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概要

無限キテレツ地獄とは、静岡県に伝わる一種の都市伝説。

アニメ不毛の地・静岡」では新作アニメの放送そっちのけで『キテレツ大百科』の再放送ばかり繰り返したため、静岡県民のトラウマとなっているという。

ふたば☆ちゃんねるでもこの状況を揶揄した画像が多数作られており、特にコミカライズ版『∀ガンダム』の1シーンをコラージュした「またキテレツじゃねぇか!」「まんがなんて何でも同じだろ。そんなことよりサッカー中継がはじまるよ」という会話が描かれたものが有名である。

インターネットによって深夜アニメの存在を初めて知ったであろう当時の静岡のアニオタが、地方の放送環境を揶揄・自虐するネタとして広まった。午後5時のアニメ枠が消滅し、ネット視聴の普及など放送環境が改善された2015年以降は完全に死語となっている。テレビ局のことは嫌いでも、キテレツのことは嫌いにならないでくださいナリ。

実態

実際のところ、テレビ静岡平日午後5時のアニメ放送枠において、『キテレツ大百科』が長期間1996年1998年1999年末~2001年2003年2005年2008年末~2009年)に渡って月~木の週4回、合計888回放送されていたのは事実である。『キテレツ大百科』は全331回なので2周以上放送されたのは間違いなく、既に放送された回が数年後に再々放送される事も当然あった。同じ回を何度も見たという視聴者も多い。

一方、同枠では『キテレツ大百科』ばかり放送されていたわけではなく、新旧様々なアニメが放送されていた。一番放送回数が多かったのは『ONEPIECE』。次いでご当地アニメの『ちびまる子ちゃん』も多く放送されており、『キテレツ大百科』の放送回数は第3位に過ぎない。加えて金曜日には『ビーストウォーズメタルス』や『のだめカンタービレ』といった月~木とは毛色の異なるアニメが放送されるのが恒例だった。

午後5時台がほぼ唯一のアニメタイムというのも誇張表現であり、あらゆる時間帯で様々なアニメの再放送が行われていた(その分、上記アニメ枠以外で『キテレツ大百科』や『ONEPIECE』が放送されていたという情報もある)。

ただ、『ONEPIECE』が週4回放送されるようになったのは2011年以降なので、この都市伝説が生まれた当初はまだ『キテレツ大百科』の印象が強かったと思われる(本記事の初版は2012年)。加えて『キテレツ大百科』は『ちびまる子ちゃん』や『こちら葛飾区亀有公園前派出所(放送回数第4位)』等とセットで放送された期間が長く、実際の話数以上に印象に残りやすい面もあった。

まとめると、『キテレツ大百科』ばかり再放送されていたというのは流石に言い過ぎだが、世代によってはそう認識してもおかしくない状況だったと言える。

また、こうした状況は静岡に限った話ではなく、地方局では放送枠の隙間にアニメの再放送を入れ込むのが珍しくなかった。時間調整のため30分アニメのOPEDをカットするくらいならまだしも、一話を半分ずつ放送する事さえあった。

静岡県では深夜アニメをあまり視聴できない環境だったことは事実であるが、これは地方都市一般に共通する。ただし静岡の場合隣県が愛知県神奈川県であること、静岡よりも人口が少ない山梨県の遠距離受信可能エリア、岐阜県三重県のほうがアニメ環境が良いという点が、中央新幹線同様大きな孤立感・反発を招いたと思われる。

それでも静岡県は民放4局あるので、アニメ環境に関しては民放2局しかない福井県宮崎県、民放3局しかない青森県富山県山口県大分県などよりは恵まれているが…

余談

『キテレツ大百科』作中には本当に「地獄」を模したテーマパークを作る回があり、クソゲーとして知られるファミコン版でも最初に作る事となるであろう発明品は「キテレツ地獄」である。ちなみに、これを作らなければコンティニューが出来ず、パスワードが聞けず、ステージクリア後のライフ回復(無償で回復してもらえるのではなく、ライフを貸してもらうという形)も出来ない。おまけにライフを借りたままクリアするとバッドエンドになるなど、かなり重要な発明品である。

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