと隆盛の長男・菊次郎を、大久保利通を演じた鹿賀丈史が島津斉興を、有村俊斎を演じた佐野史郎が井伊直弼をそれぞれ演じている。


春日局翔ぶが如く太平記

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